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初産の出産|予定日から遅れるって本当?

初産の出産|予定日から遅れるって本当?【医師監修】

赤ちゃんと出会える瞬間、とても待ち遠しいですよね。出産予定日は決まっていても、予定日を過ぎて生まれてくる場合もあります。予定日から遅れての出産についてや、遅れた場合に気をつけることについて見てみましょう。
赤ちゃんと出会える瞬間、とても待ち遠しいですよね。出産予定日は決まっていても、予定日を過ぎて生まれてくる場合もあります。予定日から遅れての出産についてや、遅れた場合に気をつけることについて見てみましょう。

初めての出産(初産)は予定日から遅れる?

初産の場合、出産予定日を超過しやすいといわれることもあるようですが、はっきりとした医学的根拠はありません。初めて出産を経験するママ(初産婦)でも2回目以降の出産(経産婦)でも、予定日を超えて陣痛が訪れることは珍しくありません。

出産経験の有無にかかわらず、出産予定日から早まることもあれば、遅れることもあります。ただ、初産の場合は、子宮の出口がやわらかく開きやすくなる「熟化」が起こりにくいため、なかなか分娩に至らないことがあります。ママがリラックスすることでやわらかくなることもあります。緊張がとれない場合、施設によっては無痛分娩に切り替えることもあります。

出産予定日について

出産予定日は「40週0日」をさします。

そして、月経(生理)周期が28日型の女性の最終生理開始日から十月十日(280日)で決定されます。なぜ、十月十日かというと、過去の蓄積されたデータから十月十日目で出産する確率が一番高かったためです。

月経周期が長いと、排卵もあとになる傾向のため、当初算出した妊娠週数と実際の週数がずれてしまいます。月経周期が28日型の人と40日型の人を比べた場合、2週間ほどのずれが出てくることも。ずれを補正するため、妊娠10週前後に赤ちゃんの頭からお尻の長さを測定し妊娠週数を計算し、予定日を修正します。

予定日超過とは

「早産(そうざん)」……妊娠22週0日~36週6日目までの出産

「正期産(せいきさん)」……妊娠37週0日~41週6日目の間の出産

「過期産(かきさん)」……妊娠42週以降の出産

妊娠37週0日~41週6日目の5週間は、ママや赤ちゃんにとってリスクが少ない時期にあたります。もし、予定日を超過しても2週間までなら「正期産」となります。

42週以降の出産になると「過期産」にあたります。42週を過ぎると胎盤機能の低下や、赤ちゃんの心拍に異常が起こることもあるため、注意が必要になります。必要な場合は、医師が適切な処置を行いますので安心してください。

早産・正期産・過期産。どの時期の出産が一番多いの?

2018年人口動態統計の「妊娠期間別にみた出生数」において、正期産にあたる満37週~満41週の出生は全出生数の94%を占めています(※1)。

どのくらいの確率で予定日より遅れるの?

2018年人口動態統計の「妊娠期間別にみた出生数」において、満40週以上での出生は全出生の約33%。およそ3人に1人は予定日以降に産まれていることになります。予定日以降の出産の中で満42週以上の過期産での出生は全出生のわずか約0.2%にすぎません(※2)。

つまり、予定日以降の出産の場合は、満40週~満41週での出生が大半を占めているということになります。ママと赤ちゃんの出産リスクが上昇するため、41週に入れば、多くの医師が積極的に出産を促す処置(分娩誘発)を行っている状況です。

※1、2 出典:「人口動態調査 人口動態統計 確定数 出生 4-24 妊娠期間(4週区分・早期-正期-過期再掲)別にみた年次別出生数及び百分率」より

予定日になっても陣痛が始まらないときは?

臨月に入ると健診の回数は基本的に週に1回となりますが、妊娠40週を過ぎると健診の回数はさらに頻繁になります。胎盤の機能や赤ちゃんの状態をこまめにチェックする必要があるからです。

胎盤機能が低下すると、赤ちゃんに血液や酸素が届きにくくなり赤ちゃんが苦しくなったり、羊水が減ってへその緒を圧迫してしまったりと赤ちゃんの循環に影響したりすることがあります。

妊娠41週に入ってもお産の徴候がない場合、赤ちゃんの異常の有無にかかわらず、陣痛を引き起こす処置(陣痛誘発)をしたり、人工的に子宮口を開かせたりします。

分娩を誘発してもなかなか子宮口が開かない、陣痛が起こらない状態が続くと、赤ちゃんの心拍異常も出てくるため、帝王切開分娩になることもあります。帝王切開分娩は、ママの体やおなかの赤ちゃんを守るために行うものです。分娩方式と子どもの成長は関係しないので安心してください。

予定日を過ぎたときに気をつけたいこと

予定日を過ぎたときに気をつけたいことの1つ目は、頻繁になる健診を欠かさずしっかり受けることです。予定日を超えるにつれて母児のリスクが上昇することは明らかであり、母児ともに異常がないかしっかり診てもらう必要があります。

2つ目は、経過が順調な場合に限りますが、運動不足の人は無理のない範囲で体を動かしてみることです。医師と相談し、安全な場所での散歩など適度な運動を心がけましょう。

3つ目は、焦らないことです。予定日を過ぎても健診で異常がなければ大丈夫です。せっかちさん、のんびり屋さん、赤ちゃんそれぞれのタイミングがあります。赤ちゃんと会える日を楽しみに待ちながら、ゆったりした気持ちで待つようにしましょう。

参考:

・「出産に際して知っておきたいこと『予定日超過』 」(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター)、2021年3月閲覧

・「人口動態調査 人口動態統計 確定数 出生上巻 4-24 妊娠期間(4週区分・早期-正期-過期再掲)別にみた年次別出生数及び百分率 」(e-Stat 政府統計の総合窓口)、2021年3月閲覧

・「7.分娩予定日決定が肝 – 日本産婦人科医会 」(公益社団法人日本産婦人科医会)、2021年3月閲覧

・「早産・切迫早産 」(公益社団法人 日本産科婦人科学会)、2021年3月閲覧

・「日産婦誌59巻9号研修コーナー 吉田 幸洋・大橋 正伸・佐川 正「予定日超過妊娠の分娩取り扱いに際しての注意点」

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写真提供:ゲッティイメージズ

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