ぬいぐるみの洗濯 洗濯方法や干し方はどうすればいい?
家でぬいぐるみを洗いたい
子どもはぬいぐるみが大好き。寝るときのおともや日々の遊びの中で、いつも一緒に生活していませんか?
そうなると気になるのが、汗や皮脂などの汚れです。さらに布製品にはダニやハウスダストなどが蓄積しやすいもの。できれば手軽にお家でぬいぐるみを洗っていつも清潔に保ちたいですね。
ぬいぐるみを洗う頻度はどのくらい?
ぬいぐるみを洗う頻度は、その使用頻度により一概にはいえません。
少なくとも、ただ飾っているぬいぐるみよりは、日常的に子どもが触っていたり遊んでいたりするぬいぐるみのほうが汚れやすいでしょう。
さらに布製品はごみやほこりがつきやすく、環境によってはダニも繁殖しやすいです。子どもにハウスダストやダニアレルギーがあれば、アレルゲン(アレルギーの原因物質のこと)除去のために、洗濯などしてきれいな状態を保ちたいですね。
よく使うものであれば、最低でも月に1回、飾っているだけのものでも、2〜3ヶ月に一度を目安に洗濯しましょう。
ぬいぐるみを洗う前に確認すること
ぬいぐるみを洗う前に、大切なぬいぐるみをダメにしないように、確認しておきたいことがあります。
まずは洗濯表示を確認
ぬいぐるみを家庭で洗濯する場合、まずは洗濯表示を確認しましょう。自宅で洗えるものと、洗濯不可のものがあります。また、自宅では洗濯不可であってもドライクリーニングなどができるものもあるので、その場合はクリーニングに出しましょう。
洗える洗濯表示とは
洗濯表示の中で、家庭で洗える選択可能なものは「手洗いできる」ものと「洗濯機で洗える」表示がついているものの2つです。中には、湯温の表示が設けられているものもあるので、あらかじめ確認しましょう。下記のマークを参照してみてください。
© every, Inc.
洗えないぬいぐるみは?
洗えないぬいぐるみを一覧にしています。
- サイズが大きく洗濯機や洗いおけに入らないもの
→家庭での洗濯そのものが難しいでしょう。
- 中に機械が入っているもの
→機械がぬれて破損します。取り出せるものは取り出して洗い、取り出せないものは避けましょう。
- 中に軸となる厚紙や紙筒が入っているもの
→軸の紙がぬれて型崩れしてしまいます。
- 革や合成皮革のもの
→ぬれた後に乾くと、ひび割れやしわの原因になります。
- パーツなどに接着剤が使われているもの
→ぬいぐるみに使われている接着剤は、水溶性のものが多いので、洗濯することで溶け出し、外れてしまうこともあります。
- 古いもの(アンティーク)
→古いぬいぐるみは、縫製が弱っていたり、布地が繊細になっているので、洗濯すると破損してしまうこともあります。お母さんやおばあちゃんから引き継いだぬいぐるみは洗わないほうが無難です。
- 中綿が水に強くないもの
→中綿がポリエステル以外の素材だった場合、水にぬれると劣化してしまうものがあります。とくにポリウレタン製は水ぬれのダメージが大きいので洗えません。
- 素材がわからないもの
→ぬいぐるみの中には表示が外れてしまい、素材がわからなくなっているものもあるでしょう。素材がわからなければ、何を使って洗えばいいのかもわかりません。この場合は、洗わないほうが無難です。
ぬいぐるみの洗いかたは?
ぬいぐるみの洗い方は「手洗い」か「洗濯機」のどちらかが基本です。
ぬいぐるみは手洗いがおすすめ
基本的にぬいぐるみは形が決まっていてデリケートです。手間はかかりますが、洗った後もかわいらしさを維持するために、手洗いで洗うのがおすすめです。
洗濯機よりも優しく洗えて、狙った汚れに対しピンポイントでアプローチできるので、何かこぼしてしまったときなども洗いやすいです。
付属品や小さなパーツがあっても、人の手で選別しながら洗えるので、気がつかぬ間に破損してしまったという事態を避けられます。
ぬいぐるみは洗濯機で洗えるの?
ぬいぐるみの洗濯表示に「洗濯機」の表示があれば、自宅の洗濯機で洗えます。
ただし、洗濯機で洗うと、型崩れや破損の可能性は否めません。少なくとも、手で洗うよりはぬいぐるみにとって加わるダメージは大きいです。心配な場合には、手洗いするとよいでしょう。
ぬいぐるみはコインランドリーで洗えるの?
サイズの大きなぬいぐるみは、洗濯機に入らないのでコインランドリーへの持ち込みを検討する場合もあるでしょう。
しかし、基本的にコインランドリーでの洗濯はできません。コインランドリーでぬいぐるみの洗濯をNGにしている店舗もなかにはあります。
コインランドリーの大型洗濯乾燥機は、パワーの強いものが多いので、ぬいぐるみへのダメージはもちろん、ダメージによる破損でコインランドリーの洗濯機が故障する可能性があります。
コインランドリーの洗濯乾燥機は、水流が激しく、ドラムにたたきつけながら洗ったり、乾かしたりします。洗う方法が激しいので、ぬいぐるみが破損してしまう要因に。
また、そのまま乾燥コースに移行し、乾燥機内は80℃以上の高温になります。ぬいぐるみを洗濯する環境として考えると、適していないと考えられます。
ぬいぐるみは自宅で洗うか、難しいようならばクリーニングに出しましょう。
水を使わない洗いかた
ぬいぐるみを洗ったときに、水で洗えない状況は少なからずあるでしょう。
「ぬいぐるみが縮んでしまった」
「子どものお気に入りなので、水で洗って乾かすまで待てない」
そんなときには重曹(食用)で洗う方法をおすすめします。ポリ袋に入れて重曹の粉末をよくまぶすだけなので、手軽にサッと終わります。
ポリ袋に入るくらいの小さなサイズのぬいぐるみや、赤ちゃんなどのお気に入りで長く手元から離しておけない場合におすすめの洗濯方法です。
また、市販品ではありますが、直接ぬいぐるみに吹きかけて汚れを落とす「ぬいぐるみシャンプー」もあるので、こちらを試してみるのもよいでしょう。
手洗いでぬいぐるみを洗う方法
洗濯表示を確認して、「手洗い」表示がされていれば、手洗いが可能です。
最初に、色落ちしないかどうかの確認をしましょう。
色落ちチェック
白い布を指に巻き付け、ぬいぐるみに軽く押しつけこすってみます
このとき、白い布に色がうつらなければ洗濯できます。
湯をはる
洗い桶に洗濯表示と同じくらいのお湯をはります。(指定がなければ40℃くらいが望ましいです)
洗濯液を作る
おしゃれ着用洗濯洗剤を溶かし入れます。
ぬいぐるみをつける
ぬいぐるみを入れて十分に浸漬させ、5分くらい置きます。
洗う
そのあと、優しく押し洗いします。汚れがひどい部分は洗剤の原液をつけ、ていねいにたたき洗いします。
すすぎ
洗濯液を捨て、ぬいぐるみを優しく押して水分をしぼります。きれいな水にとりかえ、泡立ちが出なくなるまで、すすぎをくり返します。
脱水
タオルに包んで水分を吸い取るタオルドライか、洗濯機で30秒程度脱水させます。
※毛足の長いぬいぐるみなら柔軟剤につけるのもおすすめ。その場合、⑦のすすぎ後にあらためて指定温度の湯をはり、柔軟剤を適量とかし、ぬいぐるみを10〜30分ほど浸漬させます。その後あらためてすすぎをして脱水しましょう。
ぬいぐるみを手洗いする場合の注意点
ぬいぐるみを手洗いする場合、脱水がしっかりとできないのが最大の難点です。
ぬいぐるみは乾きにくいので、しっかりと乾かさないとカビが生えたり、生乾きのにおいがしてしまったりすると、洗濯をしたことが逆効果になるでしょう。
脱水がきちんとできない状態でもしっかりと乾くように、よく晴れた日に洗濯して、陰干しでしっかりと乾かしましょう。
洗濯機でぬいぐるみを洗う方法
洗濯機でぬいぐるみを洗う場合、いくつか押さえておくべきポイントがあります。洗濯表示を確認し、「洗濯機で洗える」表示があれば、洗濯機でぬいぐるみを洗濯できます。
以下にぬいぐるみの洗濯機での洗濯のしかたを紹介します。
外せるパーツを外す
洗う前にリボンや洋服など、外せるパーツは外しておきます。
ぬいぐるみを洗濯ネットに入れる
ぬいぐるみの大きさに合ったネットに入れます。布地が厚めのネットだとぬいぐるみのパーツを保護できます。
洗剤や柔軟剤をセットする
おしゃれ着用の洗剤を使用しましょう。
弱流水コースを選んで洗濯する
「手洗いコース」「ドライコース」「おしゃれ着コース」などのコースを選びましょう。
脱水
脱水は30秒ほどで終えます。脱水前にタオルでぬいぐるみをくるんであげると、よりダメージを低減できます。
型崩れや破損の可能性がある
洗濯機でぬいぐるみの洗濯をいつものようにしてしまうと、型崩れや破損の原因になります。「ドライコース」や「手洗いコース」で、できるだけ優しく洗えるコースを設定します。
洗濯槽の回転により、縫製に負荷がかかり、中綿が飛び出してしまい、パーツが外れてしまう可能性も否定できません。
心配な場合には、洗濯中も何度かチェックすることをおすすめします。
ぬいぐるみを洗濯機で洗う場合の注意点
洗濯表示で洗濯機OKとなっていても、やはり洗濯槽の回転はぬいぐるみにとってダメージになります。とくに細かなパーツがついていると、ずれたり外れたりすることもあるでしょう。
ときどき洗濯槽の中を確認しながら、裁縫の状況やパーツの状態を確認することをおすすめします。早めに見つければ、その時点で洗濯機の洗濯を終えられるので、最小限のダメージですみます。ダメージが小さければ、自分でリペアして、リカバリーすることもできますよ。
大きいぬいぐるみの洗いかたは?
ぬいぐるみのサイズは、大きければ成人男性以上のような特大サイズのものもあります。どんなにがんばっても、大きいぬいぐるみはなかなか洗えないでしょう。
そんなときにおすすめなのは、「ぬいぐるみのクリーニング」です。超特大のぬいぐるみは、無理せずプロにお任せするのも一案です。特大サイズのぬいぐるみは、持ち込むのも大変なので、宅配クリーニングや配送クリーニングも利用してみましょう。
ぬいぐるみの乾かし方
ぬいぐるみを洗濯するときは、手洗いであっても洗濯機であっても基本的には「陰干し」です。型崩れなどを防ぐ乾かしかたを紹介します。
陰干しでぬいぐるみを乾かす方法を紹介します
形を整える
脱水後や手洗い後であれば、ぬいぐるみの形が崩れていることもあります。元の形になるように手で形を整えます。
ブラッシングをする
洋服ブラシなどでぬいぐるみの毛並みを整えておきます。毛足の長いぬいぐるみは気の流れと逆にブラシをかけて、毛を起こしておくとよいでしょう。
陰干しする
天日干しにしたほうがよく乾くのですが、色落ちなどの可能性もあるので避けます。基本は陰干しで、できれば平干しできるネットの上で乾かすのがおすすめ。平干しネットがなければ洗濯ネットに入れて洗濯バサミでつるしましょう。ぬいぐるみを直接はさんでしまうと、型崩れの原因になります。
浴室乾燥機で乾かす方法
浴室乾燥機で乾かすときも、陰干しで乾かす方法と同じです。日光に当たる心配がなく、外で干しにくい場合でも乾かせるので便利です。天気を気にせず、花粉やPM2.5などの付着が気にならないというのも大きなメリットです。とくに季節性アレルギーのある人が家族の中にいるときは、浴室乾燥機で乾かすのがおすすめです。
エアコンや扇風機を使って乾かす
浴室乾燥機がなくてもエアコンの温風や冷風、扇風機を使って乾かすこともできます。この場合には、風がふいている延長線上にぬいぐるみを置くのが重要です。
室内干しできる物干しやハンガーなどを工夫して、同じように平干しして乾かすと、型崩れせずにすみます。
ふわふわに乾かすポイント
風通しのよい日陰や室内でしっかりと乾かします。ブラッシングで毛並みを整え、空気を含ませるように毛並みを立ててあげると、手触りがふわふわになります。
中綿にもしっかりと空気を含ませて乾かすことで、ぬいぐるみそのものも柔らかく仕上がります。乾いた後、仕上げにしっかりと形を整え、空気を含ませるように軽くたたきましょう。
中綿までしっかり乾かそう
ぬいぐるみは中綿がしっかりと詰まっているので、なかなか乾きにくいものです。生乾きであれば、においが発生し、カビの温床になることもあり不衛生です。陰干しや室内の浴室乾燥機などを使用しながら、しっかりと乾かして使いましょう。
乾いたかどうかを確認するには、ぬいぐるみがすっぽりと入り込む透明のビニール袋を用意すればOK。ぬいぐるみを入れて固く口を縛り、しばらく放置します。乾いていなければ、ビニールが汗をかいて来るはずです。汗の発生が見られなければ、このぬいぐるみは乾いていると判断できます。
ぬいぐるみが洗えない場合
洗濯表示を確認すると、中には洗えないぬいぐるみもあるはずです。水洗いできないぬいぐるみは、クリーニング店などに相談してみるのもよいでしょう。
クリーニングで依頼する
ぬいぐるみはクリーニング店に依頼して洗濯してもらうこともできます。基本的に大手のクリーニングチェーン店であれば、どこでもぬいぐるみクリーニングを受け付けています。
洗濯表示やぬいぐるみの素材によっては受け付けてもらえない場合もありますが、まずは相談してみるとよいでしょう。
基本的にはサイズが大きくなるほど値段も変わります。どちらにしても家で洗濯できないのであれば、クリーニング店に持ち込むほうがよさそうです。
ぬいぐるみを少しでも長く大切に
ぬいぐるみを少しでも長く大切にするためには、日々のお手入れが欠かせません。それぞれのぬいぐるみにあった洗濯方法やお手入れの仕方を把握していれば、きれいな状態を長く保てます。ぬいぐるみ管理のコツをつかみ、お気に入りのぬいぐるみや、思い出のぬいぐるみを末永く大切にしていきたいですね。
- ぬいぐるみは基本的に手洗いがおすすめ
- 洗濯機で洗うと型崩れや破損の可能性がある
- 干すときは中綿までしっかり乾かす
写真提供:ゲッティイメージズ
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