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モロー反射とは? いつまで続く?敏感な時期の赤ちゃんについて

【医師監修】モロー反射とは? いつまで続く?敏感な時期の赤ちゃんについて

赤ちゃんが刺激に反応して、手を広げたり、体がビクッと反応したりすることはありませんか?それは赤ちゃんの「モロー反射」かもしれません。この記事では、モロー反射についてや、いつまで続くのかなどを解説していきます。
赤ちゃんが刺激に反応して、手を広げたり、体がビクッと反応したりすることはありませんか?それは赤ちゃんの「モロー反射」かもしれません。この記事では、モロー反射についてや、いつまで続くのかなどを解説していきます。

モロー反射とは?

モロー反射とは、何らかの刺激に対して手足をビクッとさせたり、両手を大きく広げたりするような動作を反射的に行うことをいいます。この反射は、赤ちゃんが自分自身の身を守るための反応と考えられています。モロー反射が起きる状況=赤ちゃんは「危機」と感じているわけです。

どのような刺激に対してどれだけ過敏に反応するかについては個人差がありますが、赤ちゃんにはよく見られる正常な反射のひとつです。

日常生活で見られるモロー反射は、「音」という刺激が一般的かもしれません。たとえば、部屋のドアが思っていたよりも強く閉まってしまったとき。バタン!という音に反応して、ビクッと体をこわばらせて手を広げることもあります。

医療の場面では、新生児の時と1ヶ月健診のときにモロー反射の確認をします。反応があるか、弱くないか、強くないか、左右対称かどうかをチェックすることで、赤ちゃんの脳や神経に異常がないか検査しているのです。

どんな反応があるの?

モロー反射は、個人差があり、刺激となりうるのは音だけとも限りません。光でも刺激と認知されてモロー反射が起きる赤ちゃんもいれば、温度、風などに反応することもあります。

たとえば、強く閉めたわけでもないドアが閉まる音や、カーテンの開け閉め音、テレビがCMに入ったときの音などでも、モロー反射が出る赤ちゃんもいます。

ときには赤ちゃんが寝れないことも

やはり、モロー反射による赤ちゃんの反応は、体をこわばらせる動きになるので、できればモロー反射が起きないように刺激を与えない配慮をしましょう。赤ちゃんが寝ているときは、音や光、温度の急激な変化に注意して、穏やかでいられる環境作りが安眠につながります。

モロー反射で泣いてしまったときの対処法

モロー反射の頻度が激しい赤ちゃんの場合、寝られなくて泣いてしまうこともあります。あまりに刺激に過敏な場合は、「おくるみ」を使って安心できるように包んであげるのも工夫のひとつ。おくるみを巻く場合は事前に助産師さんなどにアドバイスをもらうとよいでしょう。

おくるみに包んであげるときは、ママのおなかの中にいるときと同様に足を軽くM字にし、足下からおくるみで包むように優しく巻いてあげましょう。

赤ちゃんはある程度包まれているほうが安心し、眠りやすくなるでしょう。

モロー反射はいつまで起こるもの?

人間の原始的な反射といわれているモロー反射ですが、いつからいつまで続くのかと気になりますよね。

実はモロー反射は、妊娠27週目頃からすでに始まっているといわれています。そして、通常生後4ヶ月頃には、大半の赤ちゃんのモロー反射は消失します。

通常消失するであろう時期になっても、まだモロー反射が起きている場合は、かかりつけ医に相談する必要があります。

注意が必要なけいれん

モロー反射と間違われやすく、見逃してはいけない赤ちゃんの動きがあります。それは点頭(てんとう)てんかんです。

点頭てんかんとは、通常1歳未満の赤ちゃんに発症するといわれ、今までできていたことができなくなるなどの退行が出てきます。

発作は、突然、頭部の前屈・体を折り曲げる・両手を振り上げるなどの動きが見られます。

その時間は個人差がありますが、おおむね数秒~数十秒です。

なので、異常の発見が遅くなりやすいてんかんのひとつといえます。

この発作は反復して何度も起こり、その頻度はだんだんと多くなっていきます。多くの場合は、「首がすわらなくなった」「お座りができなくなった」という発達の退行も伴います。

なので、日頃からママやパパが赤ちゃんの成長をしっかりと観察しておくことが大切です。

もし赤ちゃんにそういった様子が見られるかもしれないと思ったら、健診のときに相談したり、病院で診察を受けたりできると安心ですね。気になる様子を動画でとっておいて相談できると理想的と思います。

モロー反射は病気ではない

モロー反射を知らないママやパパからすると、ただならぬ動きに驚いてしまうことも。正常な反射なので安心してください。おくるみを使って包んであげると、赤ちゃんは落ち着くことが多いですので、音・光・温度などの刺激を減らす工夫と合わせてぜひ試してみてください。

参考

・医学書院、『《系統看護学講座 専門分野Ⅱ》小児看護学[1]小児看護学概論小児臨床看護総論』、2015年

・メヂカルフレンド社、『新体系 看護学全書 母性看護学2 マタニティサイクルにおける母子の健康と看護』、2019年

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