早産になると赤ちゃんへの影響は?
34週になれば体の機能がほぼ成熟します。安静を保ち、少しでも長くおなかの中にいさせてあげて
早産の原因は子宮内感染や母体の体質
妊娠22週以降、正期産(妊娠37〜41週まで)に入る前までの出産を早産といいます。早産は全妊娠の約5%に起こっていて、原因の多くは細菌による子宮内感染です。
腟から入った細菌がまず腟炎を起こし、だんだんと上に移動して子宮頸管に感染し、子宮口を開きやすい状態になります。さらに子宮内に入り、赤ちゃんや羊水を包む卵膜まで達すると、絨毛膜羊膜炎という感染症を引き起こします。そうなると子宮を収縮させ、卵膜を溶かし、破水して早産を引き起こします。
精液のなかには絨毛膜羊膜炎を引き起こす細菌が存在することもあるので、早産の疑いがある場合、性行為を控えたり、コンドームを使用するようにしましょう。また妊娠前から入り込んでいるクラミジアや大腸菌など、さまざまな菌が原因菌となります。絨毛膜羊膜炎を予防するには、子宮内に感染する前の、腟炎や頸管炎の段階で治療するのが効果的です。腟炎の兆候は、においのあるおりものや、微量の出血など。もしこんな症状があったら、早めに受診しましょう。
子宮内感染以外にも早産の原因はさまざまあります。子宮頸管無力症は子宮口が開きやすい体質をいい、状況により頸管を縛る手術をすることがあります。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、子宮筋腫や子宮奇形も早産の原因になります。そのほか、胎盤が子宮口をふさぐ前置胎盤や、分娩前に胎盤がはがれてしまう常位胎盤早期剥離では、出血を起こし、早産を引き起こします。
早産で生まれると障害や後遺症が残る可能性も
赤ちゃんがおなかの中で十分に育ち、出産後も問題なく生きていけるだろうとされている時期の目安が正期産(妊娠37〜41週)。それに満たない時期での出産は、妊娠週数が早いほどリスクが大きくなります。30週未満では脳に障害を起こす危険があり、32週未満では呼吸器障害などの合併症の発生率が高くなっています。34〜35週を過ぎれば肺の機能もほぼ完成し、体重は足りなくても、ほぼ成熟した状態になります。
早産で生まれても、新生児集中治療室(NICU)のある施設で迅速に適切な処置が受けられれば、赤ちゃんが命を落とす危険は少なくなりました。それでも、妊娠週数が早ければ、長期の入院が必要になります。専門の医師の管理のもと保育器の中で過ごさなければならず、生まれた赤ちゃんをすぐに抱くこともできません。赤ちゃんと一緒に退院し、親子で新しい生活を始めるためにも、早産を予防しましょう。
赤ちゃんの体重別の呼び方
低出生体重児:2500g未満
極低出生体重児:1500g未満
超低出生体重児:1000g未満
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写真提供:ゲッティイメージズ
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