
【医師監修】初産は出産予定日よりも遅れるって本当?お産の兆候が遅れている場合の対応も解説
「初産は出産予定日よりも遅れる」といううわさを聞いたことがある人もいるでしょう。
はっきりとした根拠はなく、お産の経験がある経産婦でも遅れることはありますが、初産で予定日を過ぎることも実際にあります。
予定日を過ぎても陣痛がこない場合、どのように過ごせばよいのでしょうか?
この記事では、初産での出産のタイミングや、出産予定日になってもお産の兆候がない場合の過ごし方について詳しく解説します。
予定日を過ぎた場合に注意してほしいことも紹介するので、はじめてのお産を控えているママはぜひ参考にしてくださいね。
「初産は出産予定日よりも遅れる」といううわさを聞いたことがある人もいるでしょう。
はっきりとした根拠はなく、お産の経験がある経産婦でも遅れることはありますが、初産で予定日を過ぎることも実際にあります。
予定日を過ぎても陣痛がこない場合、どのように過ごせばよいのでしょうか?
この記事では、初産での出産のタイミングや、出産予定日になってもお産の兆候がない場合の過ごし方について詳しく解説します。
予定日を過ぎた場合に注意してほしいことも紹介するので、はじめてのお産を控えているママはぜひ参考にしてくださいね。
初めての出産(初産)は予定日から遅れるって本当?

初産では出産予定日から遅れやすいといわれることもありますが、はっきりとした医学的根拠はありません。
初めて出産を経験するママ(初産婦)でも2回目以降の出産(経産婦)でも、予定日を超えて陣痛が訪れることは珍しくありません。また、出産経験の有無にかかわらず、出産予定日から早まることもあれば、遅れることもあります。
ただし、初産の場合は、子宮の出口がやわらかくなる「熟化」が起こりにくいため、なかなか分娩に至らないことがあります。
ママがリラックスすることでやわらかくなることもありますが、緊張がとれない場合、施設によっては無痛分娩に切り替えることもあります。
出産予定日はどうやって計算している?

そもそも出産予定日がどのように決まるのか、よくわからない人もいるでしょう。
出産予定日は、最終月経の開始日を基準に「最終月経開始日+280日」で算出します。最終月経開始日が妊娠0週0日、出産予定日が妊娠40週0日です。
最終月経開始日の280日後を出産予定日とする理由は、過去のデータから280日目(十月十日)に出産する確率が最も高かったためです。
ただし、月経周期や排卵のタイミングによっては、当初算出した妊娠週数と実際の週数がずれることがあります。そのため、妊娠10週前後に赤ちゃんの頭からお尻の長さを測定して妊娠週数を計算し、予定日を修正することもあります。
出産日はいつが多い?

2023(令和5)年の厚生労働省の調査によると、妊娠37〜41週に出産するケースが94.2%を占めています。
妊娠37週0日から41週6日までに産まれることを「正期産」と呼びます。ママや赤ちゃんのリスクが低いといわれており、実際に多くの妊婦さんがこの時期に出産しています。
なお、妊娠22週0日から36週6日目までの出産を「早産(そうざん)」、妊娠42週以降の出産を「過期産(かきさん)」と呼び、早産の割合は5.7%、過期産は0.1%となっています。
出産日が遅れる確率はどのくらい?

2023(令和5)年の厚生労働省の人口動態調査によると、妊娠40週以降、つまり出産予定日よりもあとに出産する割合は全出生の約30.3%です。約3人に1人が出産予定日以降に生まれていることがわかります。
そのうち、妊娠42週以降に出産する過期産の割合は約0.3%にとどまります。つまり、出産予定日以降の出産のなかでは、妊娠40~41週で出産するケースが大半を占めているということです。
過期産の割合が少ない背景には、過期産ではママや赤ちゃんのリスクが上昇するため、妊娠42週に入る前に出産を促す処置(分娩誘発)を行うケースが多いことが挙げられます。
出産がどのくらい遅れたら注意が必要?

出産予定日を2週間過ぎた場合は過期産となり、注意が必要です。
この時期になると胎盤機能が低下し、赤ちゃんに十分な栄養と酸素が行き渡らなくなります。
また、赤ちゃんが大きくなり過ぎて難産になったり、産後の出血が止まらなくなる「弛緩出血」が起こったりすることも。さらに、赤ちゃんが羊水や胎便を吸い込んで呼吸障害を引き起こしたり、亡くなってしまったりする可能性もあります。
そのため、妊娠42週に入る前に入院をして、分娩誘発を行うのが一般的です。
出産予定日を過ぎてもお産の兆候がない場合の対応は?

出産予定日を過ぎても陣痛が来ないと、不安に感じますよね。
予定日はあくまで目安であり、数日遅れることは珍しくありませんが、出産予定日後もお産の兆候がない場合は、医師の判断のもと以下のような方針がとられることが一般的です。
妊娠週数が合っているかをチェックする
出産予定日は、最終月経の開始日などをもとに算出されますが、排卵日や受精日のずれによりずれが生じることがあります。
そのため、予定日を過ぎても陣痛がこない場合、妊娠週数が合っているかを確認します。具体的には、超音波検査で妊娠8〜10週目頃の胎児の大きさを確認し、出産予定日にずれがないかを判断します。
分娩待機または分娩誘発を行う
出産予定日に大きなずれがなかった場合、そのまま自然に陣痛が来るのを待つか、分娩誘発するかを選択します。
胎児の健康状態に問題がなければ自然な陣痛を待つこともありますが、過期産のリスクを考慮し、妊娠42週を迎える前に分娩誘発を行うのが一般的です。
分娩誘発を行うには、子宮の出口が熟化していることが条件となります。熟化していない場合は熟化を促すための処置がとられます。
出産予定日を過ぎた場合に気をつけることは?

出産予定日を過ぎるとそわそわして落ち着かなくなるかもしれませんが、焦らずにリラックスして過ごすことが大切です。
ここでは、出産予定日を過ぎたときに気をつけてほしいことについて解説します。
妊婦健診をしっかり受ける
妊娠40週を過ぎると2〜3日に1回の頻度で妊婦健診を受けることになりますが、毎回欠かさずしっかり受診することが大切です。
出産予定日から遅れるにつれママや赤ちゃんのリスクが上昇することは明らかであり、母子ともに異常がないかしっかり診てもらう必要があります。
赤ちゃんの状態によっては、帝王切開などの処置が必要になる場合もあるため、忘れずに受診して妊娠の経過をこまめにチェックしましょう。
適度に体を動かす
経過が順調な場合は、無理のない範囲で体を動かしましょう。軽いウォーキングやストレッチなどの軽い運動を行うと血行がよくなるほか、むくみの軽減にもつながります。特に、股関節をほぐすストレッチをすることで骨盤周りの筋肉が柔らかくなり、お産のときに赤ちゃんが産道をスムーズに通りやすくなるでしょう。
ただし、過度な運動はかえって負担になります。医師と相談しながら、体調に合わせて無理のない範囲で行いましょう。
リラックスして過ごす
出産予定日を過ぎると「赤ちゃんは大丈夫かな?」と不安になるかもしれませんが、妊婦健診で異常がなければ大丈夫です。
せっかちさん、のんびりやさん、赤ちゃんそれぞれのタイミングがあります。赤ちゃんと会える日を楽しみに待ちながら、ゆったりした気持ちで待つようにしましょう。
出産予定日はあくまで目安!焦らずリラックスして出産を待とう

初産では出産予定日よりも遅れることがありますが、焦らず落ち着いて過ごすことが大切です。
出産予定日はあくまで目安であり、実際の出産日が遅れることは珍しくありません。予定日を過ぎてもあまり不安に思わず、医師の指示に従いながらリラックスして過ごしてくださいね。
経過に問題がなければ体を適度に動かし、お産に向けて準備を整えておきましょう。
出産は新しい命との大切な出会いの瞬間です。前向きな気持ちでその日を迎えてください。
- 初産は出産予定日よりも遅れる場合が多いが、はっきりとした根拠はない
- 出産予定日はあくまで目安。予定日より遅れて出産するケースも少なくない
- 妊娠41週を過ぎても陣痛がこない場合は、分娩誘発を行うことが一般的
- 妊婦健診をしっかりと受けてママと赤ちゃんの状態をチェックしよう
- 焦らず落ち着いて赤ちゃんと会える日を迎えよう
出典
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
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記事の一部では妊娠中の方から寄せられた体験談を紹介しておりますが、個人の実体験に基づいており医学的根拠があるものとは限りません。専門家の見解と異なる意見も含まれるためご注意ください。
掲載情報に基づく判断はユーザーの責任のもと行うこととし、必要に応じて適切な医療機関やかかりつけの病院などに相談・受診してください。