高年齢出産とは?どんなリスクがある?
35歳以降の妊娠・出産を指す
35歳以上の初産婦を「高年初産婦」と呼び、近年は5人に1人が高年齢出産ともいわれています。女性の妊娠、出産はどんどん出産年齢が上がっているのが現状です。
しかし、女性のからだは加齢とともに変化します。まず、年齢を重ねると同時に、卵子のもととなる「原始卵胞」の数が減少し、〝卵子が老化〟します。卵子は女性が胎児のときに700万個つくられ、そのあとはつくられずに減り続けます。数が減るだけでなく、卵子の異常頻度もふえてくるのです。これによって、精子との受精率はぐんと下がります。
また、妊娠や出産に欠かせない、卵巣から分泌される女性ホルモンが減少してしまい、これによって排卵の回数が減少、妊娠しづらくなります。衰えのスピードは体質や環境によってそれぞれですがこのように加齢とともに、妊娠する確率が下がります。
高年齢出産のリスクを知る
まず、卵子の老化が原因で胎児に染色体異常の見られることがあります。先天的な染色体異常の中でも発症しやすいのが、ダウン症候群です。また、染色体異常によって早期流産率は年齢とともに上がります。妊娠12週を過ぎれば、流産のリスクはぐんと低くなります。
さらに、妊娠高血圧症候群になるリスクが高くなります。とくに、血縁者に高血圧や糖尿病患者がいる人は、体質もあるので注意が必要です。
しかし、大切なのはリスクと向き合いながらも不安になりすぎないようにし、お産や育児に備えて十分な体力づくりをすることです。
早産にもなりやすいのですか?
高年齢という理由だけではなりません
高年齢という理由だけでは早産になるということはありません。ただ、妊娠高血圧症候群や子宮筋腫など合併症があると、結果的に早産になりやすくなります。
妊娠生活でとくに気をつける点はなんですか?
施設選びと食事や運動を
産施設はなるべく合併症に対応できるところを選び、バランスのよい食事や適度な運動を心がけることです。
産後、体重や体型が戻りにくいって本当ですか?
年齢とは関係ありません
よくいわれていますが、産後の体重や体型の戻り具合は個人差によるもので、年齢とは関係ありません。ただし、妊娠中に体重がふえすぎた人は戻りにくくなります。
写真提供:ゲッティイメージズ
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