【医師監修】帝王切開の傷はいつ治る?術後のケアや痛みを和らげる方法も解説
帝王切開後の傷がなかなか治らないことに悩んでいませんか?
この記事では、帝王切開の傷を正しくケアする方法を解説します。なかなか治らない原因や、ケアをしなかった場合のリスクなども紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
帝王切開後の傷がなかなか治らないことに悩んでいませんか?
この記事では、帝王切開の傷を正しくケアする方法を解説します。なかなか治らない原因や、ケアをしなかった場合のリスクなども紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
帝王切開の傷はいつ治る?
帝王切開後の傷は通常、外側の傷がふさがるまでに3日程度、傷の炎症が治るまでに数週間かかります。傷が肌色に近くなり完全に回復するには、数ヶ月から1年かかるでしょう。
適切なケアをすることで、傷跡が残りにくくなったり傷が治りやすくなったりするので、ほったらかしにせずしっかりとお手入れしてくださいね。
帝王切開の傷跡、いつ頃目立たなくなった?
トモニテ編集部では、帝王切開を経験した女性を対象に、帝王切開に関するアンケートを実施しました。
帝王切開の傷跡が目立たなくなった時期を調査すると「1年以上」と回答した人が最も多い結果に。
回答者の55.6%が、傷の完全回復に1年以上かかっていたことがわかりました。
次いで多かったのは「3〜4ヶ月」「5〜6ヶ月」でそれぞれ22人(11.2%)、「7〜8ヶ月」で13人(6.6%)でした。
傷が完全に回復するまでには、数ヶ月〜数年以上かかることが多いようです。
帝王切開の傷が治るまでの経過は?
個人差はありますが特別に問題がなければ、帝王切開の傷は以下のような経過をたどり、徐々に目立たなくなってきます。
帝王切開手術当日
傷口は少し赤い。
術後2〜4日目
傷口の組織が少し盛り上がってきて、表面の組織がくっついてくる。
術後8〜9日目
傷口にかさぶたができてくる。
術後2〜4週間後
傷口は赤く盛り上がった細い線上に見える。
術後6ヶ月〜1年後
肌の色に近い色に落ち着く。
帝王切開の傷がなかなか治らない原因は?
帝王切開後の傷がなかなか治らない原因には、内的要因と外的要因があります。それぞれ見てみましょう。
内的要因
まずは、傷の治りに影響を与える内的要因を解説します。
高血圧
高血圧は、動脈硬化によって血管が細くなり、血流が滞ってしまう生活習慣病です。血流が悪いと、酸素や栄養素が傷口に十分に届かないため、傷の回復が遅れてしまいます。
高血圧をしっかりと管理して治療することで、傷の回復を促進できます。
遺伝
遺伝も、傷の回復スピードに影響するといわれています。
帝王切開の傷跡が濃く残っている母親の子どもが帝王切開をした場合、同じように傷跡が残ってしまうと考えられているのです。
このように、遺伝によって傷の残り方や回復スピードが左右されることがあります。しかし、遺伝子のどの部分が影響しているのかは、まだ明確にわかっていないのが現状です。
外的要因
次に、傷の治りに影響を与える外的要因を解説します。
衣類による摩擦
衣類による摩擦によって、帝王切開の傷口が刺激されて治りにくくなっている可能性があります。
術後しばらくは締め付けの強い衣類は避け、ゆったりとした服装を心がけましょう。
紫外線による刺激
できたばかりの傷跡は紫外線に敏感です。紫外線を浴びると炎症や色素沈着が起こり、治りが遅くなってしまいます。
紫外線対策をしっかりと行い、日焼け止めを使用しましょう。
皮膚の伸縮による刺激
日々の生活や運動などで皮膚が伸縮し、傷口が引っ張られて回復が遅れることがあります。
産後しばらくは疲れがたまりやすい時期でもあるので、無理に体を動かさないようにしましょう。
帝王切開の傷の正しいケア方法
帝王切開後の傷を適切にケアすることで、傷が治りやすくなるほか、傷跡を目立たなくすることもできます。
ここでは、帝王切開の傷のケアのしかたを解説します。
テープを貼る
帝王切開の傷口にテープを貼ることで、摩擦や紫外線による刺激を防ぎ、傷の回復を助けることができます。
必ず傷口を清潔にしてから、傷跡ケア専用のテープを貼りましょう。
テープは数日に1回交換し、清潔を保つことが重要です。また、はがす際に傷口が刺激される可能性があるので、皮膚を引っ張らずにゆっくりとはがしてくださいね。
帝王切開の傷のテープはいつまで貼る?
手術後に縫合した傷は、術後24〜48時間で表面の皮膚がくっついてきます。以降は外部からの細菌に汚染されないことがわかっています。
このことから、施設にもよりますが、手術後2日までは傷の部分を滅菌のテープなどで覆っておくことが多いでしょう。
また無理にはがさずに、自然にはがれるまで貼っておくテープもあります。
ただし、ケロイドや肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)を予防し、傷をきれいに治すためにその後も特別なテープを貼る施設もあります。
激しい運動をしない
激しい運動をすると、傷口に負担がかかり回復が遅れてしまう原因になります。軽い散歩などの適度な運動は問題ありませんが、激しい運動や重い物を持ち上げる動作は避けてください。
まずは傷の回復につとめ、産後のダイエットなどは医師に相談したうえで徐々に進めていきましょう。
肌を保湿する
保湿をすることで、かゆみや痛みを防いだり、赤みが直りやすくなったりします。
毎日保湿剤を数回塗布して、皮膚の乾燥やかゆみを防ぎましょう。保湿剤は低刺激性のものを選び、清潔な手で塗ってくださいね。
薬を塗る
帝王切開後の傷に薬を塗ることで、感染を防いで炎症を抑えることができます。抗生物質入りの軟膏や、ステロイドクリームが一般的に使用されます。場合によっては内服薬を処方されることも。
薬の使用方法や塗布の頻度については、医師の指示に従いましょう。また、異常が見られた場合は、すぐに医師に相談してくださいね。
帝王切開の傷をケアしないとどうなる?
帝王切開後の傷を適切にケアしないと、さまざまなトラブルが生じてしまうことも。ここでは、ケアを怠ることによるリスクとその対策を解説します。
肥厚性瘢痕・ケロイドのおそれがある
帝王切開の傷口のケアをしないと、傷跡が「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」やケロイドになってしまうリスクがあります。
肥厚性瘢痕とは傷跡が盛り上がった状態のことで、肥厚性瘢痕よりも広い範囲にできた傷をケロイドといいます。
肥厚性瘢痕やケロイドは、体質や傷の場所によって形成されやすくなることがあり、早めにケアをすることで予防が可能です。
シリコンシートや保湿、医師の指示に従ったケアを行い、しっかりと予防しましょう。
傷跡が残る
適切なケアをしないと、帝王切開の傷跡が目立つことがあります。
傷跡が目立つ原因には、感染や炎症、摩擦、紫外線などがあります。これを防ぐためには、傷口を清潔に保ち、適切に保湿をすることが必要です。
ケアをしているのに、なかなか傷がよくならない、ケロイドになりかけているなどの場合は早めに医師に相談してくださいね。
【体験談】帝王切開の傷跡のケアはした?ケア方法は?
トモニテ編集部のアンケートで、帝王切開の傷跡のケアをしたかを調査したところ「した」と回答した人は54.1%と、半数以上にのぼりました。
どのようなケアをしたのかを尋ねると、以下の回答が寄せられました。
はるさんさん/30代/パート・アルバイト/関東地方在住/1児のママ
あやさん/30代/専業主婦/関東地方在住/2児のママ
まるさん/30代/専業主婦/中部地方在住/2児のママ
りおさん/30代/専業主婦/九州・沖縄地方在住/3児のママ
mayuさん/30代/会社員(契約・派遣社員)/関東地方在住/1児のママ
先輩ママたちは「アトファイン」「レディケア」などの傷跡テープを貼ったり、ボディクリームやオイルを塗ったりしていたようですね。
摩擦を避け、保湿を入念に行ってケアをする人が多いことがわかりました。
帝王切開の傷が悪化した場合の対処法は?
帝王切開後の傷が悪化した場合は、迅速な対応が必要です。悪化の兆候としては、傷口の炎症、痛み、発熱があげられます。傷口から感染症にかかっているおそれもあるので注意してください。
これらの症状があらわれたらすぐに医師に相談し、適切な治療を受けましょう。
帝王切開の傷に関するよくある質問
帝王切開後の傷に関して、多くの人が抱える疑問を紹介します。解決方法も紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
帝王切開後にシャワーを浴びるときの注意点は?
手術後3日目から、傷口を優しく洗いましょう
帝王切開後いつからシャワーを浴びてよいかは病院によりますが、おおむね3日目から許可が出るでしょう。シャワーの許可を得たら、以下のことに注意しながら優しく洗うようにしてください。
帝王切開後のシャワーで注意すること
温水で皮膚の汚れを流す
せっけんやボディソープを十分に泡立て、皮膚への摩擦を避けて泡で洗う
せっけんやボディソープが残らないように十分に流す
乾いたタオルで軽くおさえて拭き取る
帝王切開の傷は消える?
完全に消えることはありません
帝王切開の傷を目立たなくすることはできますが、完全に消すのは困難です。テープを貼って摩擦や紫外線による刺激を抑えたり、保湿をしたりすることで傷が目立つのを防ぐことができるので、しっかりとケアをしましょう。
傷跡のかゆみが続くときはどうしたらいい?
皮膚科や形成外科を受診しましょう
帝王切開の傷跡がかゆくなる原因としては、乾燥や炎症などが考えられます。かゆみがでてきたら、皮膚科や形成外科などの医師に相談してください。
傷が化膿したりケロイド状になることもあるの?
さまざまな要因でケロイドや肥厚性瘢痕ができることがあります
帝王切開の手術をする恥骨部周辺は、ケロイドや肥厚性瘢痕のできやすい部分とされています。また、ケロイドや肥厚性瘢痕は、アレルギー体質の人や家族にケロイドができたことのある人などに多く起きるといわれています。いわゆる「ケロイド体質」というものですね。傷痕ができるかはおもに体質によりますが、縫合のしかたやケアによるところも少なからずあります。前回の手術で傷口がケロイド状になったことがあるなど、傷の治り具合について心配なママは医師や助産師に相談しておきましょう。
1年後に傷跡が膨らむのはなぜ?
肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があります
肥厚性瘢痕やケロイドになってしまうのは、体質や傷のケア不足が原因かもしれません。日常的に傷口を保湿し、紫外線を避けることで悪化を防ぐことができます。肥厚性瘢痕であれば自然と治ることがありますが、ケロイドの場合は治療なしで自然と治ることはまれです。気になる場合は医師に相談し、適切な治療を受けましょう。
適切なケアで傷跡は目立たなくなる!かゆみがある場合はすぐに医師に相談して
帝王切開の傷を早くきれいに治すには、適切なケアが大切です。傷口を清潔に保って、保湿を怠らないようにしましょう。傷口にテープを貼って、摩擦や紫外線による刺激を防ぐのも効果的ですよ。
もし、なかなか治らない場合や、かゆみ・痛み・膨らみの症状が見られる場合は、医師に相談してくださいね。
- 帝王切開の傷が完全に治るまでは1年ほどかかる!気長にケアして
- 高血圧や遺伝、外部刺激が傷の回復を妨げることも
- 保湿やテープでの保護を心がけることで傷の回復を促そう
- ケアを怠ると傷跡が残ったり肥厚性瘢痕やケロイドになったりすることも
- なかなか傷がよくならない場合は迷わず医師に相談して
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
本記事は妊娠中の方への情報提供を目的としており、診療を目的としておりません。
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