
【小児科医監修】憤怒けいれん(泣き入りひきつけ)
【症状】泣いている途中で突然起こるけいれん
激しく泣いたり、かんしゃくを起こしたり、あるいは急にびっくりしたときなどに、突然息を止めて手足を突っ張り、けいれんを起こします。別名、泣き入りひきつけともいいます。
けいれんのようす
激しく泣いているときに、突然呼吸が止まります。そして、顔が青白くなり、 唇が紫色になるチアノーゼを起こします。これは呼吸が止まって酸素の供給がストップし、血液中の酸素が不足するためです。体を反らせ、手足をかたく突っ張りピクピクさせることもあります。
しかし、憤怒けいれんの発作は、多くの場合、1分ほどで治まり、すぐにふつうの状態に戻ります。
原因
憤怒けいれんは、激しく泣いたりかんしゃくを起こしたりしたときに、それがきっかけになって息継ぎができなくなり、 一時的に脳に酸素が送られなくなるのが原因と考えられています。呼吸の仕方がまだ上手ではなく、興奮状態になったときに、うまく呼吸をコントロールして息を整えるということができなくなるために起こってしまうのです。
たいていは、てんかんなどほかの脳の病気とは関係なく、脳波を調べても異常は見られません。
比較的多く見られるのは、生後6か月ごろから3歳ごろです。かんしゃくを起こしやすい子や興奮しやすい子に多いともいわれています。
いずれにしても、憤怒けいれんは、発達の途上で見られる一時的な現象。成長にしたがって、発作を起こす回数は自然に減り、落ち着いてきます。
【治療】念のために受診して確認してもらうと安心
発作を起こしても、ふつうはすぐに元の状態に戻るので、特別な治療は必要ありません。ごく短時間ですから、脳への悪影響も考えなくていいでしょう。 ただ、初めて憤怒けいれんの発作を起こしたときは、念のために小児神経科や脳神経外科などを受診し、てんかんなど脳の病気ではないことを確認してもらっておくと安心です。
抱っこ
発作を起こしやすい赤ちゃんの場合は、泣き始めたとき、激しく泣き叫ぶ前に抱っこをしたりして、気持ちを落ち着かせてあげるといいでしょう。
写真提供:ゲッティイメージズ
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