
【医師監修】妊娠中に風邪を引いたら?発熱したときの対処法や赤ちゃんへの影響も解説
妊娠中に風邪を引いてしまい「赤ちゃんに影響しないかな?」と不安に思っている人もいるでしょう。
妊娠中の風邪そのものが赤ちゃんに影響することは基本的にありませんが、なかには医療機関を受診したほうがよいケースもあります。
この記事では、妊娠中に風邪を引いた場合の対処法や赤ちゃんへの影響を解説します。妊娠中に特に気をつけたい感染症や風邪予防に効果的な方法、熱がある場合の対応も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
妊娠中に風邪を引いてしまい「赤ちゃんに影響しないかな?」と不安に思っている人もいるでしょう。
妊娠中の風邪そのものが赤ちゃんに影響することは基本的にありませんが、なかには医療機関を受診したほうがよいケースもあります。
この記事では、妊娠中に風邪を引いた場合の対処法や赤ちゃんへの影響を解説します。妊娠中に特に気をつけたい感染症や風邪予防に効果的な方法、熱がある場合の対応も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
妊娠中は風邪を引きやすいって本当?

妊娠中は免疫力が低下しているため、風邪を引きやすくなります。
免疫力が下がる理由は、ママの体がお腹の赤ちゃんを異物と勘違いして攻撃してしまうのを防ぐためです。
免疫力が低下すると、風邪(ウイルス感染症)をはじめ、さまざまな感染症にかかりやすくなります。また、重症化して合併症を引き起こすリスクも高くなります。
そのため、妊娠中はマスクを着用したり、手洗いを徹底したりするなど感染症対策を徹底することが大切です。
妊娠中に特に注意したい風邪・感染症とは?

妊娠中は免疫力が下がっており、さまざまな感染症にかかりやすい状態です。特に以下の感染症は、赤ちゃんへの影響や重症化のリスクが懸念されるため注意しましょう。
風疹
風疹は、風疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。高熱や発疹、関節痛などの症状がみられ、大人が発症すると重症化することがあります。
特に、妊娠20週頃までの妊婦さんが感染した場合、赤ちゃんの心臓や目、耳などに障害がみられる「先天性風疹症候群」が起こることがあるため、注意が必要です。
人混みをできるだけ避け、外出時にはマスクを着用するなどの感染症対策をしっかりと行いましょう。
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって引き起こされます。
38度以上の高熱や倦怠感、関節や筋肉の痛み、頭痛などの症状が急に現れるのが特徴です。
妊婦さんは重症化しやすいため、妊娠前よりも徹底した感染症対策が必要となります。また、妊娠初期に妊婦さんがインフルエンザにかかって高熱が出た場合、赤ちゃんに影響する可能性も。
手洗いやマスク着用、ワクチンの接種などでしっかりと予防しましょう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
新型コロナウイルス感染症は「重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV2)」による感染症です。発熱や咳、味覚・嗅覚異常などの症状が現れます。
妊婦さんが感染しても、赤ちゃんに影響することはほとんどありません。しかし、妊婦さん自身に重症化のリスクがあるため注意が必要です。
こまめに手洗いをする、人混みを避けるなど、日頃から徹底した感染症対策を行いましょう。
妊娠中に風邪を引いたらどうすればいい?

妊娠中に風邪を引いてしまったら、どうすればよいのでしょうか?ここからは、妊娠中に風邪を引いた場合の対処法をいくつか紹介します。
まずはゆっくり休む
まずは横になって安静に過ごしましょう。
寒気がある場合は、部屋を暖かくして布団に入り、体を温めます。寝汗で体が冷えてしまわないよう、通気性のよい服装を選びましょう。汗をかいたらこまめに着替えるようにしてくださいね。
一方、熱で体がほてるときは、首のまわりや脇の下、太ももの付け根など、太い血管が通っている部位を冷やすとよいでしょう。
水分をしっかり摂る
水分をこまめに摂ることも大切です。特に、発熱や鼻水などの症状がある場合は脱水状態になりやすいため、水分補給を十分に行いましょう。
生姜やはちみつの入った温かい飲み物は、体を温めて喉を潤す効果が期待できます。また、スポーツドリンクなら体内から失われた水分を効率よく補うことができますよ。
なお、緑茶で水分補給をするのは控えたほうがよいでしょう。緑茶には、風邪の緩和に効果的とされる「カテキン」が含まれる一方、カフェインも含まれています。
妊娠中にカフェインを過剰摂取すると、お腹の赤ちゃんに影響する可能性があるため、なるべく控えたほうがよいとされています。
妊娠中に風邪を引いたときは、ノンカフェインのもので水分を摂るようにしましょう。
必要に応じて医療機関を受診する
高熱が出ている場合や、熱が長引いている場合は医療機関を受診しましょう。特に、38度以上の高熱が続く場合は赤ちゃんに影響することがあります。
また、嘔吐や下痢などの症状がある場合も、脱水を引き起こす可能性があるため受診が必要です。
原因を明らかにし適切な処置を受けるためにも、気になる症状があれば早めに医師に相談しましょう。
自己判断で薬を飲まない
妊娠中は自己判断で風邪薬を飲まないようにしましょう。薬によっては赤ちゃんに悪影響を及ぼすことがあります。
市販薬であっても事前に医師に相談し、指示に従って服用しましょう。医師から適切な薬を処方してもらえることもありますよ。
妊娠中の風邪は赤ちゃんに影響する?

妊娠中の風邪自体が、赤ちゃんに直接的な悪影響を及ぼすことはないでしょう。
しかし、妊娠初期に38度以上の高熱が出た場合、赤ちゃんの発育に影響を与える可能性があるとされています。
また、妊娠後期の高熱は切迫早産のリスクを高めると考えられています。
高熱が出た場合は、なるべく早く医療機関を受診することが大切です。
妊娠中の風邪を予防するには?

妊娠中に風邪を引くと重症化のリスクが高いため、感染を未然に防ぎたいものですよね。
ここでは、妊娠中の風邪を予防する方法をいくつか紹介します。
手洗いを徹底する
手洗いをこまめに行い、感染症対策を入念に行いましょう。特に、帰宅時や食事前は丁寧に洗い、ウイルスの侵入をできる限り防ぐことが大切です。
手洗いは、流水で手を濡らしたあと、石鹸を使って手のひら・指の間・手の甲・手首をよくこするのがポイント。20〜30秒以上かけて丁寧に洗いましょう。
マスクを着用する
外に出るときはマスクを着用しましょう。マスクを着けることで、飛沫による感染のリスクを抑えることができます。
特に不織布のマスクについては、マスクなしの場合に比べ、吸い込む飛沫の量を約70%抑えられるという実験結果が報告されています。感染症対策の効果が最も高いとされているので、なるべく不織布マスクを使うようにしましょう。
鼻と口をマスクでしっかりと覆い、ワイヤーが鼻にフィットするように調整することで、最大限の効果が期待できます。
栄養バランスに気を配る
栄養バランスのよい食事を摂ることも大切です。食生活の乱れや栄養の偏りは、免疫力の低下の原因となります。さまざまな食材から栄養を満遍なく摂取し、健康的な体を作りましょう。
なかでも、ビタミンA・C・B1やたんぱく質は、風邪予防に効果的とされています。日々の食事に積極的に取り入れましょう。
風邪予防のために積極的に摂りたい栄養素
ビタミンA
鼻や喉の粘膜を保護する働きがあります。ただし、妊娠初期に過剰摂取すると赤ちゃんに影響を及ぼすことがあるため、適切な範囲で摂取しましょう。
多く含む食品:レバー、うなぎ、バター、卵、にんじんなど
ビタミンC
ウイルスに対する抵抗力を高める働きがあります。1回でまとめて摂取するよりも、3回ほどに分けて摂取したほうがより効果的です。
多く含む食品:パプリカ、ブロッコリー、キウイ、いちご、みかんなど
ビタミンB1
体の疲れを回復させる効果が期待できます。ビタミンB1は水に溶けやすく、尿と一緒に排出されやすいため、毎日摂取することが理想です。
多く含む食品:豚肉、ナッツ、カリフラワー、大豆、ほうれん草など
たんぱく質
新陳代謝を高め、体の抵抗力を高める効果があります。毎回の食事で必ず摂取したい栄養素です。
多く含む食品:鶏ささみ、かつおぶし、卵、油揚げ、ぶりなど
日頃から運動する
日頃から体を動かしておくと血行がよくなり、免疫力の向上につながります。
これまでの研究で、運動習慣がある人ほど風邪を引きにくく、重症化のリスクも低くなることがわかっています。
ただし、激しい運動はかえって免疫力を下げるという報告もあります。特に妊娠中は、過度な運動をすると体に大きな負担がかかるので、適度な運動が大切です。
ウォーキングやヨガなど、体に負荷がかかりにくい運動を行うことを心がけましょう。
十分な睡眠をとる
十分な睡眠時間を確保することも大切です。
これまでの研究で、睡眠時間が7時間未満の人は、8時間以上の人に比べ風邪を引くリスクが約3倍高いことがわかっています。
しかし実際には、仕事などで忙しく8時間以上眠るのが難しい場合もあるでしょう。そのため厚生労働省では、平日6時間以上の睡眠を目標にすることを推奨しています。
6時間以上眠ることで、日中にたまった疲れやストレスの改善につながります。心身の健康のためにも、6時間以上眠ることを意識してみましょう。
こまめに気分転換をする
ストレスをためると、自律神経が乱れて免疫力が低下しやすくなります。こまめに気分転換をして、体や心をリフレッシュしましょう。
ストレスの発散方法は人それぞれです。読書や入浴をする、友人やパートナーと会話するなど、自分に合った方法を見つけてみてくださいね。
喉を潤しておく
喉の粘膜が乾燥すると、細菌やウイルスに対するバリア機能が低下し、風邪を引きやすくなります。水分をこまめに摂るなどして、喉を常に潤しておきましょう。
室内では、加湿器や濡れタオルなどを使うのもよいですね。部屋の湿度は40〜60%が理想といわれているので、この湿度を保てるよう工夫してみましょう。
高熱が出たらどうすればいい?

38度を超える高熱が出た場合や、37度後半の熱でもなかなか下がらない場合は、すみやかに医療機関に相談しましょう。妊娠中の発熱は、妊娠の経過や赤ちゃんに影響を与える可能性があるためです。
発熱の場合、基本的には内科、鼻詰まりや喉の痛みは耳鼻咽喉科ですが、迷ったらかかりつけ医に相談しましょう。受診の際は、妊娠中であることを伝えてくださいね。
また、発熱にともなって汗をかくと、体内の水分が失われるため、こまめに水分補給しましょう。ミネラルを含んだスポーツドリンクや経口補水液を摂ることで、体外に排出された塩分なども補給が可能です。常温のものを少しずつ数回に分けて飲むとよいでしょう。
妊娠中に風邪を引いたらまずは安静に。高熱の場合は病院へ

妊娠中の風邪が、赤ちゃんに直接的な悪影響を及ぼすことはありません。過度に心配せず、まずはゆっくり休んで体力を回復させましょう。
妊娠中は免疫力が低下していて風邪を引きやすいので、妊娠前よりも感染症対策をしっかりと行うことが大切です。手洗い・うがいを徹底することはもちろん、マスクの着用や生活習慣の見直しなども心がけましょう。
高熱が出た場合は、赤ちゃんに影響するおそれがあるため、速やかに医師に相談してください。
- 妊娠中は免疫力の低下により風邪を引きやすい
- 風邪を引いたらまずはゆっくり休もう
- 妊娠中の風邪自体が赤ちゃんに影響を与えることは基本的にない
- 手洗い・うがいや生活習慣の見直し、マスクの着用などで予防しよう
- 38度以上の高熱が出た場合は早めに医療機関を受診しよう
出典
- 厚生労働省,「風しんについて」,2025/4/14閲覧
- 厚生労働省,「インフルエンザQ&A」,2025/4/14閲覧
- 厚生労働省検疫所FORTH,「新型コロナウイルス感染症」,2025/4/14閲覧
- 厚生労働省,「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策〜妊婦の方々へ〜」,2025/4/14閲覧
- MSD,「妊娠中の発熱」,2025/4/7閲覧
- 日本赤十字社 広島県支部,「正しい手洗いとうがいの仕方のご紹介」,2025/4/7閲覧
- 厚生労働省,「ーからだづくりの基礎となる『主菜』は適量をー」,2025/4/7閲覧
- 厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト,「三大不足(栄養・睡眠・運動)とそのリスク、対策」,2025/4/14閲覧
- 厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト,「e-ラーニングで学ぶ 15分でわかる働く人の睡眠と健康」,2025/4/14閲覧
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