
【医師監修】排卵痛ってどんな痛み?原因・対処法・受診の目安も解説
生理以外の時期に下腹部の痛みを感じる場合、もしかすると排卵痛かもしれません。
排卵痛とは、排卵期に感じる下腹部の痛みのことです。ほとんどの場合心配いりませんが、なかには病気が隠れているケースもあるため、症状がつらい場合は医師に相談することが大切です。
この記事では、排卵痛の特徴や痛みが生じる仕組み、痛みを和らげる方法について解説します。医療機関を受診したほうがよい症状も紹介するので、月経期以外の腹痛に悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。
生理以外の時期に下腹部の痛みを感じる場合、もしかすると排卵痛かもしれません。
排卵痛とは、排卵期に感じる下腹部の痛みのことです。ほとんどの場合心配いりませんが、なかには病気が隠れているケースもあるため、症状がつらい場合は医師に相談することが大切です。
この記事では、排卵痛の特徴や痛みが生じる仕組み、痛みを和らげる方法について解説します。医療機関を受診したほうがよい症状も紹介するので、月経期以外の腹痛に悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。
排卵痛ってどんな痛み?

排卵痛とは、排卵のタイミングで感じる下腹部の痛みのことです。通常は2〜3日で治まりますが、生理とは違う時期に起こるため「生理じゃないのにどうして?」と不安に感じる人もいるでしょう。
排卵痛の感じ方や痛みの程度には個人差がありますが、以下のような症状がみられることがあります。
排卵痛の主な特徴
下腹部の片側にチクチク、ズキズキとした痛みを感じる
キリキリするような鋭い痛みがある
お腹や腰が重い
痛みと同時に違和感や圧迫感を覚える
排卵痛はなぜ起こる?

排卵痛は、お腹を覆う「腹膜」が排卵によって刺激されることで起こります。
排卵とは、卵巣で育った卵胞が卵巣の表面で破裂し、卵子が腹腔(おなかの中)に飛び出すことです。この卵胞の破裂によって卵巣表面が傷つき、そこから卵胞液や血液などが腹腔内に流れ出して周りの腹膜を刺激します。これが排卵痛の原因です。
また、排卵前後はホルモンが大きく変化するため、自律神経が乱れやすくなります。その結果、下腹部の痛みだけでなく、吐き気や便秘などの消化器症状が起こることもあります。
排卵痛が起こるのはいつ?

生理周期が28日の場合、次の生理予定日の約14日前に排卵痛が起こるといわれています。一般的に、排卵は生理と生理のちょうど中間の時期に起こり、その前後1〜2日に排卵痛を感じることがあるでしょう。
ただし、生理周期には個人差があるため、痛みが現れる時期は人によって前後することがあります。また、ストレスや体調などによっても生理周期は変わるので、排卵痛がいつ起こるかを正確に把握するのは難しいでしょう。
排卵痛が起こる人はどのくらいいる?

女性の20〜40%が排卵痛を感じるといわれています。排卵痛を感じない女性のほうが多いといえるでしょう。
ただし、痛みの程度や頻度には個人差があり、毎月決まって排卵痛を感じる人もいれば、数ヶ月に1度程度しか感じない人もいます。
排卵痛を和らげるには?

排卵痛がつらいときはどうすればよいのでしょうか?
ここでは、排卵痛を和らげるために試してほしい方法を4つ紹介します。
暖かくして休む
体を温めることで血流がよくなり、下腹部の痛みが和らぐことがあります。カイロや湯たんぽでおなかや腰を温めたり、ゆっくりと入浴したりするのもおすすめです。入浴する際は、39~40℃くらいのぬるめのお湯をはり、脚を伸ばしてゆったりと湯舟に浸かるとよいでしょう。
無理をせず、リラックスできる環境を整えて体を休めてくださいね。
ただし、タイツなどのおなか周りを締め付けるアイテムは、血流を妨げる原因になるので避けましょう。
生活習慣を整える
ホルモンの影響で排卵痛を感じやすくなることもあるため、バランスのよい食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけ、ホルモンバランスを整えましょう。
また、ストレスもホルモンバランスの乱れの原因になるので、こまめに気分転換することも大切です。無理のない範囲で、日頃の生活を見直してみましょう。
鎮痛剤を飲む
排卵痛がつらい場合は、市販の鎮痛剤を使用するのもよいでしょう。早めに服用することで、痛みを抑えやすくなりますよ。
ただし、痛みが強い場合や長引く場合は、病気が隠れている可能性もあります。自己判断で鎮痛剤を内服し続けるのは避け、医師に相談するようにしましょう。
低用量ピルを服用する
低用量ピルには排卵を抑える働きがあるため、排卵にともなう痛みを和らげる効果が期待できます。排卵痛が毎月つらいという人には、有効な選択肢の一つといえるでしょう。
ただし、副作用が現れることもあるので、医師の説明をよく聞いたうえで使用を検討してください。
注意が必要な痛みとは?
排卵痛ってどんな痛み?原因・対処法・受診の目安も解説
排卵痛だと思っていたら、実は病気が原因だった…というケースもあります。次のような症状がある人は、早めに医療機関を受診しましょう。
注意が必要な痛み
下腹部の痛みが強く、我慢できないほどつらい
痛みが数日以上続く
発熱や吐き気、下痢などをともなう
おりものの色・量・においに異常がある
性交時に強い痛みを感じる
月経周期と関係なく痛みが繰り返される
これらの症状がある場合、卵巣出血や卵巣嚢腫、骨盤内の感染症、子宮内膜症などの婦人科系疾患が隠れている可能性があります。放置すると慢性化し、不妊の原因になることもあるため注意が必要です。
少しでも気になる症状がある場合には、早めに婦人科を受診してください。
排卵痛があるときは無理をせず必要に応じて病院へ
排卵痛ってどんな痛み?原因・対処法・受診の目安も解説
排卵痛は排卵前後に感じる下腹部の痛みのことで、排卵によって卵巣の表面が傷つくことや、ホルモンの変化などが原因で起こります。
痛みの強さや頻度には個人差があり、痛みをまったく感じない人もいれば、毎月のように痛みを感じる人もいます。
痛みを感じたらまずはゆっくりと休み、体を温めましょう。必要に応じて鎮痛剤や低用量ピルなどを活用するのも選択肢の一つです。
ただし、痛みが強い場合や長引く場合は、病気が隠れている可能性もあります。少しでも気になる症状があれば早めに医師に相談しましょう。
- 排卵痛は排卵の際に感じる下腹部の痛みのこと
- 生理周期が28日の場合、次の生理の14日前あたりに起こることが多い
- 排卵痛がつらい場合は体を温めてゆっくり休もう
- 必要に応じて鎮痛剤や低用量ピルの使用も検討しよう
- 痛みが強い・長引く場合は病気が隠れていることもあるため医療機関へ