産後、ママのからだはこんなふうに変化する！

　産後１週間は子宮収縮のため生理痛のような痛みがありますが、徐々に痛みは軽くなり、産後６週間でもとに戻ります。また、乳首を吸われると下腹部に痛みを感じることがありますが、子宮がもとの大きさに戻ろうとしている証拠です。

　ただ、産後６週間過ぎても悪露が続くようなら、子宮が回復しにくい「子宮復古不全」の可能性があります。また、細菌に感染することで「産褥熱」になることも。38℃以上の熱が２日以上続いたら、要注意です。

　出産後３、４～10日めごろ、気分が不安定になる、涙もろくなる、不眠、食欲がない、などの症状が出ることがあります。

　しかし、これらの症状は一時的なものです。あまり思いつめず、家事はがんばりすぎず、赤ちゃんの世話も完璧にと思わないことが大切です。ひとりで思い悩んでいると、ますますマイナス思考になるので、できるだけ周りの人に話を聞いてもらいましょう。

　母乳を出すため乳腺が発達するので、妊娠前よりおっぱいの大きくなる人がふえます。授乳が始まってもママと赤ちゃんの、授乳のコンビネーションがうまくいくまでは、さまざまなトラブルが発生します。

　毎日授乳することで乳首が乾燥し、切れやすくなって出血する「乳頭部亀裂症」や乳管が開いていないため、母乳が乳腺の中にたまって乳房がかたく張ってしまう「乳汁うっ滞」、乳房がはれて痛くなる「乳腺炎」などを発症したら病院へ相談にいきましょう。

　悪露は、子宮の回復とともに、赤→茶→黄→白と色が変化します。

　量も出産直後は多めですが、退院時には月経量くらいに、産後６～８週間でふつうの状態に戻ります。

　元気だからといって無理は禁物。育児は体力勝負でもあるので、体力を温存しておきましょう。

　お産の時、赤ちゃんが通るためにゆるんだ骨盤のつぎ目は、産後だんだんともとに戻ります。

　また、骨盤底筋群は赤ちゃんが産道を通る時のびるため、おなかが小さくなった後もゆるんでいます。骨盤支持ベルトなどを使用して。

　個人差もありますが退院のころにはおさまり、傷跡も１か月くらいで目立たなくなります。傷があるうちはおしっこがしみる、排便時にいきめないということもあります。産後１週間くらいは、排便・排尿時に洗浄綿で会陰を清潔に保ちましょう。

　お産が長引いた場合など、産後に尿の出にくくなることが。多くは２～３日で出るようになりますが、出にくいときは導尿してもらいます。産後は排尿しにくく、からだの抵抗力が落ちているため、膀胱炎、腎盂腎炎などの尿路感染症を起こしやすいもの。排尿時に痛みがあるときや、出にくい感じが続くときには、すぐ受診を。

　また、逆に子宮や膀胱を支える筋肉が出産によって弱くなり、くしゃみやせきなどのちょっとした衝撃で尿漏れすることもあります。おしりの穴を締める運動をして改善しましょう。

　産後は会陰の傷の痛みなどがあり、排便の時にいきみにくいため、トイレにいくのがおっくうになって、便秘になりがち。繊維の多い食品や水分をとって、便秘対策を。つらい時には、退院の前に便をやわらかくする薬を処方してもらいましょう。かたい便を出すためにいきむと、肛門が切れたり、肛門の内側の粘膜が肛門の外に飛び出して脱肛になったりも。便秘対策をとり、おしりは排便のたびに洗ってきれいにしましょう。悪化する前に軟膏や座薬を処方してもらいます。

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