新生児と添い寝して大丈夫?メリットとデメリット、添い寝する時のコツ【助産師監修】
添い寝のデメリットとは?
添い寝は窒息などの事故や、乳幼児突然死症候群のリスクを高めるといったデメリットがあります。
消費者庁からの発表では、平成22年から平成26年までの5年間で0歳児の就寝時の窒息事故は、160件。窒息の原因は、掛け布団などの寝具が顔を覆ったり巻き付いてしまったケース、ベッドと壁の隙間などに挟まれたり顔がマットレスに埋まってしまったケース、そしてなんと「家族の体の一部で圧迫された」ケースなどがあります。
また、乳幼児突然死症候群のリスクを高める可能性もあります。乳幼児突然死症候群(SIDS(シッズ))とは、主に1歳未満の健康にみえた赤ちゃんがある日突然亡くなってしまうというものです。日本ではリスクを下げるための啓蒙がなされたことでSIDSで亡くなる赤ちゃんは平成7(1995年)579名から平成28年(2016年)109名へと減ってはいますが、ゼロにはなっていません(※)。
※出典:厚生労働省(2008)「平成20年度乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間(11月)の実施について」
厚生労働省(2017)「11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間です~睡眠中の赤ちゃんの死亡を減らしましょう~」
SIDSの発生件数が多いアメリカでは、SIDSを予防するためには添い寝ではなくベビーベッドで寝かせることや、添い寝をする場合はお酒を飲んでいたり睡眠薬などの薬を飲んでいる親の隣では寝かせないことが推奨されています。
住宅環境によって添い寝をしなくてはいけないご家庭もあるかと思いますが、デメリットも知った上で安全に気をつけていただければと思います。
添い寝のメリットとは?
産まれたばかりの赤ちゃんは、夜間でも3時間以内おきの授乳が必要です。そのため添い寝で寝ていれば赤ちゃんが泣いたときにすぐに授乳がきたり、添い乳をしやすいといったメリットがあるでしょう。
赤ちゃんの寝顔を見ながら眠ることに幸せを感じたり、なるべく側にいたいという安心感から添い寝がしたいという人もいるようです。
添い寝をする時のコツは?
添い寝をする場合は、次のことに気をつけましょう。
あおむけで寝かせる
SIDS予防のためには、あおむけで寝かせることが推奨されています。頭の形を良くしたいという思いからうつ伏せ寝をさせる人もいるようですが、安全のためには必ずあおむけで寝かせるようにしましょう。
寝る場所は安全か
大人と同じベッドで添い寝する場合は、ベッド周りの環境について特に注意が必要です。ベッドと壁の間に挟まれてしまったり、ベッドから落ちてしまったことでの死亡事故が報告されています。ベッドから落ちないようにするベッドガードも注意です。こちらも挟まれてしまったことでの死亡事故が報告されているため使用は控えましょう。大人と同じベッドで寝る場合は、すきまがないように、そして転落しないような対策が必要です。
寝具は硬いものを使う
やわらかい敷き布団や枕で顔が埋もれてしまうことで窒息事故の危険があります。敷き布団は硬いものを。掛け布団は使わずに、寒い時期はスリーパーを使う方が安全です。また同じ理由で、おもちゃやぬいぐるみを寝床に置くこともやめましょう。
親の掛け布団がかからないようにする
まだ生まれて間もない赤ちゃんは、顔の上に布団がかぶさった時に手で払いのけることができません。親の布団が顔にかかってしまわないよう、親の隣にぴったり寄り添って眠るのではなく、距離を離して赤ちゃんだけのスペースを確保できるようにしましょう。
お酒を飲んだり眠くなる薬を飲んだ親の隣には寝かせない
眠くなる薬は睡眠薬だけではなく、眠くなる成分が入った風邪薬や花粉症の薬にも注意しましょう。
ものすごく疲れているときは添い寝しない
私自身、安全のために添い寝や添い乳はしないようにしていたものの、ものすごく疲れている時に「今夜は無理~」と思い、深夜に自分のベッドで添い乳をしたことがありました。ところが、ふと気がつくと添い乳をしたまま子どもの体に覆いかぶさるようにして眠ってしまっていたのです!おそらく一瞬の出来事だったため、子どもの息を止めてしまっていた様子はありませんでしたが本当にひやっとしました。
ものすごく眠気が強かったり疲れている時こそ授乳のために添い寝をしたくなるかもしれませんが、だからこそ注意も必要です。
オススメの寝床は?
1番安全なのはベビーベッドです。日本の消費者庁や、アメリカ小児科学会からも勧められています。
添い寝をしたい場合は、親のベッドにくっつけられるタイプの子ども用ベッドを使ったり、敷き布団なら親の布団に一緒に寝るのでなく、子ども専用のものを用意すると良いでしょう。
赤ちゃんの寝床は安全に!
住宅環境によっては添い寝をせざるをえない家庭もあると思います。大切なのは危険があることを理解して、できるかぎり安全な環境にすることです。元気に産まれた赤ちゃんが、事故なく健康にすくすく育つことを願っています。
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