【医師監修】出産時の子宮口の変化 どのタイミングで何cm開いていく?
そこで今回は、出産時の子宮口の変化についてお伝えします。
そこで今回は、出産時の子宮口の変化についてお伝えします。
子宮口ってどこにあるの?
妊娠前はあまり気にすることのない「子宮口」。
妊婦健診などで初めて「子宮口」という言葉を知ったという人も少なくないことでしょう。子宮は赤ちゃんを中で育てる役目があり、袋状の形をしています。その出口にあたるところが「子宮口」です。
子宮口の変化については、開き具合だけではなく、いくつかの要素を組み合わせて判断します。
具体的には、開大度とともに、厚み、位置、柔らかさなどです。また、お産の進行においては、子宮口の様子のほかに、陣痛の強さや間隔、赤ちゃんが骨盤を降りてくるときの姿勢や頭の向き、骨盤の中をどのくらいまで降りてきているか、おりものの様子などさまざまなことを観察しています。
出産と子宮口の変化
出産の始まりは陣痛が1時間に6回以上(10分以内の間隔)で規則的になった時点とされています。
子宮口は妊娠後期になると少しずつやわらかく、厚みが少しずつ減り、出産に適した状態に向けて変化していきます。本格的な陣痛がくる前から、子宮口は出産の準備を始めているのです。
そして陣痛が本格的に始まるとこうした変化がさらに進んでいきますが、時間をかけて徐々に変化していく時期を「潜伏期」、途中から変化のスピードが増し子宮口が全開大に至るまでの時期を「活動期」といいます。
この2つの時期での子宮口の様子についてご説明します。
潜伏期での子宮口の変化(子宮口 〜3、4cm)
陣痛が始まってから、子宮口は最初のうちはお産に向けてゆっくりと変化していきます。
開きが進むとともに柔らかくなっていき、分厚かった子宮口は次第に薄くなっていきます。また、子宮口の位置も母体の背中側からお腹側に移動していきます。
そのあと、子宮口の開きがおよそ3〜4cmになる頃を境にこうした変化が加速して活動期に入っていきます。
活動期での子宮口の変化(子宮口 3、4cm〜10cm)
さらにスピードアップしてお産が進んでいく時期です。陣痛は徐々に強く長くなり、陣痛の間隔も短くなっていきます。赤ちゃんの頭も骨盤の中を降りてきて、子宮口はより柔らかく、薄くなり、位置も前方(お腹の方向)と向かってさらに移動していきます。
この時期のママは、先の見えない不安と陣痛による疲労が出始めることもあります。そばで付き添う人がいる場合には腰、肩、ふくらはぎなどのマッサージのほか、呼吸法も一緒にすると安心できるかもしれません。
また、助産師からこの時期を乗り切るための様々な方法(体の向きの変換、歩行、食事、入浴、足湯など)を提案されることもあります。積極的に実践してみましょう。
子宮口が10cmまで開けば、全開大となります。
赤ちゃんの頭が降りてくると産道のすぐ後ろにある直腸や肛門が圧迫されるようになってきます。そのため陣痛がくると圧迫感やいきみ出したいような感覚(怒責感)が出てきます。
ここまでくれば赤ちゃんに会えるまで,ゴールはあと少しです。
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子宮口の変化のイメージがつかめたでしょうか。
出産時の子宮口はこのように変化していきますが、お産の進み方や痛みの感じ方には個人差がかなり大きいものです。
陣痛を想像すると不安や恐怖心も感じる人も多いかもしれませんが、陣痛を乗り越えるには緊張しすぎずにリラックスすることが重要です。
そのためには出産前の準備も大切。お産のだいたいの流れをイメージしておくことも心を落ち着けることにつながるでしょう。また、出産をする施設のスタッフが勧める呼吸法や陣痛の乗り切り方のコツなども上手に取り入れて、ママにも赤ちゃんにもできるだけ負担の少ないお産ができるといいですね。
参考
・堀口 貞夫、「らくらく出産ハンドブック」、講談社、1994年
・真柄 正直(著)・荒木 勤(改定)、「最新産科学 改訂第20版 正常編」、文光堂、1994年
・杉野 法広、「正常経腟分娩の管理」、日産婦誌60巻10号 、2008年
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