【小児科医監修】先天性股関節脱臼
【主な症状】足の開きが悪い
【主な症状】足の開きが悪い
【症状】骨盤から骨がはずれ、足の開きが悪い
大腿骨(太ももの骨)の先端が、受け皿である骨盤にしっかりはまっているのが正常な状態です。これがはずれた状態にあるのが、先天性股関節脱臼です。
完全にはずれている場合を脱臼、足の動きによってはずれたりおさまったりする場合を亜脱臼、はずれてはいないものの骨盤側の臼蓋(きゅうがい)の形が悪いためにはずれやすい場合を臼蓋形成不全といいます。
胎内で逆子だった赤ちゃんがなりやすいようです。また、男の子よりも女の子に多く見られます。
先天性股関節脱臼のようす
おむつ替えのときに足の開きが悪かったり、あおむけに寝かせてひざを曲げた状態から左右に開いたときに、股関節から音がしたりします。
また、あおむけでひざを立てたときに、ひざの高さが違う、左右の足の長さが違う、太ももの内側にあるしわの数やそのようすが違う、なども特徴です。
ただ、片側だけの脱臼はわかりやすいのですが、両足ともに脱臼している場合は、気づきにくいこともあります。
あおむけに寝かせて両足をゆっくり開いたとき、脱臼している側の足の開きが悪いのが特徴です。/ イラスト:浅羽ピピ
脱臼している側の足がやや短く、太もものしわが多い場合も。/ イラスト:浅羽ピピ
【治療】治療用のベルトを数カ月着用
股関節脱臼は、早めに発見して治療を始めれば、ほとんどが治る病気です。ふつうは健診で発見されますが、股関節の開きぐあいなどがおかしいと思ったら早めに受診しましょう。
軽度なら、またの部分を厚くしたまたおむつで自然な足の開きを保つうちに、股関節が発育して治ることもあります。
3〜4か月を過ぎても治らなければ、リーメンビューゲルというバンドを装着します。症状にもよりますが、3〜6か月ほどの装着で治ることが多いようです。
リーメンビューゲルで治らない場合は、牽引などの治療や手術を行います。
赤ちゃんの足を無理に伸ばさない
股関節脱臼は、生まれつき股関節がゆるい赤ちゃんが、生後無理に足を伸ばされたことで起こるケースも多いと考えられています。そこで予防のためには、赤ちゃんの足を無理に伸ばさず、自由な動きを制限しないことが大事。おむつをつける際は、股関節が開いていて、赤ちゃんの自然な足の形であるM字型のスタイルを妨げないように。抱っこのときも足をまっすぐにそろえて抱かず、またの間に手をいれて抱くようにしましょう。
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