【医師監修】妊娠35週目・出産の兆候は?
妊娠35週目の赤ちゃんの大きさや様子は?
妊娠35週目の赤ちゃんは出産に向けてさらに成長のラストスパートを迎えます。個人差はありますが、身長は約45~47cmまで成長し、体重は約1,700g~2,800gでおよそ白菜1個分くらいのイメージです。
出産の兆候はあるの?
妊娠35週目は出産に向けたママの体の変化などが起こりやすい時期です。中には、体が出産の準備を行っていく過程で「前駆陣痛(ぜんくじんつう)」を体験するママもいます。
「前駆陣痛(ぜんくじんつう)」とは?陣痛との違い
不規則な子宮の収縮のことで、腹痛や腰痛などがあり、痛みの強さや長さなどにはかなりの個人差があります。ただ陣痛との違いは、痛みなどが訪れる間隔がバラバラであるという点です。前駆陣痛を出産の兆候である陣痛と勘違いをしてしまいがちですが、「もしかして陣痛が始まっちゃったかも」と不安に思う場合は、痛みが始まる時刻をメモして測ってみると、まだまだ間隔が長く空いていて不規則であることがわかり、安心できるものです。
子宮口が開くこともある
自覚症状はありませんが、この時期に子宮口が少しだけ開く人もいますが、早産に至ることはあまりありません。出産に向けてママの体が準備を始めていると考えて、日常通りの生活を過ごしてください。
妊娠34週目・36週目に出産の兆候はあるの?
妊娠35週目の前後に当たる妊娠34週目・36週目のママの体はどのような状態なのか、簡単にみてみましょう。
妊娠34週目
妊娠34週目も妊娠35週目同様に妊娠の後期に当たる時期です。妊娠37週未満の出産を早産といい、この時期に出産兆候(陣痛・破水・おしるし)があらわれるにはまだ早いです。人によって出産兆候の出現時期は出産の数日前~数週間前と幅があるといわれていますが、もしこの時期にこれらの兆候がみられたらすぐに病院へ連絡するようにしましょう。
妊娠36週目
妊娠36週目からは妊娠10ヶ月、臨月と一般では呼ばれるようになります。この時期になるといつ出産してもおかしくありません。出産兆候に注意して過ごしましょう。また、いつ陣痛や破水が起きてもいいように、病院や家族、タクシー会社などの電話番号をリストにして入院のときにすぐ連絡できるようにしておいたり、破水のときにすぐに使えるよう大きめのナプキンを用意しておいたりしましょう。
代表的な出産兆候について詳細はこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
妊娠35週目のママの体に起こりやすいトラブル
妊娠35週目になるとおなかの赤ちゃんは子宮外での生活にある程度対応できるまでに成長し、それに比例してママの体にはさまざまなトラブルが生じることがあります。もちろん個人差があり、起こりやすい人とそうでない人がいます。トラブルといっても、赤ちゃんの成長に伴って起こりやすい体の変化ですので、不安に思わずつらいようなら医師や助産師に相談しましょう。
頻尿,尿もれ
膀胱は子宮のすぐ前にあります。そのため子宮が大きくなると膀胱が圧迫され、トイレが近くなったり、骨盤底を支える筋肉に負担がかかりくしゃみなどのちょっとした腹圧で尿が漏れたりします。こまめにトイレに行く、尿漏れシートなどを使用する、などで対応しましょう。尿漏れシートを使う場合はこまめに取り換え、感染症を予防しましょう。
腰痛・背部痛
おなかが大きくなって前に突き出ると、バランスをとるために背中の筋肉を使って支えようとします。これが、腰痛や背部痛の原因となります。主な対処法はこちら。
- 骨盤ベルトで骨盤のぐらつきを予防する
- 反り腰にならないように姿勢に気をつける
- 湯船に浸かって体を温める
- 疲れたときは横になって休む
おなかが大きくなる前の、妊娠前にしていたような普段の動きでは、赤ちゃんやママの体にとって無理がかかりかねないので、注意が必要です。腰や背中の負担を軽減できるように、対処法を試してもいいかもしれません。
痔
妊娠中は食生活の変化やホルモンの影響などで便秘になりやすくなります。無理に便を出そうとすると、切れ痔やいぼ痔になってしまいます。水分を多くとるなどの便秘予防が痔の予防にもつながります。便秘や痔のときは、医師から薬を処方してもらい症状を緩和することができますので相談してみましょう。
足のむくみ
大きくなったおなかが静脈を圧迫すると、足からの血液の戻りが悪くなり、足がむくみやすくなります。足を高くして休む、足浴で血流をよくする、ストレッチやマッサージをするなどは足のむくみの改善に期待できます。
息切れ
妊娠中は血流量が増えるため、心臓に負担がかかり動悸(どうき)がしたり、脈が速くなって息切れを起こしたりしやすくなります。おなかが大きくなることで横隔膜が圧迫されて苦しく感じることもあるので、疲れたら無理せず休むように習慣をつけましょう。
前駆陣痛(ぜんくじんつう)
妊娠の後期のトラブルに前駆陣痛(ぜんくじんつう)も含まれます。出産兆候の陣痛とは違って間隔はまばらで不規則ですが、おなかが張る感覚や痛みの強さには個人差があります。痛みを感じたら、椅子に座る、体を横にするなど楽な姿勢をとり深呼吸をしましょう 。そのままおさまってしまう痛みであれば前駆陣痛であって進行するものではないため、普通の生活をしてかまいません。
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妊娠生活もあと数週間、赤ちゃんとの対面が待ち遠しい時期です。
おなかが大きくなるとあちこちが圧迫され体調が悪くなりがちです。疲れているときは無理をせずに休み、体調がよいときに入院の準備や赤ちゃんを迎えるための環境作りなどを行い、残りの妊娠生活をリラックスして過ごしましょう。
参考:
小川博康、「ハッピー☆マタニティ てるてる天使の妊娠出産百科」、学研プラス、2019
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写真提供:ゲッティイメージズ
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