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【助産師監修】生後2〜3ヶ月の赤ちゃんの生活リズム 睡眠の特徴とポイント

生後2〜3ヶ月の赤ちゃんの生活リズム 睡眠の特徴とポイント【助産師監修】

生後2〜3ヶ月になるとさまざまな発達の変化が見られます。夜に眠る時間も増えてくることから、赤ちゃんの生活リズムを考えるママやパパもいると思います。生後2〜3ヶ月の赤ちゃんの生活リズムをどのように整えていくのがよいか、助産師の難波直子さんに教えてもらいました。
生後2〜3ヶ月になるとさまざまな発達の変化が見られます。夜に眠る時間も増えてくることから、赤ちゃんの生活リズムを考えるママやパパもいると思います。生後2〜3ヶ月の赤ちゃんの生活リズムをどのように整えていくのがよいか、助産師の難波直子さんに教えてもらいました。

2〜3ヶ月の赤ちゃんの睡眠の特徴

産まれて間もない新生児(生後28日未満)の1日の平均睡眠時間はおよそ16時間〜20時間ほどと言われています。

大人の睡眠リズムとは違って、授乳や排泄などで寝ては起きを繰り返します。生後2〜3ヶ月になる頃には徐々にまとまって眠れるようになっていき、1日の睡眠時間はおよそ14時間〜15時間へと変化していきます。

また、昼と夜の区別がついてくるのは概ね3〜4ヶ月頃からと言われており、個人差もありますが、月齢が進むにつれて昼間に起きている時間は少しずつ増えていきます。もちろんまだ夜中に目を覚ますこともあり、日によって夜中に泣き出すこともありますが、3ヶ月頃には「考えてみたら以前よりは少し長く眠ってくれるようになったかな?」と少しほっとする人もいるのではないでしょうか。

新生児期に眠っては起き、起きては授乳してまた眠る、を繰り返していた赤ちゃんは、ゆっくりと昼と夜との区別を身につけようとしているのです。

赤ちゃんの生活リズムのトレーニングはなぜ必要?

人間の体の中には「体内時計」というシステムが備わっていますが、この体内時計の乱れによって、体温やホルモン分泌などのリズムの異常を引き起こすことがあります。

3〜4ヶ月頃になると朝と昼の区別がついてくるので、この時期から朝は起きる、夜は眠るという生活リズムをつけていくことで、赤ちゃんは健康的に活動できるようになります。

また、朝に起きることは、昼に活動し夜によく眠るという体のリズムの基本を作っていくことにつながります。

しかし、いくら人間に備わっている機能として「体内時計」があるとしても、3ヶ月になったからといってガラリと生活リズムを変えるのは難しいことです。

大人でも海外旅行に行き昼夜逆転すると、体が慣れるのには一苦労したという経験を持つ人は多いのではないでしょうか。

赤ちゃんにも同じことが言えます。働き始めた体内時計を順調に動かすためには、明るくなったら起きる、暗くなったら眠るという生活リズムをつけるトレーニングが必要なのです。

ただし、赤ちゃんにも個人差は当然あります。全ての赤ちゃんが理想的な時間に眠れるというわけではありません。それぞれの赤ちゃんの個性に合わせて時間になったらまずはベッドに行ってみる、部屋を薄暗くするなど、焦らずに取り組んでいきましょう。

お昼寝の時間はどう設定する?

私たち大人にとって当たり前の音、光、周囲の環境は産まれて間もない赤ちゃんにとっては大きな驚きと刺激の連続です。赤ちゃんはこのような刺激を眠ることで緩和し、受けた刺激の情報処理をしていきます。

お昼寝の時間は家庭の生活リズムによって変わることもありますが、朝起きる(カーテンやブラインドをあげ、朝日を浴びる)→授乳の後に午前中の昼寝(10時前後)→起きて授乳や遊んだりして午後のお昼寝(午前12時〜午後2時頃)→そして午後から夜にかけて遊んだり授乳をしたりして午後8時頃には就寝準備に入る、というパターンなどが一例として挙げられます。

そうは言っても、眠りのパターンには個人差があります。午前はしっかり眠るのに午後は眠りが短い赤ちゃんもいます。必ずしもお昼寝の時間を同じにする必要はなく、赤ちゃんの状態を見ながら、それぞれの赤ちゃんの眠りの個性に合わせることが大切です。

しかし、赤ちゃんのお昼寝だけのために、自宅にずっといるのは大人にとってはストレスが溜まることもありますよね。そのような場合は、例えば朝寝をしっかりしたあとに外出してみましょう。抱っこやベビーカーの中でのお昼寝でも問題はありません。

赤ちゃんの生活リズムのポイントは?

このように、生後2〜3ヶ月の赤ちゃん達は生活リズムを身に付ける時期を迎えています。生活リズムを整えていくためのポイントを以下にあげます。

朝と夜の区別をつける

赤ちゃんによってはなかなか朝に起きてくれないなんてこともあります。そんなときは眠りが浅いとき(伸びをする、体を動かすことが多いときなど)に起こしてあげると、目覚めたあとのグズリが軽く済むことも経験上ありました。

朝日を室内に入れるだけでも効果がみられることがありますので、お部屋のカーテンやブラインドなどを開けてみてもよいでしょう。

夜間は室内を暗くする。

おやすみ前の遊びは激しくテンションを上げる遊びよりは絵本を見る、お母さんが小さめの声で歌を歌うなど心が落ち着きリラックスできる遊びが経験上おすすめです。また、緩やかなベビーマッサージも効果があることも。

眠るための環境を整える

室内温度を冬は20〜23℃ 、夏は26〜28℃くらいを目安に保ちましょう。暑すぎたり、寒すぎたりも眠りを妨げてしまいます。掛け物を蹴っている場合は汗をかいていないか、手足が冷えすぎていないかみてあげましょう。時期によってはスリーパーの利用もおすすめです。

おやすみの時はテレビや大きな音や声は控えましょう。

おやすみスペースの安全を確保する

頭周りのぬいぐるみや毛布は窒息につながる危険性があります。赤ちゃんの周囲にはこれらの物をおかないようにしましょう。

2〜3ヶ月は早い子であれば寝返りもしようとする時期です。乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ぐためにも、うつ伏せ寝をさせないよう注意しましょう。

_______

生活リズムはそれぞれの家庭の生活や赤ちゃんの個性によっても変化が生じます。

生後2〜3ヶ月は、赤ちゃんの大きな変化が目に見える貴重な時期でもありますので、生活リズムを整えることに頑張りすぎず、一つ試したら次に進むくらいに、楽しんで過ごしてくださいね。

参考:

・厚生労働科学研究費補助金:未就学児の睡眠・情報通信機器使用研究班(編)、「未就学児の睡眠指針」、愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター、2018年

・三島和夫、e-ヘルスネット「子どもの睡眠」 、厚生労働省(2019年2月19日閲覧)

・「脳の謎 誰も知らない隠された能力 (ナショナル ジオグラフィック 別冊)」、日経ナショナルジオグラフィック社、2019年

・Steven W.Lockley (著)・ Russell G.Foster (著)・郭 哲次 (翻訳)、「睡眠」、ぱーそん書房、2015年

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