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出産後の妊娠|いつからOK?最短でどのくらい?

【医師監修】出産後の妊娠|いつからOK?最短でどのくらい?

無事に出産を終えたママの体は、ダメージをたくさん受けています。産後6ヶ月以内の妊娠はリスクが高いといわれています。35歳以上で2人目を望む場合などはどうしたらよいのでしょうか。次回の妊娠はいつから大丈夫なのか、気をつけるべきことなどについてみてみましょう。
無事に出産を終えたママの体は、ダメージをたくさん受けています。産後6ヶ月以内の妊娠はリスクが高いといわれています。35歳以上で2人目を望む場合などはどうしたらよいのでしょうか。次回の妊娠はいつから大丈夫なのか、気をつけるべきことなどについてみてみましょう。

産後のママの体

出産を終えたママの体は、時間をかけて徐々に妊娠前の状態に戻ります。この期間のことを「産褥期(さんじょくき)」といい、個人差はありますが6週間~8週間かかります。産褥期の体には、どのような変化が起こるのでしょうか。

出産後の子宮の状態は?

産褥期の子宮は、6週間くらいで妊娠前の状態に戻ります。

  • 産後2・3日

子宮の重さは約1,000g、子宮口は指2本分開いており、子宮底はおへその高さから指を横にして2~3本下くらいの位置です。

  • 産後1週頃

子宮の重さは約500g、手のこぶし大くらいの大きさまで小さくなり、子宮口は指1本分くらいに閉じてきます。その後、子宮内膜が再生されていきます。

  • 産後4週以降

子宮口が完全に閉鎖します。産後6週くらいになると、子宮の重さは70gくらいになり妊娠前の大きさに戻ります。

産後の分泌物「悪露(おろ)」とは

悪露とは、産後に子宮・腟より排出される分泌物のことで、産後の「おりもの」ともいわれます。

子宮の収縮とともに、悪露にも変化があります。出産直後は、赤色の悪露ですが、徐々に褐色に変化し、産後2~3週頃になると淡黄色になります。悪露の出る回数や量は、徐々に減っていきますが、悪露の減り方には個人差があります。

悪露について、こちらの記事も参考にしてください。

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排卵や月経(生理)の再開について

産後の排卵や月経(生理、以下月経)は、一般的に数ヶ月は起こらないとされています。これは、卵巣機能に関係するホルモンが妊娠中に低下することで、出産後、その回復に数ヶ月を要するためです。この期間は排卵や月経がなく、「産褥性無月経(さんじょくせいむげっけい)」と呼ばれます。

また、月経の再開は、ママが授乳しているかしていないのかによっても違ってきます。

授乳中のママでは出産後6〜10ヶ月頃から、授乳しないママでは出産後2〜4ヶ月くらいで月経が再開することが多いです。授乳中のママは、授乳しないママよりも月経の再開は遅いといわれていますが、月経の再開には個人差があります。

産後初めての月経では排卵しない「無排卵」のことが多いですが、月経再開前に排卵しているケースもあります。断乳後は1〜3ヶ月で月経が再開します。

1人目を出産後、2人目はいつから妊娠できるの?

最短で約1ヶ月

出産後、授乳しないママでは、早い場合には出産後4~6週後に排卵が起こります。しかし、それよりも早く排卵が起こる可能性もあります。

多くの場合、医師より性生活の再開について許可が出るのが、出産後の1ヶ月健診です。避妊をしなければ、性生活を再開後すぐに妊娠ということも起こります。しかし、母体のことを考えると産後すぐの妊娠はおすすめできません。妊娠を望まない場合は避妊をしましょう。

出産後6ヶ月間は時間を空けたほうがよい?

出産によるダメージの回復には、2ヶ月くらいは時間が必要とされています。

また、経腟分娩の場合は会陰切開(えいんせっかい)の治癒、帝王切開の場合は手術創の治癒に時間を要します。

初めての赤ちゃんのお世話で睡眠時間も十分に取れず、ママの精神状態が不安定になる可能性もあることから、性生活を受け入れられない場合もあります。そのため、性生活を再開するのは少なくとも出産後6ヶ月が経ったくらいから、できれば18ヶ月は避けるほうが望ましいとされています。

産後6ヶ月以内に妊娠できる?リスクはあるの?

産後6ヶ月以内に妊娠した場合、母体や胎児・新生児や乳幼児に対してさまざまなリスクが考えられます。

たとえば、早産や胎児発育遅延(子宮内での胎児の成長が遅れる状態)、低体重での出生や、妊婦や新生児・乳幼児の死亡リスクが高いとされています。

また、子宮破裂や胎盤剥離、感染症の可能性も否定できません。

しかしながら、35歳以上で2人目を望むママもいることでしょう。医師に相談しながら妊娠の準備をしましょう。

出産後は、妊娠しやすくなる?

出産後は「妊娠しやすい」などといわれますが、産後はホルモンの働きにより、妊娠しにくい状態です。ただし個人差があり、ママの体の回復状態や授乳中かどうかにもより、月経や排卵の開始時期が変わってきます。出産後最初の排卵時期がわかりにくいため、早期に妊娠する可能性もあります。月経が再開しても、出産後は生理不順になる傾向があり、排卵のタイミングが不安定になります。

また、出産後は赤ちゃんのお世話が忙しく、性行為のとき避妊に対して注意不足になる傾向があります。いつ排卵が起こるのかわかりにくいですが、出産後は、妊娠「しない」わけではないので、妊娠を希望しないのであれば避妊することをおすすめします。

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家族計画を立てる上で、出産後の妊娠のタイミングは大切なものですね。出産という大きな仕事を終えたママの体をいたわりながら、次の妊娠に向けて夫婦で話し合いましょう。

参考:

・医療情報科学研究所(編)、『病気がみえる vol.10 産科 第4版』、株式会社メディックメディア、2018年

・「D.産科疾患の診断・治療・管理 3.分娩の生理・産褥の生理」(産婦誌59巻10号研修コーナー)、2021年2月閲覧

・「母性健康管理ガイドブック 平成18年度 厚生労働省委託事業」(女性労働協会)、2021年2月閲覧

・「第66巻 日本公衛誌 第10号 原 著 妊娠間隔12ヶ月未満における母親の育児負担感に関する研究」、2021年2月閲覧

・「産後の避妊法」(日本産婦人科医会)、2021年2月閲覧

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写真提供:ゲッティイメージズ

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