【医師監修】妊婦は岩盤浴をしても大丈夫?妊娠中に岩盤浴をするリスクや注意点について解説
冷え性だったり妊娠前からの趣味だったり、妊婦さんの中には岩盤浴でしっかり体を温めたいと考えているママもいるでしょう。
しかし妊娠中の岩盤浴は避けたほうが無難です。
この記事では、妊婦が岩盤浴をするリスクや注意点、妊娠初期に妊娠に気づかず岩盤浴に入ってしまった際の影響についても紹介しています。
冷え性だったり妊娠前からの趣味だったり、妊婦さんの中には岩盤浴でしっかり体を温めたいと考えているママもいるでしょう。
しかし妊娠中の岩盤浴は避けたほうが無難です。
この記事では、妊婦が岩盤浴をするリスクや注意点、妊娠初期に妊娠に気づかず岩盤浴に入ってしまった際の影響についても紹介しています。
影響が未確認なので妊婦は岩盤浴を避けたほうがいい
妊婦さんは、岩盤浴を利用するのは避けましょう。
岩盤浴の妊婦さんや胎児の安全性は確立されておらず、よいとも悪いともいえません。
岩盤浴は高温多湿の環境に15〜20分も入ります。のぼせたり足を滑らせるなどのリスクがあることから、体調が不安定な妊娠中に推奨されるものではありません。
岩盤浴の安全性が確認されていないなか、万が一、母体やおなかの赤ちゃんに悪影響があると大変なので、できるだけ利用は避けましょう。どうしても行きたい場合は、必ず事前に医師に相談し、許可を得るようにしてください。
妊娠中の岩盤浴がだめな理由
妊娠中の岩盤浴を避けた方がよい理由は次のとおりです。
のぼせ・立ちくらみなどで転倒する危険性があるから
妊娠中の岩盤浴では、気分が悪くなったりめまいを起こし転倒したりするリスクが通常よりも高くなります。
妊娠中は急激に体内の血流量が増えるため、立ちくらみやめまいが起きやすい状態です。つわりによる食生活の乱れや血液バランスの変化から、妊婦は貧血でふらつきやすいことも転倒の原因になるでしょう。
また、妊娠中に仰向けで寝ていると、心臓に戻る血液が流れる血管を子宮が圧迫してしまい低血圧をきたすため(「仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群」と言います)、気分が悪くなることがあります。
特に、高温の岩盤浴でしばらく横になったあとに立ち上がると、立ちくらみを起こしやすいため注意が必要です。
高温多湿の岩盤浴は床が滑りやすく、おなかが大きいとバランスをとりづらいため、転倒の危険がある岩盤浴は避けたほうがよいでしょう。
脱水症状を起こしやすいから
高温多湿で発汗作用が高い岩盤浴では、たくさんの汗をかきます。
発汗により、体の中の水分だけでなくミネラルも失われてしまうため、脱水症状を起こしやすくなります。
妊娠中は、妊娠前より血液が固まりやすくなっているため、脱水状態になると血栓症や脳梗塞などを引き起こしやすいとされています。
妊娠中は岩盤浴のような過度な発汗が起こる環境は避けたほうがよいと言えます。
感染症にかかるリスクがあるから
妊娠中は抵抗力が落ちるため、妊娠前とくらべ食中毒や感染症にかかりやすくなります。
岩盤浴や温泉で感染症にかかるリスクは一般的には高くありませんが、感染性の皮膚疾患や性感染症などへの感染リスクがゼロではありません。
不特定多数の人が素肌で利用する場所なので、毎回消毒されている、タオルを敷くなど肌が直接触れない環境であるなど、衛生管理がきちんと行われている施設がよいでしょう。
体の温まりすぎが赤ちゃんに影響する可能性があるから
妊娠中に深部体温が39℃を超える高熱は、妊娠初期は赤ちゃんの脳や脊髄の発達に影響を及ぼす可能性があり、後期では切迫早産のリスクを高めると指摘されています。
胎児奇形や妊娠合併症を引き起こすリスクがあることから、妊娠中の高熱には危険が伴います。
しかし、運動や入浴、サウナでは、深部体温が39℃を超えた女性はおらず、サウナでは危険なレベルでの体温上昇はないとする調査・見解もあります。。
岩盤浴は一時的な体温上昇なため、直ちに胎児に悪影響を及ぼす可能性は高くないかもしれませんが、体調が不安定な妊娠中にあえて行く場所ではないといえるでしょう。
妊娠初期に岩盤浴に行ってしまった!赤ちゃんへの影響は?
妊娠初期に妊娠に気づかずに岩盤浴に行ってしまっても、過度に心配する必要はないでしょう。
岩盤浴による体温上昇は感染症などによる発熱とは異なり一時的なものです。ただちに流産や早産などの影響が出るとはいえません。
その後の経過に問題がなければ、胎児奇形や障害が残るリスクも高くないと考えられます。
しかし、妊婦さんの岩盤浴利用に関してはまだ詳しくわかっていないことが多く、確実に影響があるともないともいい切れないのが現状です。
心配な場合は、妊婦健診の際に医師に相談してみてくださいね。
妊娠中に岩盤浴をしたくなったときは?
妊娠中にリフレッシュしたくなったら、岩盤浴の代わりに足湯や温泉で体を温めましょう。
足湯なら自宅で手軽にでき、入浴剤を入れてさまざまな香りを楽しむこともできます。温泉に入る際は、熱すぎないお湯に短時間だけ入ることを心がけましょう。
岩盤浴と同じように、高温多湿のサウナは体に負担がかかるので避けてくださいね。
ですが、深部体温が上昇することによる赤ちゃんの脳や脊髄への影響や仰向けで寝ることによるリスク、脱水に伴う血管内の変化(血栓症など)、起き上がった時の転倒のリスク、衛生面での懸念など、ネガティブな要素も少なくありません。十分なデータに裏打ちされた結論こそ見つかりませんが、これらのリスクを上回るメリットがなければ見合わせる方が無難でしょう。
妊娠中の岩盤浴に関するアンケート
ここでは、先輩ママ100名を対象にした「妊娠中の岩盤浴に関するアンケート」の結果をご紹介します。
もしかしたらヒントになる意見があるかもしれませんね。
「妊娠中に岩盤浴にいきましたか」という質問に対して、「行った」と回答した人はわずか3名。いずれも妊娠初期で、2名は「妊娠に気づかずに行った」と回答しました。
また、妊娠中はおなかが出ている状態での入浴を避けていた、胎児への悪影響が心配だから岩盤浴は控えていた、といった声が多くみられました。
妊娠中に岩盤浴にいきましたか
妊娠初期に行った:3人
妊娠中期に行った:0人
妊娠後期に行った:0人
妊娠中は行かなかった:97人
※複数回答あり
ゆあさん/30代/専業主婦/関東地方在住/子ども3人のママ
ユメさん/20代/会社員(正社員)/近畿地方在住/子ども1人のママ
ももさん/40代/会社員(正社員)/関東地方在住/子ども1人のママ
まぁさん/40代/専業主婦/九州・沖縄地方在住/子ども2人のママ
Mililyさん/30代/専業主婦/関東地方在住/子ども2人のママ
ゆうさん/30代/専業主婦/北海道在住/子ども1人のママ
ちぃさん/40代/会社員(正社員)/東北地方在住/子ども2人のママ
みみさん/30代/専業主婦/北海道在住/子ども1人のママ
ももじゅさん/40代/専業主婦/近畿地方在住/子ども2人のママ
りーさん/30代/専業主婦/近畿地方在住/子ども2人のママ
妊娠中の岩盤浴に関するよくある質問
ここでは妊娠中の岩盤浴や入浴に関するよくある疑問をご紹介します。気になる点を解消しましょう!
妊娠中はサウナに入っても大丈夫ですか?
岩盤浴同様に安全性が確立されていないため避けましょう
サウナも岩盤浴と同様、妊婦や胎児への影響については科学的根拠が乏しく、安全性は確立されていません。のぼせてふらついたり、転倒のリスクがあるため、妊娠中はサウナの利用は避けた方がよいでしょう。
妊娠中は温泉に入っても大丈夫ですか?
適度に楽しむなら問題ありませんが成分には注意してください
のぼせたり転倒に注意すれば、基本的に温泉に入浴することは問題ありません。妊娠中は肌が敏感になるため、刺激が強い泉質は避けたほうがよいでしょう。
妊娠中は岩盤浴は我慢しよう!足湯や温泉でリフレッシュを
妊娠中の冷えを和らげるために岩盤浴に行きたいと考えているママもいるかもしれませんね。
しかし、岩盤浴による妊婦さんや赤ちゃんへの影響はまだ詳しくわかっていないので、妊娠中の利用は避けたほうが無難です。その代わり、足湯や温泉で体をじんわり温めましょう。妊娠中の冷えを和らげて、毎日元気に過ごせるとよいですね。
- 妊娠中は岩盤浴を利用しないほうがよい
- 赤ちゃんへの影響はまだ詳しくわかっていない
- どうしても行きたい場合は、事前に医師に許可を得よう
- 岩盤浴の代わりに足湯や温泉などで体を温めて
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
本記事は妊娠中の方への情報提供を目的としており、診療を目的としておりません。
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