低出生体重児で生まれた場合どうなるの?
低出生体重児は機能的にも未熟な赤ちゃん
「低出生体重児」と「未熟児」は、似た意味で使われている傾向にありますが、「低出生体重児」は、「出生体重が2500g未満の赤ちゃん」とWHO(世界保健機構)で定義されています。
また、出生体重1000g以上1500g未満を「極低出生体重児」、1000g未満を「超低出生体重児」といいます。「未熟児」には正確な定義がなく、「低出生体重児で機能的にも未熟な赤ちゃん」という意味で使われているようです。
低体重といっても、予定日よりも早く生まれたために発育が十分でない場合と、週数は進んでいるものの、赤ちゃんのからだが小さく生まれた場合とがあります。例えば、同じ2400gの体重の赤ちゃんでも、予定日前後に生まれた赤ちゃんと、予定日よりも1か月早く生まれた赤ちゃんとでは、からだの機能の発育・体力が違います。
保育器の中の赤ちゃんにできるだけふれる
低出生体重児の赤ちゃんは、体温の調節や呼吸機能、母親からの免疫抗体などが不自由なため、しばらくは保育器の中で育てられることになります。保育器の中の赤ちゃんには、必要に応じて点滴やチューブを通して栄養分が送られます。
保育器の赤ちゃんをママが抱っこできるかどうかは、赤ちゃんの状態によります。病院の許可を得て可能なら、積極的に抱っこするようにしましょう。
保育器に入っている期間は、状態によりますが、一般的に予定日よりも早く生まれた日数分だけ保育器の中で育てるというのが目安になります。
NICUで多くの赤ちゃんが助かっている
1500g未満の極小出生体重児や、1000g未満の超出生体重児、からだの機能に異常がある赤ちゃんは、ふつうの保育器では十分な処置ができないため、小児科医の管理のもと、新生児集中治療施設(NICU)を備えている施設で、治療を行います。
低出生体重児は呼吸運動が弱いほか、体温調節がうまくできません。育てられる保育器の中は、温度や酸素を調節し、子宮の中と同じような環境に保たれています。
NICUには呼吸を助ける人工呼吸器、体の状態をこまかく観察するモニター類などさまざまな医療機器を備え、専任スタッフが24時間態勢で赤ちゃんを見守っています。
NICUでの新生児医療の進歩によって、20~30年前までは死亡率の高かった小さい赤ちゃんの治療成績はよくなってきました。ただ、治療がむずかしいケースもあるので、未熟であることによりさまざまな合併症が起こりやすくなります。
NICUでの治療が必要と判断された赤ちゃんは、設備のない産院では、救急車で搬送されます。
From mama 赤ちゃんが低出生体重児だった先輩ママたちの声
- NICUに入っているわが子を見て涙が止まらなかった。がんばれ、がんばれと泣きながら祈った
- さわってあげてくださいと看護師さんにいわれて恐る恐るさわったら、とても温かくて感動した
- ほかの子に比べると小さいけれど、小さいながらもどんどん大きくなっていく息子がたくましかった
- 保育器に入れられた最初のうちは、鼻にチューブを入れて栄養分を送られていたのに、そのうち飲みこむ力がついて、自分で飲めるようになっていた。その後、後遺症もなくすくすく育ってくれている
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写真提供:ゲッティイメージズ
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