【専門家監修】赤ちゃんのハイハイ 始める時期や練習法は?
ハイハイまでの成長のようす
赤ちゃんは生後2~3か月頃に首がすわり始め、その後5~6か月頃から寝返りを始めます。生後7~8か月頃には、うつぶせでお腹や胸を床につけた状態のまま移動をするずりばいをするようになります。
そしてひじばいと言って、ひじを床につけてはう時期もあり、その後腰がすわるとハイハイが始まります。
胸やお腹、おしりを上げ、足と腕の力で胴を支え、よつんばいの状態で移動するハイハイは約8~10か月頃に始まります。その後高ばいをするようになり、つかまり立ちへと移行していきます。
これらはすべて平均的な月齢で、始める時期の個人差は大きいです。
ずりばいをせず、ひじばいをする赤ちゃんもいれば、ひじばいをせずにハイハイをする赤ちゃんもいますので、始める月齢にこだわることはないでしょう。中にはハイハイを飛ばしてつかまり立ちをする子もいます。
ハイハイの特長
成長の過程でいずれかのステップを抜かすことはあまり心配はいりません。
しかしハイハイをすることは、さまざまな筋力が鍛えられるなど、いくつかの特長があります。
例えば、赤ちゃんの腕や足、胸の筋肉を鍛えます。よつんばいの姿勢で、頭を持ち上げ、手のひらでしっかり床を押さえ、片手ずつ交互に前に出し、足の指で床を蹴る様に進んで行くことは筋力だけでなく、バランス感覚も養われるでしょう。
また、顔を持ち上げることで今までより視野が広がり、さまざまなものを見ることができます。ハイハイにより行動範囲がぐっと広がり、この時期旺盛になる好奇心もさらに膨らむことでしょう。
ハイハイの練習の仕方
ハイハイが遅いのは赤ちゃんの個性かもしれませんが、心配な場合は少しハイハイを促してみたり、練習をしてみてもよいでしょう。
次にハイハイの促し方のポイントを説明していきます。
動きやすい服を着せる
まずは、動きやすい服を着せましょう。あまり厚着しすぎると動きづらいので、動きやすい服装にしてから練習を始めましょう。
ハイハイに興味を持たせる
地域の子育て広場や、子育て支援室、または同年代の赤ちゃんが集うサークルがあれば、連れて行ってみましょう。ハイハイをしている同年代の子どもと触れあうことで、ハイハイに興味を持ったり、そのやり方を学んでいくことがあります。
また自宅で、赤ちゃんの横で親がハイハイを見せてあげるのもよいでしょう。
前に進もうとする意欲を引き出す
ハイハイの姿勢が取れるようになってきたら、前に進もうという意欲を引き出してあげましょう。
赤ちゃんの進行方向の少し先で親が名前を呼んだり、お気に入りのおもちゃなどを置いたりしてみましょう。
最初はすぐに手の届きそうなくらいの近い距離で行い、徐々に遠くしていくのがコツです。
赤ちゃんの安全対策を考える
赤ちゃんがハイハイを始めると、部屋の中にも危険が増えていきます。
手に触れる物を何でも口に入れて、形や感触を確かめようとする時期なので、誤飲の危険性が高くなります。部屋の掃除をして、赤ちゃんの手の触れそうな場所にはできるだけ物を置かないようにしましょう。
また、長く垂れたテーブルクロスの端などを引っ張ることもありますので、テーブルの上の物が落下し、事故につながることもあります。
そのほか、コンセントや家電のコードなどもコンセントカバーをしたり、使わない家具のコードはまとめて縛っておきましょう。
階段や冬場に使用するストーブの周囲にもゲートを設置しましょう。
ハイハイをなかなかしない場合の原因
ハイハイを飛ばす子どももいるので一概には言えませんが、例えば以下のような理由が考えられます。
その他の可能性もあるため、不安があれば医師に相談してみましょう。
身体的原因
身体機能がハイハイができるようになるまで十分に発達していない場合があるので、ハイハイの練習は無理強いをしないようにしましょう。
腰がしっかり据わり、ある程度腕や足の力が備わってくるまで、焦らず見守ってください。
また、ベビーサークルや歩行器などで赤ちゃんの動きを制限しすぎていないか、振り返ってみましょう。
心理的原因
赤ちゃんの体の発達は、心も密接に影響しています。親子の愛着形成がなされておらず、信頼関係が築けていなければ、安心できるよりどころを見失い、ハイハイへの意欲も生じない可能性もあります。
身の回りの物やさまざまなことに興味関心を持つよう、話しかけたり、しっかりスキンシップを取ったりしてみましょう。
赤ちゃんは総合的にサポートされて発達する
赤ちゃんのハイハイが遅いと感じた場合、身体的な発達のみに焦点を置いて考えるのではなく、心の成長も考えてみましょう。赤ちゃんは総合的に成長していくものです。
日々の生活の中で、赤ちゃんの手の平や足の裏を軽く押してみたり、手を握ったり、開いたりする動作を促したりするのもよいでしょう。
また、笑顔で赤ちゃんと手遊びをしたり、歌ったり、日常を楽しく過ごし、ハイハイを含めた発達を心身ともにサポートしてあげることを心がけましょう。
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