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【医師監修】子宮・子宮口のキホンについて知りたい!妊娠による変化は?

【医師監修】子宮・子宮口のキホンについて知りたい!妊娠による変化は?

子宮は女性にとってなじみ深い臓器です。月経が来るたび子宮の存在を意識することもあるのではないでしょうか。
妊婦健診の時には子宮口や子宮頸管という言葉も出てきます。今回は、子宮の成り立ちやはたらきについてみていきましょう。
子宮は女性にとってなじみ深い臓器です。月経が来るたび子宮の存在を意識することもあるのではないでしょうか。
妊婦健診の時には子宮口や子宮頸管という言葉も出てきます。今回は、子宮の成り立ちやはたらきについてみていきましょう。

妊娠していないときの子宮

子宮の成り立ちと役割

子宮は女性の骨盤内にある、平滑筋という筋肉でできている袋状の臓器です。だいたい鶏卵ほどの大きさで、子宮体部と子宮頸部の2つの部分から成り立っています。頭側にあるのが子宮体部で、左右で卵管とつながっています。子宮の内側にある子宮内膜に受精卵が着床して胎児が育ちます。

もし妊娠に至らなければ子宮内膜ははがれ、出血とともに子宮口から排出され月経(生理)が起こります。

子宮頸部は体部の下側にあり腟につながっており、袋の出口にあたるところが子宮口です。

月経の経血は子宮頸部を通って排出され、また精子が腟から上がってくるときにも通り道となっています。

妊娠すると、子宮はどうなるの?

妊娠初期には子宮は骨盤の奥深くにあり、お腹からは触れることはできませんが、胎児が成長するにつれて上(みぞおちの方向)に向かってだんだん大きくなっていきます。

妊娠中は胎児を子宮内で育てられるように子宮頸管は閉じており、出産のときには陣痛とともに開いていき、赤ちゃんが通る「産道」の一部としての役割を担っています。

妊娠中に、子宮頸管や子宮口で問題になることは?

妊婦健診では時期に応じて内診が行われますが、お腹の張りやおりものの変化がある場合には、通常の時期以外にも検査が行われることがあります。特に、赤ちゃんが早い時期に生まれてしまう「早産」を予防するために子宮頸管の様子を調べることが大切です。

お産が近くなっていくと子宮頸管は少しずつ短くなり開いていきますが、まだ早産の時期にそうした変化が始まってしまうことがあります。過去に早産の経験や円錐切除術を受けたことがある場合や、双子など多胎の場合、子宮筋腫がある場合などは早産となるリスクが高くなるため、より注意が必要です。

妊婦健診では「頸管長」という言葉を耳にすることもあるでしょう。経腟超音波検査により頸管の長さを測定し短くなっている、内側が開いているなどの場合には早産をおこさないよう、安静や薬物治療などによる適切な管理が必要になります。

子宮下垂や子宮脱って何?妊婦でも起こる?

過去の出産や加齢によって骨盤の内臓を支えている骨盤底というところが筋力低下や靭帯の緩みから支えきれなくなって、子宮や膀胱、直腸などが腟内に下がってきたり(子宮下垂)、外まで出てきたり(子宮脱)することがあります。

下垂や脱出による違和感がある、尿が出づらいなどの症状が出ることもあります。

子宮下垂があっても性交渉に問題がなければ妊娠・出産は可能で、妊娠中に起こることもあります。

妊娠中でもし症状が重い場合には、リング状の器具を腟内に入れて支える治療が行われる場合もあります。

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子宮は妊娠期間中に大きく変化していく臓器です。

ニワトリの卵ほどの子宮が臨月にはおよそ3kgになるまでに胎児を育てていくことは生命の不思議ですね。

また、赤ちゃんだけでなく胎盤や羊水なども入れると相当の重さとなる子宮体部を支える子宮頸管が適切な時期まで開かずにしっかり閉じていることが早産の予防になっています。

子宮と子宮口の変化を理解して、妊娠したときの自分の体をイメージしてみたりすると、自分の目からは見えない子宮がいっそう身近に感じるかもしれません。

参考:武谷 雄二、上妻 志郎・藤井 知行・大須賀 穣(監修)、「プリンシプル産科婦人科学 第3版 2 産科編」、メジカルビュー社、2014年

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