【医師監修】赤ちゃんの便秘 解消法は?受診すべき?
赤ちゃんの便秘のサインは?
1歳未満の赤ちゃんは、成長とともに排便の回数や色・形などがどんどん変化します。
新生児の頃は、粒々が混ざった黄色のゆるい便を1日4回以上しますが、だんだん便の回数が減り、色も黄色から茶色に変化するようになります。
1歳を過ぎる頃には、形のある軟らかい便が1日1~2回程度になります。もちろん個人差がありますので、3~4日に1回程度の赤ちゃんもいます。
では、便秘とはどんな状態をいうのでしょうか。便秘のサインとして挙げられるのが下記の3つです。
・いつもより2~3日長く便が出ていない
・便が硬く、排便時に泣く
・便の外側に数滴の血液がついている
赤ちゃんの場合、便秘でなくても排便の際にうなったり泣いたりすることがあるので、便が硬くないか状態を確認してみましょう。もし硬ければ、排便時の痛みで泣いている可能性があるため、便秘が疑われます。
一方、1週間以上便が出ていなくても症状がなく、元気な赤ちゃんもいます。そのような場合は、急いで受診しなくても、3・4か月健診、6・7か月健診、9・10か月健診などのタイミングで相談すればよいかもしれません。
おならばかりの場合は?
赤ちゃんはよくおならをします。腸が正常に動いている証拠ですので、心配しすぎず様子をみましょう。
多くの場合、授乳時に飲み込んだ空気がげっぷとして出ずにおならとして出たものですが、中には便秘によってお腹にガスが溜まっていることが原因になることもあります。
もし、便がいつもより出ていない、排便時に泣く、お腹が張って哺乳量が減る、嘔吐するなどの便秘のサインがあれば、便秘によっておならが出ている可能性が高くなります。
赤ちゃんが便秘になる原因は?
母乳やミルクの不足
母乳や混合栄養の場合、どれだけ飲んでいるかがわかりにくく、水分不足から便秘が起こりやすいです。
おっぱいがあまり張らない場合や赤ちゃんがなかなか乳首を離さない、授乳間隔が短くすぐ泣く場合などは、赤ちゃんがあまり母乳を飲めていない可能性があります。赤ちゃんを計測できる体重計があれば、母乳前後で体重を測って哺乳量を知るという方法もあります。
離乳食の開始
離乳食が始まると、それまで水分しか飲んでいない状態から少しずつ固形のものを食べるようになり、下記のような変化が見られることがあります。
・離乳食を多く食べることで、母乳やミルクなどを飲まず水分量が足りなくなる
・離乳食が進んでいくと、食事量が少なかったり食物繊維が不足することがある
・便が固形化するため、硬い便や太い便が出ると排便を嫌がるようになる
これらの変化によって、便秘が起こる場合があります。
汗のかきすぎ
気温が高かったり、服を着せすぎたりするなどによって汗を多くかくと、水分不足から便秘になりやすいです。
特に赤ちゃんの場合、多量の寝汗が便秘の原因になることがあります。夜間の服の着せすぎには注意しましょう。
腸の病気
発生頻度はまれですが、新生児の頃に便秘になった場合、腸の病気などが原因で便秘になることがあります。
嘔吐を繰り返したり、下痢が続いたり、血便が出る場合は、早めに小児科を受診しましょう。
赤ちゃんの便秘解消法は?
水分摂取
母乳が思ったより出ておらず、水分が足りていないということもあります。その場合は、ミルクを足して哺乳量を補いましょう。
哺乳量をチェックする方法として、授乳前後に赤ちゃんの体重を測ることも一つの方法です。家に赤ちゃん用の体重計がない場合は、1~2週間ごとに病院や育児支援センターなどで体重を測ってもらうとよいでしょう。
離乳食の内容を見直す
離乳食が便秘の原因になる場合があります。下記の方法で効果がみられるときもあります。
・プルーン、リンゴ、柑橘類などの果汁を3倍くらいにうすめて10~20mlほど飲ませる
・毎日少しずつヨーグルトを食べさせる
・青菜、豆製品、プラム、バナナ、さつまいもなどの食べ物を与える
運動・マッサージ
体を動かすことは、腸の動きを活発にし、お通じがよくなる効果が期待できます。
低月齢の場合は、ママやパパが赤ちゃんの両足をゆっくり左右に動かしたり(寝返りを助けるイメージ)、お腹のマッサージをしてあげましょう。
お腹のマッサージは、おへその周りを優しく、ゆっくりと「の」の字を描くようにします。
月齢が進めば、散歩や公園に行ったりするのもおすすめです。
肛門刺激
綿棒にワセリンやベビーオイルなどを塗り、それを赤ちゃんの肛門に1~2cmほど入れて刺激します。便を掻き出すのではなく、出口を広げるイメージで優しく動かしましょう。
受診の目安
便秘解消法を試しても便秘が改善しない場合や、嘔吐や下痢、血便が出るなど腸の病気が疑われる場合は、速やかに小児科を受診しましょう。
また、下記のような場合も受診の目安になります。
・お腹が張っている、または硬い
・顔色が悪く元気がない
・哺乳量が減った
便秘を予防するためにできること
水分不足にならないように、哺乳量をチェックし、少ない場合はミルクを足しましょう。
また、運動は積極的に行い、腸の働きをよくしてあげるのがおすすめです。
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赤ちゃんはまだ話せないため、痛みや不快さを泣いて伝えることしかできません。赤ちゃんが便秘かどうか気づけるのはママやパパです。日ごろから便の回数や状態をチェックして、いつもと違う状態が続くようであれば、早めに小児科を受診しましょう。
参考
・小児慢性機能性便秘診療ガイドライン作成委員会(編)、「こどもの便秘ー正しい知識で正しい治療をー」詳細版パンフレット (2020年5月13日閲覧)
・日本小児栄養消化器肝臓学会・日本小児消化管機能研究会(編)、「小児慢性機能性 便秘症 診療ガイドライン」、2013年 (2020年5月13日閲覧)
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