【助産師監修】出産時の呼吸法 ラマーズ法、ソフロロジー法、リーブ法の特徴
心理学的無痛分娩法(ラマーズ法とソフロロジー法、リーブ法)の特徴
呼吸法というと、ラマーズ法、ソフロロジー法、リーブ法が主に挙げられます。
これらはお産の経過を事前に学び不安を少なくした状態で、呼吸法などによって筋肉の緊張を緩めることで、痛みのコントロールを図りながら分娩するため、心理学的無痛分娩法とも言われます。
「それぞれがどんなふうに違うの?」という質問は、妊婦向けの保健指導でもよく聞かれます。以下に詳しく説明します。
ラマーズ法
事前にお産のプロセスを頭にいれて呼吸法と補助動作によってリラックスした状態で出産する方法です。呼吸に集中することで痛みの感じ方を緩和するという考え方が特徴です。
出産施設の両親学級で習う呼吸法もラマーズ法をベースにしているものが多くあります。「ヒッヒッフー」(ときどき漫画などでも見かけますよね?)をはじめとした、いくつかの呼吸法を用います。
お産の経過を事前に十分に学び、呼吸法や筋肉の緩め方を学びます。
呼吸法は出産施設の母親(両親)学級などで教えてもらえます。
ラマーズ法ではママが自立的にお産に臨み、パートナーの協力を得ながらよりよいお産を目指すものという考え方に基づいているため、 立ち会いも重視されます。夫や立ち会う人と一緒に呼吸法を練習するとさらに効果的です。
ソフロロジー法
スペインで生まれ、フランスで出産に取り入れられたソフロロジー法。1987年に日本に導入、改良され現在に至ります。
薬剤や医療に頼らず、リラックスすることで陣痛を和らげるとともに受け入れ、自然の身体能力を最大限に引き出してナチュラルに出産する方法です。
ソフロロジー法では「自立分娩」という言葉を使います。母親と胎児が一緒に、自分たちのペースで出産できることが特徴です。
妊娠、出産、育児を一つの通過点として捉え、陣痛は赤ちゃんに会うための喜びとして乗り切ります。そのため、出産や育児に対するイメージトレーニングとリラックスするための呼吸法がことさら大切になります。筋肉の緊張を自分でコントロールするためのエクササイズも併用します。
出産の際には無理にいきむことをせず、リラックスしながら自然に赤ちゃんが降りてくるのを待つため、個人差がありますが、会陰裂傷が比較的少ないと言われています。
呼吸は腹式呼吸を使います。「フー」とゆっくり長く息を吐き出すと人の体は反動で無意識に息を吸います。これを使って止めることなく呼吸を続けていきます。
トレーニング用のテキストは、音楽のCDがついたものなどが市販で手に入ります。なかには使用する音楽に自分の好きな曲を使用する場合もあります。
自分の好きなペースで出産や育児をしようという姿勢を作っていけることがソフロロジーの人気のもとである、と言えるのではないでしょうか。
リーブ法
日本独自の産痛緩和方法で、中国の気功法をもとに1990年に提唱されました。
気功の三要素(調身・調息・調心)を取り入れて心身のリラクゼーション、イメージ訓練、腹式呼吸をベースとしているのが特徴です。
分娩の際は、進行状況や胎児の位置を具体的に説明して、ママがイメージを持ちながら、胎児と子宮口に集中させて分娩を進めます。
常に胎児を意識することで、分娩は母児の共同作業という形で進めようとする考え方です。
心理学的無痛分娩法の共通点
以上、呼吸法で有名な心理的無痛分娩法の代表的なものを挙げてみました。
通っている出産施設では該当しないということがあっても慌てずに。
この3つの方法の共通点はリラックスする、出産や育児を前向きにイメージすることです。
出産施設で取り入れられている分娩方法を確認し、自分の希望を伝えてみることも大切です。
自分たちの出産をより前向きに、満足できるものに近づけるためにパートナーや家族、そして医師や助産師と十分に話し合ってみましょう。
参考:
- 松永 昭、「フランス発の超・出産法「ソフロロジー」なら出産の不安が喜びに変わる」、現代書林、2005年
- 橋本 明、「リーブ法とはなにか」、「助産婦雑誌」46巻10号、医学書院、1992年
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