【医師監修】産後のデリケートゾーンのつらいかゆみ!悪露やナプキンのせい?
悪露でデリケートゾーンにかゆみが出る?かゆみの原因は?
一般的にデリケートゾーンがかゆくなる原因は、かぶれ、あるいは感染症が考えられます。
特に産後は悪露が多く、ナプキンを当てる期間も長いため、よりかゆみが出やすい状況です。
かぶれによるかゆみ
かぶれは、正式には「接触皮膚炎」といい、皮膚に何らかの刺激物などが接触することで、 湿疹性の炎症反応が起きることを指します。
皮膚にはもともと外部の刺激から肌を守るバリア機能が備わっていますが、バリア機能で防ぎきれない強い刺激を受けると、かぶれが起こる場合があります。
症状が出るきっかけになりやすいのは、下記のような状態です。
・デリケートゾーンの蒸れ
・生理用ナプキンの接触
・下着の締め付け
これらはどれも産後に起こりやすいものです。
ナプキンの長期間の使用や、骨盤矯正用の下着の着用など、産後は接触皮膚炎になる要素がいくつもあります。その結果、デリケートゾーンのかぶれを引き起こし、かゆみの原因になってしまいます。
感染症によるかゆみ
デリケートゾーンのかゆみは、さまざまな細菌などの病原体や、カンジダという真菌(カビ)が腟や外陰部で増殖することによっても起こります。
とりわけ、妊娠中から出産後になりやすいのが腟カンジダです。白いヨーグルト状や酒かす状のおりものが増えて、デリケートゾーンにヒリヒリとした強いかゆみが現れるなどの症状がみられます。
カンジダはもともと腟内に少数存在する菌ですが、妊娠・出産によるホルモンバランスの変化や、睡眠不足やストレスなどによる抵抗力の低下によって繁殖しやすくなり、かゆみの原因になる場合があります。
産後のデリケートゾーンのかゆみ、どう対処すればいい?
産後にデリケートゾーンのかゆみを感じた場合、どうすべきでしょうか?
まずはデリケートゾーンの環境を見直してみましょう。
ナプキンの交換頻度や種類を見直す
産後のデリケートゾーンは、悪露とナプキンの刺激を常に受け続け、蒸れやすく、かぶれやすい状態にあります。
ナプキンをこまめに変えたり、ナプキンの種類を通気性がよく、低刺激のものに変えたりしてみましょう。
デリケートゾーンの清潔を保つ
シャワー浴や入浴により、悪露で汚れやすいデリケートゾーンを清潔に保つことが大切です。ただし、こすりすぎは逆効果になるので、ぬるま湯でさっと洗い流すか、あるいは洗浄剤を泡立ててやさしく洗う程度にしましょう。
また、ビデなどで腟の中まで洗いすぎることは、正常な腟の細菌バランスを崩してしまうのでよくありません。
通気性のいい下着を着用する
化学繊維でできた下着は通気性が悪く、むれの原因になることがあります。
下着は通気性がよく、肌に優しい素材を使ったものを選ぶのがおすすめです。
また、締め付けのきつい下着やガードルタイプの骨盤ベルトを避けて、通気性のよいものを選ぶとよいでしょう。
かゆみが治らない!病院に行ったほうがいい?
上記の対処法を試してもかゆみが改善しない場合は、病院を受診し、医師の診察を受けましょう。かゆみの原因には、カンジダやその他の感染症の可能性もあります。
病院では必要に応じておりもの検査などを行い、腟錠を入れたり,軟膏などの薬の処方を行います。
産婦人科医 木戸先生のひとこと
産後には、生活が不規則、眠れない、疲れている、ストレスが多い、などの影響で、感染に対する抵抗力が低下することがあります。赤ちゃんが眠ったら自分も横になって休むなど、うまく休憩を取り、気分転換をはかることも症状を悪化させないためにおすすめです。
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出産直後の産褥期はデリケートゾーンの清潔が保てるよう、こまめなナプキンの交換や、毎日シャワーやお風呂に入る時間を確保するようにしましょう。
赤ちゃんのお世話が忙しい時期ですが、自分の体調にも気をかけることが大切です。
参考
・牧野田 知・富澤 英樹、日産婦誌61巻12号 研修コーナー「13.産褥異常の管理と治療(D.産科疾患の診断・治療・管理,研修コーナー)」、公益社団法人日本産科婦人科学会、2009年
・杉野 法広、日産婦誌59巻10号 研修コーナー「3.分娩の生理・産褥の生理(D.産科疾患の診断・治療・管理,研修コーナー)」、公益社団法人日本産科婦人科学会、2007年
・医療情報科学研究所(編)、「病気がみえる vol.10 産科 第4版」、株式会社メディックメディア、2018年
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