
【小児科医監修】赤ちゃんと子どもの症状別ホームケア 性器に異常がある
感染症を予防するには性器を清潔にするのが基本
性器の病気としては、亀頭包皮炎や外陰部腟炎などの感染症、包茎などの生まれつきの形態の異常、陰嚢水腫や停留睾丸などの外科的な病気に大別されます。 男の子も女の子も、性器は肛門に近いため不潔になりやすい部位。性器も肛門も不潔にしておくと、感染症を引き起こす原因になります。
予防のためには、ふだんから清潔を心がけることが大切です。そして感染症のきざしに気がついたら、早めに小児科を受診しましょう。
赤ちゃんのおちんちんは包茎がふつう
性器の形態の異常では、男の子のおちんちんが包茎ではないかという心配が多くあります。
包茎というのは、おちんちんの先端の亀頭がいつも包皮に覆われている状態のことです。思春期になると自然に包皮がむけて亀頭が露出した状態になりますが、乳幼児期は包茎がふつうです。ただ、おしっこの際に亀頭がふくらんでおしっこが出にくかったり、おしっこが横に飛び散ったりするときは、先天的な異常による包茎の場合もあるので、小児科か小児外科で相談をしましょう。
また、生まれつき性器の形態に異常があると、そのせいで尿が逆流しやすかったり、流れにくかったりするために、感染症にかかりやすいというケースもよくあります。
健診でチェックされる病気もあります
陰嚢に水がたまる陰嚢水腫、陰嚢の中に睾丸がおさまっていない停留睾丸などの病気は、赤ちゃんの定期健診でもチェックされます。1か月健診のときから、医師が実際触って陰嚢に睾丸が入っているか、はれていないかなどを確認します。軽症だと出生時に発見できないこともあるので、定期健診は必ず受けましょう。
受診の目安をチェック
診察時間内に病院へ
【男の子】
□陰茎(いんけい)の先が赤くなってはれている。
□ おしっこをすると痛がる。
□ 黄色いうみが出ている。
□ おむつに血がついている。
□ 陰嚢に睾丸がない。
□ 形、構造に異常がある。
診察時間外でも病院へ
□ 陰嚢が赤くはれて痛がり、激しく泣く。
【女の子】
診察時間内に病院へ
□ 外陰部が赤くはれている。
□ 赤く小さなブツブツができている。
□ 形、構造に異常がある。
【受診のポイント】
おむつに血やうみがついていることから病気に気がつくこともあります。おむつ替えのときは、性器とおむつをチェックしましょう。

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性器のトラブル
性器の病気は赤ちゃんに多く見られますが、特に男の子に目立ちます。ちょっとへんかなと思ったら、早めに受診をして早期発見につなげましょう。
亀頭包皮炎
おちんちんの先端を亀頭、亀頭を包んでいる皮を包皮といい、この部分が細菌感染で炎症を起こしたもので赤くはれます。
包茎
包皮の先端はすぼまっていて、亀頭が隠れています。包皮を押し下げようとしても、突っ張ってできません。
鼠径(そけい)ヘルニア
腸の一部や女の子の卵巣が飛び出してきて、ピンポン玉ぐらいの大きさの弾力あるふくらみができます。
停留睾丸
睾丸は誕生前に陰嚢内に下りてきますが、完全に下りなかったことが原因。片側だけのことがほとんどです。
陰嚢水腫
陰嚢に水がたまります。片方だけのことが多いですが、両方の場合もあります。鶏卵大になることや大きさが変わることもあります。
写真提供:ゲッティイメージズ
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