【医師監修】妊娠中の下痢、どう対処したらいい?赤ちゃんへの影響は?
妊娠中、下痢してしまうのはなぜ?
妊娠すると便秘になる人が増えますが、中には下痢の頻度が増えたり、便秘と下痢を繰り返したりする人もいます。その原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
腸の働きが低下する
妊娠によって、腸の動きが鈍くなることが原因の一つです。腸の動きが鈍いと、食べたものが移動するスピードが遅くなり、便が腸内に溜まりやすくなります。そして、溜まって硬くなった便は腸内のガスの排出を邪魔するため、おなかが張ったり、痛みが出たりします。
ようやく硬い便が押し出されると、栓が抜けたように奥のまだ軟らかい便も次々に出て、下痢のようになってしまうのです。
自律神経の乱れ
過敏性大腸といわれ、様々なストレスから便通の異常が起きることがあります。
妊娠によって自律神経のバランスが崩れ、同じような状況が生じていることもあるかもしれません。
免疫力の低下
注意したいのが、食中毒による下痢です。妊娠中は免疫力が下がっているため、食中毒菌にも感染しやすい状態です。食中毒の原因菌の中には、赤ちゃんに影響を与えるものがあります。
胎児への影響は?
下痢になることですぐに流産や早産になるわけではありませんが、長引く頻回な下痢は子宮収縮を引き起こす可能性があります。早めに医師に相談するのがよいでしょう。
下痢の原因が食中毒菌によるものの場合、その原因菌によっては、赤ちゃんの健康や命に関わることがあります。赤ちゃんに影響を及ぼす可能性のある食中毒菌は下記のとおりです。
- リステリア
低温や高い塩分濃度の環境でも増殖できる食中毒菌で、生肉やナチュラルチーズ、生ハムなど、熱を加えていない食品に潜んでいることがあります。
健康な成人が感染した場合は無症状や軽い胃腸炎で済む場合が多いですが、妊婦が感染した場合は発熱、頭痛、嘔吐、下痢、筋肉痛などの症状が見られます。頻度は多くありませんが、おなかの赤ちゃんに感染することがあり、早産や新生児の髄膜炎・脳炎・敗血症を起こすことがあります。
- 腸管出血性大腸菌(O157、O111、O26など)
ベロ毒素という強い毒素を作り出し、激しい腹痛や下痢、血便、発熱、嘔吐などの症状を引き起こす食中毒菌です。大人でも大変なことになりますが、子どもではより重症になります。
妊婦が感染すると、流産や早産、死産の原因になる可能性があります。
- カンピロバクター
少量の菌で食中毒を起こす菌で、鶏肉や牛肉に付着している可能性が高い食中毒菌です。しっかりと食材の中まで火を通すことにより、カンピロバクターによる食中毒を防ぐことができます。生食は避け、十分加熱調理した肉を食べるようにしましょう。
こんな症状に注意
もしも、下痢とともに下記のような症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。
- 腹痛
- 吐き気、嘔吐
- 発熱
- 下痢が続く
- 血便または通常でない便の性状
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎 クローン病)は 若年層に多い消化器慢性疾患です。偶発的に妊娠期に発症すると、診断や治療がおくれてしまうことがあります。なぜなら妊娠中には便秘から痔になることが多く、血便の多くは痔によることが多いからです。中にはこういった疾患がまぎれていることがあるのです。
市販薬を飲んでも大丈夫?
妊娠中は、薬によっては赤ちゃんに影響が出る可能性があります。自己判断で市販薬や家に保管していた薬を飲むのは、やめておきましょう。内服する前にかかりつけの医師に相談するのが安心です。
また、下痢が食中毒によるものだった場合、薬で下痢を止めてしまうと、原因菌を体内に留めてしまうことになります。必ず医師の診察と適切な治療を受け、処方された薬を内服しましょう。
下痢をしているときの食事のポイント
下痢の症状が出ているときに心配なのが脱水です。下痢によって水分が奪われるため、その分を補う必要があります。湯冷ましやうすめのお茶、ミネラルウォーターなどの刺激の少ない飲み物を、常温か少し温めて飲みましょう。経口補水液があると、吸収が速く電解質も補給できるため、おすすめです。
食事の内容は、刺激が少なくおなかに優しいメニューにしましょう。おかゆや野菜スープ、りんごなどは胃腸への負担が少ないため、弱った胃腸の機能回復に最適です。
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妊娠中の下痢は、生理的なものだけでなく、食中毒そのほか腸の炎症性疾患などによるものもあります。原因を自己判断することは難しいので、下痢が続く場合や食中毒が疑われる症状があれば、早めに病院を受診しましょう。
参考:
「お肉やチーズなどの食中毒について 」(厚生労働省医薬食品局)、2020年8月閲覧
「これからママになるあなたへ 食べ物についてしっておいてほしいこと 」(厚生労働省)、2020年8月閲覧
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