トモニテ
さまざまな出産方法

自然分娩?無痛分娩?さまざまな出産方法

病院で医師や助産師の主導で「産ませてもらう」お産から、自分の希望のスタイルで「自分が産む」お産に変わっています。そう、赤ちゃんを産むのはママ自身。自然出産が見直され、ママの希望に沿ったお産がしやすくなっています。知識を身につけて、自分に合った出産方法でお産にのぞみましょう。

自分が望む出産をイメージする

 お産の方法は大きく分けて、自然の陣痛を待って出産する自然出産と、出産予定日を決め、何らかの方法で計画的に出産する方法とがあります。さまざまな方法がありますが、赤ちゃんとママどちらにとっても安全であることが基本です。

 出産方法は、医師や病院主導の管理出産よりも、ママの主体性を重視した自然に近い形(たとえばパパの立ち会いのラマーズ法など)で産みたいと考える人が多く、病院や施設もその希望に沿うお産の形へ変わってきています。

 ぜひ、バースプランを立ててママ自身の考えでお産をしてください。

 ただし、赤ちゃんや母体が危険な状態におちいったときは、医師の判断で、医療処置が必要になります。帝王切開出産や会陰切開、吸引や鉗子による出産などの必要性も知っておきましょう。

出産方法で選ぶ医院も異なる

 最近では、医学が進歩したため、出産方法が豊富になっています。自然出産が主流ですが、無痛出産や、帝王切開出産、水中出産などがあります。しかし、すべての産院がすべての出産方法に対応しているわけではいないので、事前に調べることが大切です。

自然出産を助けるさまざまな方法

 数時間で生まれる人もいれば、何十時間もかかる人もいるように、出産にかかる時間は人それぞれで、痛みの感じ方にも個人差があります。

 痛みをやわらげ、産む苦しみを少しでも軽くしようというのが左ページの方法です。恐怖心や不安感が強いと、よけいに痛みが強くなり、お産に時間がかかるという研究もあります。

出産方法、こうすればよかった こうしてよかったのいろいろ

  • 陣痛の痛みは予想をはるかに超えるものだった。無痛出産にすればよかった
  • 呼吸法をもっと練習しておけば、いちばんつらかった時期をもう少しラクに乗り越えられたかと思う
  • 生まれたての赤ちゃんを、すぐにおなかの上にのせてくれたのでうれしかった
  • 出産室へ移動するとき、たった10m歩くのもとてもつらかった。次はLDRのある病院を選びたいと思う
  • 無痛出産は、痛みのピークだけを抑えるもので、意識はちゃんとあるし、自分でいきんで産めたので満足

気持ちをリラックスさせ陣痛を乗り切る

ラマーズ法

 フランスのラマーズ医師によって考え出された、「自分が努力し、練習して、自分の力で産む」呼吸法とリラックス法です。

 妊娠6~7か月からくり返し練習して身につけておくと、お産の時に役立ちます。

 ラマーズ法というと、パパの立ち会いで産むというイメージをもっている人が多いようですが、実際には、ひとりで出産する場合でもラマーズ法は役立ちます。

ソフロロジー法

 スペインのカイセド医師によって考え出された、「西洋のリラックス法に東洋のヨーガ・仏教・禅などの知識を結びつけた積極的リラックス法」です。フランスの出産教育法として普及し、日本でも広まりました。

 静かな音楽を聞きながらのイメージトレーニングによるリラックス法を学び、自立出産による陣痛の乗り切りと「母性の確立」を目指します。

立ち会い出産

 不安や孤独感が緊張を強め、出産を遅らせることがわかったため、身内の人の立ち会うケースがふえています。立ち会い出産に限ったことではないですが、どうしたいかを、2人でよく話し合っておきます。

 出産を経験した人の意見としても、パパや親がそばにいてくれたことで心強かったから出産を乗り切ることができたという声を多く聞きます。また、パパは立ち会うことで出産の大変さを理解したり、パパとしての自覚がもてたりするようです。

 施設によっては、ママとパパの2人でラマーズ法の講習を受けないと立ち会えない場合や、立ち会い自体ができないところもあるので、事前に出産施設に確かめておきましょう。

リラックスできる出産環境

LDR

 手術室のような分娩台で産むのは緊張します。そこで同じ部屋で陣痛時、出産、産後を過ごせるのがLDR。CDやビデオを見てリラックスして過ごしていたら陣痛がきたので医師を呼んでそのまま出産──という具合。LDRのない病院もあるので、事前に確認を。

リラックスできる体位

アクティブバース

 出産のとき、分娩台に固定されたまま一定の体位でいるのは苦痛を感じるもの。ママが「いきみやすい」ように、からだを固定せず自由な姿勢で産む出産方法をアクティブバースといいます。

 最近は、背もたれの傾斜を調節できるリクライニング方式の分娩台がふえてきました。陣痛の間は、横向きやあお向け、うつ伏せ、座位など、その人がラクな姿勢をとります。

より痛みを少なくする方法

 出産の痛みは、子宮収縮によって起きるだけでなく、出産に対する恐怖心が緊張状態をまねき、痛みを増幅させます。無痛出産は、この痛みをとることによって恐怖と緊張が生むストレスをとり除き、出産をスムーズにするものです。無痛出産には、①麻酔を使用せず恐怖や不安をとり除き、痛みをやわらげる精神・心理的方法②鎮静薬・鎮痛薬による方法③神経ブロックによる方法④吸入麻酔薬による方法⑤鍼麻酔による方法、などがあります。

 しかし、無痛出産にはリスクもあります。いきむタイミングが自分ではわかりにくいほか、いきむ力が自然出産と比べて弱くなるので出産に時間がかかることがあります。

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写真提供:ゲッティイメージズ

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