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【専門家監修】2歳半になっても言葉が出ない!言葉の発達が気になる場合の対応法

【専門家監修】2歳半になっても言葉が出ない!言葉の発達が気になる場合の対応法

「2歳半になっても喃語しか話さない」「話す単語の数が少ない」と、不安や焦りを感じるママやパパもいるのではないでしょうか。今回は、2歳半で言葉の発達の状況が気になる場合の家庭での対処法などを、家庭教育・親子関係アドバイザーの田宮由美先生に教えてもらいました。
「2歳半になっても喃語しか話さない」「話す単語の数が少ない」と、不安や焦りを感じるママやパパもいるのではないでしょうか。今回は、2歳半で言葉の発達の状況が気になる場合の家庭での対処法などを、家庭教育・親子関係アドバイザーの田宮由美先生に教えてもらいました。

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2歳半の一般的な言葉の発達

2歳半頃になると、歩く、走る、跳ぶなど基本的な運動機能や指先の機能などが発達し、生活の中でも、食事、衣服の着脱、排せつなども徐々に自立に向かいます。

また意思を言葉で伝えることも多くなり、語彙も豊富になってくる時期です。

100~200語を話す子どもが最も多いようですが、個人差が大きく、50語以下の子どももいれば、200~500語ほど話す子どももいます。

2歳半の言葉の特徴としては「ナイナイ」「ダッコ」などの動作名詞も用いるようになります。さらに単語を組み合わせ表現し、例えば「ママ、ダッコ」「ワンワン、キタ」「マンマ、ナイナイ」「ブーブー、アッチ」などの2語文を話すようになります。

言葉の発達は個人差が大きいものですが、語彙数が少なかったり、言葉が明瞭な発音でなければ、親としては心配に思うこともあるかもしれません。

では、どのようなことが原因で言葉が遅くなる場合があるのでしょうか。

言葉の発達が遅くなる主な3つの原因

原因その1. 聴覚

生まれつき聞こえにくい場合もありますが、中耳炎などの耳の病気、また耳あかが溜まり一時的に聞こえにくくなっていることもあります。

子どもの後ろから名前を呼び、何も反応しなければ、一度耳鼻科を受診してみるとよいでしょう。

原因その2. 言葉の表出

聴覚も正常で、言葉の意味も理解しているにも関わらず言葉が遅い場合、表出性言語障害の可能性もあります。

しかし、ある時期がくれば急に話し出したりすることもあります。

原因その3. コミュニケーション能力

人や物にあまり興味がなく、人と関わることや物に好奇心がわかないなど、コミュ二ケーション能力が育まれていない可能性も考えられます。

これは、親が積極的に話しかけたり関わったりすることで改善されることもあります。

しかし、何もかも親が先回りして子どもに与えてしまうと、子どもが話す必要を感じず、結果的に言葉の発達が遅くなることも。

では次に、言葉が遅い場合、言葉を引き出す家庭での親の関わり方をご紹介します。

言葉がゆっくりな子どもに家庭で親ができること

言葉の獲得は、指さしやジェスチャーなど、言葉を話す前の非言語のコミュニケーションの関わりが重要であるとされています。

そして、物を指さして「アー」と発声すると、子どもと親の間で、「注目の共有」が生じます。物を介して他者、他者を介して物と関わることが、言語獲得の土台と言われています。

そのほか、日常生活に中での具体的な関わりとして、

  • 食事の時、よく噛むことを促す
  • 笛やラッパを吹かせる
  • たくさん話しかける
  • 短く分かりやすい言葉で話す
  • 言葉と一緒に身振り手振りも入れる
  • 一方的な語りかけになるテレビやインターネット上の動画などを見せることを控える

なども取り入れてみましょう。

自閉症スペクトラム(ASD)を気にする場合

それでも言葉が遅く、自閉症スペクトラム(ASD)を気にする場合は、地域の健診時に相談するとよいでしょう。

しかし検診では医師による診察時間が短いうえに、日常の生活環境とは異なるので、判断しにくいことも多くあります。

そのため、「少し気になる」と感じたときは、下記のことをチェックし、子どもの様子を観察してみるのもおすすめです。

共同注意

  • 指さしをして伝えようとするか
    親が指さす方向を見たり、自分が興味あるものを指さしで伝えるか
  • 興味あるものを親に見せようと持ってくるか
    お気に入りのぬいぐるみなど、親のところに持ってきて、見せようとするか

対人的関心

  • ほかの子どもに興味を示し、関わろうとするか
    同年代の子どもがいれば、興味を持ってじっと見ていたり、何かリアクションを示そうとするか
  • 親やほかの人(子ども)のまねをしようとするか
    スマホを耳に当てたり、親がよくする行動のまねをするか

対人情動反応

  • 目が合うか
    話しているときなど、目を合わせば数秒合わせているか
  • 微笑み返しをするか
    相手の笑顔を読みとり、同調して微笑みを返すか
  • 名前を呼ぶと反応するか
    自分の名前を呼ばれたとき、反応をするか

社会的参照

  • 親の反応を確かめる
    新しいものや場面に接したとき、それが安全なのか、親の表情などの反応を見て、確かめようとするか

スキンシップ

  • スキンシップを喜ぶか
    親の膝の上に座らせたり、抱きしめられたりすることを嫌がらず、喜ぶか

これらは何個以上当てはまれば判断できるというものではありませんが、親が家庭である程度把握しておくと、専門医に相談する際に一つの参考材料となります。

言葉の発達は個人差が大きく、2歳半までほとんど言葉を発しなかった子が3歳を過ぎると急におしゃべりになった、などの事例もあります。

焦らず、大らかな気持ちで見守ることも忘れず対応してくださいね。

参考:

  • 小椋たみ子(神戸大学)、「日本の子どもの初期の語彙発達」言語研究(Gengo Kenkyu)132: 29–53、2007
  • 「保育所保育指針解説書」、厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課、2008年 
  • 「自閉症スペクトラム障害 (ASD;Autism Spectrum Disorder) の早期発見のポイント」 、国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部
  • 森貞直哉(小児科学分野こども急性疾患学部門)、「こどもの言葉と発達の見方・促し方」、神戸大学大学院医学研究科内科系講座 小児科学分野こども急性疾患学部門 

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