【医師監修】妊娠検査薬のフライング検査とは?性交から2週間後・生理予定日当日はNG?
妊娠の可能性がある人のなかには「妊娠検査薬でフライング検査をしても正しい結果を得られるのか気になる」「性交から2週間後はフライング検査になる?」などの疑問を抱えている人もいるでしょう。
この記事では、妊娠検査薬のフライング検査をした場合の精度やリスクを解説します。
生理予定日当日やその2日後などがフライング検査にあたるのかも解説するので、ぜひ参考にしてください。
妊娠の可能性がある人のなかには「妊娠検査薬でフライング検査をしても正しい結果を得られるのか気になる」「性交から2週間後はフライング検査になる?」などの疑問を抱えている人もいるでしょう。
この記事では、妊娠検査薬のフライング検査をした場合の精度やリスクを解説します。
生理予定日当日やその2日後などがフライング検査にあたるのかも解説するので、ぜひ参考にしてください。
監修者:白井 沙良子先生(小児科医)
小児科専門医(日本小児科学会)。「International Parenting & Health Insutitute Sleep Consultant(妊婦と子どもの睡眠コンサルタント)」保有者。慶應義塾大学医学部卒業後、複数の総合病院にて研修を積んだのち、都内クリニックの非常勤医師として小児科外来を担当。0〜15歳の子どもの疾患や育児に関する相談も担当している。また数百件を超えるオンライン医療相談の経験もあり。2児のママとしての自身の経験・視点も活かし、対面およびオンラインで、子どもと保護者の支援にあたっている。
関連サイト:東京シティクリニック大山
この記事のポイント
- フライング検査とは、推奨時期よりも前に妊娠検査薬を使用すること
- 妊娠検査薬は、妊娠すると分泌されるhCGに反応する
- フライング検査ではhCGがまだ足りず、正しい結果が出ない可能性がある
- 妊娠検査薬は生理予定日の1週間後以降に使用しよう
- 妊娠の可能性を早く知りたい場合は早期妊娠検査薬の使用を検討しよう
妊娠検査薬のフライング検査とは?
フライング検査とは、定められた時期よりも前に妊娠検査薬を使用することです。
一般的に妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後から使用することが推奨されていますが、フライング検査は生理予定日当日やそれ以前に検査を行うことを指しています。
早く結果を知りたい気持ちからフライング検査をしてしまう人もいますが、正確な結果を得られない可能性があるため、フライング検査は避けたほうがよいでしょう。
妊娠検査薬を性交後2週間で使うのは早い?
性交のタイミングによっては早い可能性があります
一般的な妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後(妊娠4〜5週頃)に使うのが目安です。排卵日前後に性交をした場合、性交の2週間後は、妊娠3週目と4週目頃にあたります。使用の目安よりも1〜2週間早い時期になるため、正しい結果が出ないこともあるでしょう。妊娠検査薬は、性交日ではなく生理予定日を基準に使うことが大切です。
生理予定日当日はフライング検査になる?
生理予定日の当日〜1週間未満の使用はフライング検査となります
一般の妊娠検査薬は生理予定日の1週間後以降の使用が推奨されています。生理予定日当日の使用はフライング検査に該当し、まだ正確な判定が出ない可能性が高いでしょう。また、生理予定日の2日後・5日後など、生理予定日から1週間たたないうちに検査をした場合もフライング検査となります。正しい結果を得るために、生理予定日から1週間以上たってから検査することを心がけましょう。
妊娠検査薬のフライング検査をするデメリットとは?
妊娠の可能性を早くはっきりさせたい気持ちから、フライング検査をしようと考える人もいるかもしれません。しかし、フライング検査にはデメリットがあります。
余計な不安や期待に振り回されないよう、妊娠検査薬は適切なタイミングで使用しましょう。
正確な判定が出ない可能性が高い
フライング検査では、正しい判定が出ない可能性があります。
妊娠検査薬は、尿中の「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンを検出して判定する仕組みです。
hCGは妊娠すると急激に増加しますが、検査の時期が早すぎるとhCGの量がまだ少なく、検査薬が正確に反応しない可能性があります。
実際に妊娠していても陰性の判定が出たり、反対に偽陽性の結果が出たりすることがあるのです。
正確な結果を得るために、hCGが妊娠検査薬の反応レベルに達する生理予定日の1週間後以降に検査しましょう。
妊娠確定まで長く待たなくてはならない
妊娠が確定するまで長い期間待つ必要があるのも、フライング検査のデメリットのひとつです。
妊娠検査薬で陽性が出ても、すぐに妊娠確定とはなりません。通常、妊娠5〜6週頃に産婦人科を受診し、超音波検査で胎嚢と赤ちゃんの心拍を確認できれば、妊娠が確定します。
生理予定日の1週間前にフライング検査をして陽性が出ても、産婦人科を受診して妊娠が確定するのはその2〜3週間後。その間、不安や焦る気持ちを抱えながら過ごすことになるかもしれません。
知らなくてもよい化学流産を知ってしまう
化学流産とは、妊娠検査薬で陽性が出てから産婦人科を受診するまでの間に流産してしまうことです。
化学流産が起こると、受精卵が出血とともに排出されます。ちょうど生理予定日前後に出血がみられるので、生理と勘違いして化学流産に気づかないことも多いです。
しかし、フライング検査をしてしまうと、陽性が出て病院を受診した際に「妊娠していないですね」と言われ、化学流産に気づいてしまうことも。
フライング検査をしたことで、知らなくてもよい化学流産を知り悲しい気持ちになってしまう可能性があるでしょう。
ただし、双子などhCGが通常より多く分泌される状況であれば、フライングの時期でも陽性になる確率が高くなる可能性はあります。
とはいえ、フライング検査にはさまざまなデメリットがあり、医学的にも推奨できません。
正しい結果を得るためにも、推奨時期をきちんと守ることが大切です。
最短でいつから正しい陽性が出るかは、医学的にもわかっていないようです。
正しい結果を得られるよう、適切な時期がくるまで妊娠検査薬の使用は控えましょう。
妊娠検査薬が正しく反応するのはいつから?
妊娠検査薬で正しい反応が出るのは、生理予定日の1週間後以降です。
妊娠検査薬は、妊娠にともない分泌される「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」に反応して陽性が出ます。
hCGは生理予定日の1週間ほど前から分泌され始め、生理予定日を過ぎた頃から急激に増加します。そして、生理予定日の約1週間後から妊娠検査薬で陽性が出るほどの量に達するのです。
生理予定日から1週間たっていないうちに妊娠検査薬を使ってしまうと、hCGがまだ十分に分泌されておらず、誤った結果が出る可能性があります。
正しい判定結果を得られるよう、妊娠検査薬は生理予定日の1週間後以降に使用しましょう。
フライング検査をしたあとはどうすればいい?
「もうフライング検査をしてしまった」という人のなかには、今後どう対応すればよいのか迷っている人もいるでしょう。
ここでは、フライング検査後の適切な対応について、陽性のケース・陰性のケースに分けて解説します。
フライング検査で陽性が出た場合
フライング検査で陽性が出たら、生理予定日の1〜2週間後に産婦人科を受診しましょう。
妊娠確定には、産婦人科で必要な検査を受け、胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)と赤ちゃんの心拍を確認する必要があります。
しかし、いずれも妊娠5〜6週頃(生理予定日の1〜2週間後)にならないと確認できません。フライング検査後すぐに受診しても「日をおいてまた来てください」と言われ、二度手間になってしまうので、適切な時期まで落ち着いて待ちましょう。
フライング検査で薄い線が出たら陽性なの?
薄い線が出たタイミング・消えたタイミングによって判断が異なります
フライング検査で薄い線が現れてそのまま消えない場合は、陽性の可能性が高いといえます。産婦人科を受診して、本当に妊娠しているかを確認しましょう。一方、薄い線が出たあとすぐに消えてしまった場合は陰性と考えられます。また、数時間たってから薄い線が現れた場合は「蒸発線」といい、こちらも陰性の可能性が高いでしょう。とはいえ、そもそもフライング検査は誤った結果が出る可能性が高く、薄い線が出た場合は特に妊娠の有無を判断するのが難しいので、日をおいて再検査するのがおすすめです。
フライング検査で陰性が出た場合
フライング検査で陰性が出た場合、生理予定日の1週間後以降にもう一度検査をしてみましょう。
フライング検査のタイミングでは、たとえ妊娠していてもhCGがまだ十分に分泌されていません。
正しい結果を得るために、生理予定日から1週間ほど経ってから再度検査をしてみてください。
フライング検査で陰性でも妊娠している可能性はある?
妊娠の可能性はゼロではありません
フライング検査で陰性が出ても、妊娠している可能性はあります。フライング検査の時期はまだhCGが十分に分泌されていないため、妊娠していても陰性となることがあるのです。hCGが妊娠検査薬の反応レベルに達するのは、生理予定日の1週間後以降。この時期になっても生理が始まらなければ、新しい妊娠検査薬で再検査をしましょう。「フライング検査で陰性が出たけれど、生理予定日の1週間後以降に検査したら陽性に変わった」というケースもあるので、フライング検査で陰性が出てもあまり落ち込まないでくださいね。
妊娠の可能性を早く知りたいときは?
妊娠の可能性を早く知りたい場合は「早期妊娠検査薬」を使用しましょう。
早期妊娠検査薬とは、通常の妊娠検査薬よりも少ない量のhCGに反応する検査薬です。
通常の検査薬の多くがhCG濃度50mIU/mLで反応するのに対し、早期妊娠検査薬はその半分ほどの濃度でも反応します。
hCGの量がまだ少ない生理予定日当日でも99%以上の精度で判定できるため、妊娠の有無をできるだけ早く確かめたい人におすすめです。
ただし、早期妊娠検査薬を購入できるのは薬剤師が在籍する薬局のみ。ドラッグストアやインターネットでは購入できないので注意しましょう。
また、フライング検査と同様、妊娠確定までの時間が長いこと・化学流産を知ってしまう可能性があることも留意しておく必要があります。
【先輩ママ183人に聞いた】フライング検査、したことある?
フライング検査は推奨されていないものの、実際どのくらいの人がフライング検査をしているのかは気になるところです。
トモニテ編集部では、妊娠を経験した女性を対象に、妊娠検査薬に関するアンケートを実施。
妊娠検査薬を使用した時期について調査したところ、一般の妊娠検査薬で推奨される「生理予定日の1週間後」よりも早く検査をした人は、約45%にのぼりました。
なかでも特に多かったのは「生理予定日より前」という回答で、推奨時期より早く使用した人の4割以上を占めています。
妊娠の可能性をいち早く知りたい気持ちから、早い時期に妊娠検査薬を使う人は多いようです。
とはいえ、フライング検査では正しい結果を得づらいので、推奨時期をしっかりと守って使用しましょう。
妊娠検査薬は生理予定日の1週間後に使おう!気になることがあれば病院へ
フライング検査とは、指定されたタイミングよりも早く妊娠検査薬を使用することです。一般的には生理予定日の1週間後よりも前に検査することを指し、性交の2週間後や、生理予定日の当日・2日後もフライング検査にあたります。
フライング検査では正確な結果を得られにくいので、適切な時期に検査することが大切です。どうしても早く結果を知りたい場合は、生理予定日の前〜当日でも使用できる早期妊娠検査薬を検討してください。
もし、フライング検査で陽性が出ても「妊娠したかも」程度に考え、適切な時期に再度検査を行いましょう。
そのうえで、陽性が出た・陰性でも生理がこないなどの場合は病院を受診してくださいね。
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
本サイトでは正確な情報を提供できるよう最善を尽くしておりますが、妊娠期の母体の状態は個々人により異なるためすべての方に適用できるものではございません。
記事の一部では妊娠中の方から寄せられた体験談を紹介しておりますが、個人の実体験に基づいており医学的根拠があるものとは限りません。専門家の見解と異なる意見も含まれるためご注意ください。
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