【医師監修】妊娠初期に流産しやすい行動は?早期流産の原因や注意したい行動や習慣
「妊娠がわかるまでお酒を飲んだりタバコを吸っていた」
「太り気味だけどダイエットしたほうがいいの?」
「立ち仕事や外回りの仕事を続けても赤ちゃんは大丈夫?」
妊娠初期を過ごすママは、これまで普通に行ってきたことや今の自分の生活習慣が胎児に影響しないか、流産の原因にならないか不安になってしまうもの。
妊娠初期は流産が起こりやすい時期ですが、流産の原因はママではなく胎児側にあることが多く、実は避けられない流産がほとんどです。
この記事では、妊娠初期の流産の原因や注意したい行動、流産の兆候や症状について解説します。
「妊娠がわかるまでお酒を飲んだりタバコを吸っていた」
「太り気味だけどダイエットしたほうがいいの?」
「立ち仕事や外回りの仕事を続けても赤ちゃんは大丈夫?」
妊娠初期を過ごすママは、これまで普通に行ってきたことや今の自分の生活習慣が胎児に影響しないか、流産の原因にならないか不安になってしまうもの。
妊娠初期は流産が起こりやすい時期ですが、流産の原因はママではなく胎児側にあることが多く、実は避けられない流産がほとんどです。
この記事では、妊娠初期の流産の原因や注意したい行動、流産の兆候や症状について解説します。
妊娠初期に流産しやすい行動はある?
妊娠初期は、自分の行動や過去の習慣が「流産につながるのではないか」と不安になるものですが、ママの仕事や運動、生活習慣が原因で流産することはほとんどありません。
妊娠12週目までの初期に起こる流産は、多くの場合受精卵の染色体異常などが原因です。
また、妊娠前後に飲酒・喫煙をしていたり、運動をしたりしても、極端なものでなければそれが原因で流産につながるということは稀です。
妊娠がわかってからでも行動や習慣を改善すれば問題ないことがほとんどです。
妊娠初期の流産は受精卵の染色体異常が原因
流産の大半は妊娠初期にあたる12週目までに起こり、ほとんどの流産は残念ながら避けられない「染色体異常」が原因です。
一般的に、流産は「22週未満で妊娠を継続できなくなること」と定義されます。
流産の定義
早期流産:妊娠12週未満のもの
後期流産:妊娠12週以降22週未満のもの
流産は妊娠全体の15%で起きており、そのうち85%以上が妊娠12週までの妊娠初期に起こる「早期流産」です。
早期流産のうち、染色体異常が原因となる流産は50%~70%に上ります。
染色体異常は精子や卵子が作られる過程で起きた異常が、受精卵に受け継がれて起こるもので、どのカップルでも起こりうるものです。
流産は「赤ちゃんが欲しい」と願う家庭にとって悲しいことですが、妊娠初期の流産は誰にでも起こる可能性があり、ママやパパが原因ではないことが多い、ということは知っておいてくださいね。
年齢別の初期流産の確率
流産は、ママの年齢が上がるほど起こる確率が高くなります。
海外のデータでは20代の女性が10%程度であるのに対し、40代では50%程度のママが流産を経験するとされています。
男性の精子は生涯を通して新しいものが作られ続けるのに対し、卵子は生まれたときから数が増えないことから、女性の年齢が上がるにつれ卵子で異常が起こりやすくなるためです。
加齢により流産のリスクが高まることから、医学的な妊娠適齢期は「20代」とされています。
初期の流産の主な原因
早期流産のうち、50~70%は染色体異常が原因です。
ここでは、妊娠初期に起こる流産の原因のうち、染色体異常以外の原因を紹介します。
早期流産の原因
子宮筋腫
内分泌代謝異常(糖尿病、甲状腺機能異常、黄体機能不全、多嚢胞性卵巣症候群など)
感染症(風疹、麻疹、おたふくかぜ、劇症型A群レンサ球菌感染など)
絨毛膜下血腫
子宮の収縮や出血
生活習慣(ストレス、喫煙、飲酒、過剰なカフェイン摂取など)
子宮の収縮は流産のリスクを高めるため、体に負担がかかることは避け、出血が見られた場合は医療機関を受診してくださいね。
流産の原因になりうるものだけでなく、関連性が指摘されているものは多岐に渡ります。
なかには病気が原因になることもあるので、体の異常(出血やおりものの異常や生理の遅れなど)や体調不良を感じたら医療機関を受診し、生活習慣で気になる点は改善することを心がけてくださいね。
流産の症状や兆候
流産した場合、次のような症状・兆候があらわれることが多いです。
流産が疑われる症状・兆候
出血
下腹部痛
おなかや胸の張りの消失
つわりの消失
基礎体温の低下
下腹部の冷感
出血は流産の心配がない着床出血のケースもありますが、自己判断は難しく、流産以外の病気が原因のこともあります。
また、症状がない場合でも流産していることもあれば、症状があっても妊娠が継続できることもあります。
不安があるときは早めに医療機関で診てもらいましょう。
妊娠初期に注意が必要な行動や習慣
妊娠初期においては、ママの行動が原因の流産はほとんどありません。
一方で、妊娠中に継続するとおなかの赤ちゃんに影響したり、流産のリスクを高めたりするため、注意が必要な行動や習慣もあります。
いずれも、すぐに流産につながるものではありませんが、流産を経験すると「自分の体や行動に問題があったのでは」と悩んでしまうものです。妊娠を希望する人は、早いうちから注意しておくとよいでしょう。
なかには家族で協力が必要なものもあるので、パートナーとも相談してくださいね。
飲酒・喫煙
飲酒・喫煙は、赤ちゃんにさまざまな影響を及ぼします。妊娠を希望する場合は、妊娠前から禁酒・禁煙を心がけましょう。
飲酒・喫煙がもたらす悪影響
子宮内胎児発育遅延や成長障害
精神遅滞や多動症などの中枢神経障害
特異顔貌、小頭症など頭蓋顔面奇形
心奇形、関節異常などの奇形
アルコールもタバコも、摂取量が多くなればなるほど、赤ちゃんに及ぼす影響が大きくなります。特にタバコは、パパや家族が吸っているタバコの副流煙を吸い込むだけでも1日1本~5本程度の喫煙に相当するとされています。妊娠を希望する場合は、パパ・家族も禁煙に努めてくださいね。
一方で、妊娠のごく初期で妊娠に気づかず飲酒・喫煙をしていても、胎児への影響はないとされているので、妊娠がわかったら禁酒・禁煙に取り組みましょう。
カフェインの摂りすぎ
カフェインの摂りすぎも注意が必要です。カフェインを摂りすぎると、めまいや心拍数の増加、下痢、吐き気といった症状を引き起こします。妊娠中に高濃度のカフェインを摂取すると、赤ちゃんの発育が阻害される可能性があるので、妊娠中はカフェインの摂りすぎに注意しましょう。特に、エナジードリンクはカフェインだけでなく糖分も多いので摂取は控えてくださいね。
WHO(世界保健機関)では、妊娠中のカフェイン摂取量を1日あたり300mg(コーヒーなら3杯~4杯)までにすることを推奨しています。
1日1〜2杯に頻度を減らしたり、デカフェやノンカフェインに切り替えれば妊娠中もコーヒーを楽しめますよ。
体に負担がかかる運動
日本臨床スポーツ医学会は、妊娠初期に激しい運動をした場合、流産率が高くなる可能性を指摘しています。妊娠12週までは、強度のあるトレーニングや長時間の運動など、体に大きな負担のかかる運動は避けましょう。妊娠中の母体・胎児の状態は人により異なります。状態によっては、軽度の運動も避けたほうがいいケースもあるため、運動の量や内容は必ず事前に医師に相談してくださいね。
ストレスの溜めすぎ
ストレスが流産の原因となることもあります。ストレスの溜めすぎはママの心と体にもよくないので、適度に体を動かしたり、趣味に没頭する時間を作ったりしてストレスを発散しましょう。
体調のよいときは、美味しいものを食べたり、映画を観るなど気晴らしができるとよいですね。
偏った食生活による肥満・痩せすぎ
太りすぎや痩せすぎも、胎児の成長に影響し、場合によっては流産しやすくなります。
特に、太りすぎは妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群、流産や早産のリスクを高めます。
一方で、体重が増えたからといって、食事制限などのダイエットは医師から指導がない限りは必要ありません。極端な減量は胎児の発育に悪影響を及ぼすのでやめましょう。
食生活を変えるのは簡単ではありませんので、妊娠前や初期の段階からバランスのよい食事を取り入れていけるとよいですね。
重いものを持つ・立ち仕事
重いものを持ったり、長い時間立っていたりすると、腕や背中だけでなく、お腹(腹筋)にも力が入りますよね。
お腹に力が入ると子宮が収縮し、お腹が張ったり流産のリスクが高まります。
仕事で荷物の積み下ろしや、持ち運ぶような作業が多い人や、接客などで立っている時間が長い人は、職場に相談してみましょう。
コンドームのない性行為・腟内への射精
妊娠中は「避妊の必要がない」ということから、コンドームを使用せずにセックスをしてもよいと思うかもしれません。
しかし、精液に含まれる成分が子宮の収縮を促すことから、流産につながるリスクがあります。
妊娠中や妊娠の可能性がある時期の性行為では、コンドームを使用しましょう。コンドームを正しく使用することは、流産の原因となる感染症(絨毛膜羊膜炎やクラミジア感染症など)の予防にもつながります。
薬やサプリメントの服用
薬の中には、妊娠中は服用を避けたほうがよいものがあります。
痛み止めや胃腸薬、風邪薬など、市販薬でも注意したほうがよいものもあるので、妊娠中の薬やサプリメントの服用は医師や薬剤師に相談しましょう。
注意が必要な薬
睡眠薬
抗凝固薬
ホルモン剤
抗菌薬
抗ウイルス剤
降圧剤
抗高脂血症薬
向精神薬 など
栄養素の摂取目安
ビタミンA:1日あたり18歳~29歳650㎍、30歳~49歳700㎍が目安
ビタミンD:1日あたり8.5㎍が目安
カルシウム:1日あたり650mgが目安
鉄:1日あたり10.5mgが目安
n-3系(オメガ3)脂肪酸(DHA、EPAなど):1.6gが目安
多くの薬やサプリメントは服用を続けても心配ありませんが、種類や量によっては妊娠に影響をおよぼすため過剰摂取に注意しましょう。
栄養素は極力食事から摂取し、サプリメントや薬の服用は、一度かかりつけの医師に相談してみましょう。
妊娠初期の流産は避けられないことが多い!生活習慣に気を配り体を労って過ごそう
妊娠初期の流産は、受精卵の染色体異常などが原因のことがほとんどです。
染色体異常が原因の場合、受精した段階で流産することが決まるため、ママやパパがいくら気をつけても防げないことがあります。
一方で、赤ちゃんの成長のために改善したり、気をつけることができることもあります。妊娠を意識しはじめたら、食事や生活習慣に気を配り、妊娠にむけての生活習慣を見直してみるとよいでしょう。少しでも不安なことがあれば、早めに医療機関を受診し、医師や助産師に相談してみてくださいね。
- 妊娠初期の流産は染色体異常などが原因のことが多い
- 女性の年齢が上がると妊娠初期の流産率が高くなる
- 妊娠初期は妊婦の行動や習慣が原因の流産はほとんどない
- 妊娠を意識したら妊娠にむけた生活習慣を意識しよう
- 不安なことがあれば産婦人科で相談してみよう
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