【小児科医監修】髄膜炎
【症状】脳脊髄膜が炎症を起こし、高熱や嘔吐などの症状が
脳や脊髄の表面を覆って保護している薄い膜を、脳脊髄膜といいます。この脳脊髄膜にウイルスや細菌が感染して炎症が起こるのが髄膜炎で、ウイルスの感染による無菌性髄膜炎と、細菌の感染による細菌性髄膜炎があります。
症状はほぼ同じです。38〜39度の高熱が続き、頭痛や吐き気を訴えて、異常に不きげんになります。意識障害を起こしてグッタリしたり、けいれんを起こすこともあります。頭部の前面にある大泉門がはれる、首を前に曲げたり、おむつを替えようとして足を曲げたりすると痛がって泣く、などのようすが見られる場合もあります。
以上のような症状は、無菌性髄膜炎でも細菌性髄膜炎でも見られますが、症状の程度や治療の方法は、無菌性か細菌性かによって異なります。
無菌性髄膜炎
無菌性髄膜炎は、手足口病やヘルパンギーナなど夏かぜの原因になるエコーウイルスやコクサッキーウイルス、おたふくかぜの原因のムンプスウイルスなどのウイルスが中枢神経に侵入して、脳脊髄膜が炎症を起こします。おたふくかぜにかかった子の10%近くが、この病気にかかるといわれています。
無菌性髄膜炎の場合は、一般的に症状は軽く、後遺症もほとんどありません。
細菌性髄膜炎
細菌性髄膜炎の原因となる主な細菌には、インフルエンザ桿菌、肺炎球菌、大腸菌、溶連菌、結核菌などがあります。
細菌性髄膜炎は、炎症の程度が強く、脳の細胞にまで影響を及ぼします。無菌性髄膜炎よりもはるかに重症感があり、食欲が落ち、赤ちゃんなら母乳やミルクの飲みが悪くなり、不きげんになります。脳の血流が悪くなり、脳血栓や脳梗塞を起こしたり、まひ、知的障害、てんかん、水頭症などの後遺症を残したりすることもあります。
【治療】気になる症状があったら、至急受診を
髄膜炎は早期治療が大切な病気です。特に細菌性髄膜炎では進行が早く急を要する場合が多いので、高熱が続く、嘔吐を繰り返す、いつになくきげんが悪い、赤ちゃんなら大泉門が張っている、などのようすが見られたら、夜間や休日にかかわらず、至急病院へ行ってください。
病院では、腰椎に針を刺し、脳脊髄液を採取して調べる髄液検査を行って、髄膜炎を起こしているかどうかを診断します。白血球が増えていれば、髄膜炎との診断がつき入院して治療します。
無菌性髄膜炎の治療
無菌性髄膜炎の場合は、特効薬がないため、症状に応じて解熱剤や鎮静剤を使用し、回復を待ちます。全身状態がよくないときは、安静にして点滴を行うこともあります。
ほとんどの場合は、1〜4週間ほどでよくなり、通常は後遺症も残りません。
細菌性髄膜炎の治療
細菌性髄膜炎の場合は、脳脊髄液を培養して原因になっている細菌を特定します。そして、その細菌に効果がある抗生物質で治療します。
また、嘔吐がひどいときは点滴をして脱水症を予防。高熱があるときは解熱剤、頭痛があるときは鎮静剤を使用し、症状に応じた治療もあわせて行います。
治りきるまで無理をさせないで
髄膜炎は、夏かぜが長引いて体力が落ちているときや、おたふくかぜなどの後遺症として起こることがあります。それらの感染症にかかったときは、主な症状がなくなったからといって、無理をさせてはいけません。完全に体力が回復するまでは、静かに過ごしてください。
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