妊婦健診の血液検査はいつやる?結果がわかるタイミングや検査をする理由も解説!
妊婦健診では、超音波検査や尿検査などに加えて、血液検査も行われます。
「血液検査で何を調べているの?」「何回検査を受ける必要があるの?」「いつ結果がわかるの?」と疑問や不安を感じているママもいるでしょう。
妊婦健診では、最低3回血液検査を行うよう決められています。
この記事では検査を行う理由や検査内容、検査を受ける際の注意点などを解説するので、妊婦健診の血液検査に不安がある人は参考にしてみてくださいね。
妊婦健診では、超音波検査や尿検査などに加えて、血液検査も行われます。
「血液検査で何を調べているの?」「何回検査を受ける必要があるの?」「いつ結果がわかるの?」と疑問や不安を感じているママもいるでしょう。
妊婦健診では、最低3回血液検査を行うよう決められています。
この記事では検査を行う理由や検査内容、検査を受ける際の注意点などを解説するので、妊婦健診の血液検査に不安がある人は参考にしてみてくださいね。
妊婦健診の血液検査はいつやるの?
血液検査は、妊娠初期・中期・後期に1回ずつ行われます。
検査を行うタイミングは病院によって異なります。
目安として、1回目の血液検査を行うのは妊娠初期(3ヶ月頃まで)、2回目は妊娠27週前後、3回目は妊娠35週前後です。
妊婦健診の血液検査結果はいつわかる?
妊婦健診で行う血液検査の結果は、後日伝えられることがほとんどです。
大きな病院であれば1時間程度で結果が出ますが、一般的なクリニック・診療所では1~2週間程度かかることが少なくありません。
結果がいつわかるかは病院によって異なるので、医師や看護師に聞いておくとよいでしょう。
検査結果に異常があった場合は、病院から連絡があり再検査や精密検査をすることがあります。
感染症の疑いがある場合は、追加検査や時間をおいてから再検査をするケースもあります。
また、血糖値が高かったり、貧血の疑いがあったりした場合は、妊婦健診の間隔を短くしたり、治療や入院をしたりすることもあるでしょう。
妊婦健診で血液検査を行う理由
妊婦健診で血液検査を行う目的は、妊娠の経過が正常か、合併症を起こしていないかを確認することです。
感染症にかかると胎児に感染したりパートナーに影響をおよぼしたりするので、その予防のために大切な検査といえます。
血液検査では、貧血や高血糖などが起きていないかを調べられます。
貧血を起こしていると出産時に血が止まらなくなったり、血圧低下を防ぐための薬が効かなかったりする可能性があります。また、高血糖だと流産・早産などのリスクが高くなるでしょう。
血液検査で貧血や高血糖などの異常に早く気づくことにより、早期に適切な対処ができます。血液検査は、無事に出産を迎えるために欠かせない検査です。
妊娠初期の血液検査内容
ここからは、妊娠初期に行う血液検査の検査内容を解説します。
血液型
血液検査では、A・B・AB・Oといった血液型だけでなく、Rh+・Rh-などの「Rh血液型」も調べます。
これは、分娩時に大量出血して輸血が必要になった場合に備えるためと、血液型不適合妊娠が起きていないかを調べるためです。血液型不適合妊娠とは、赤ちゃんとママの血液型が違うために問題が起きる妊娠を指します。
血液型不適合妊娠になると、ママの抗体が赤ちゃんを敵とみなして攻撃してしまいます。流産・早産・死産などのリスクが高くなるため、適切な治療が必要です。
不規則抗体
不規則抗体とは血液中に含まれる抗体で、赤ちゃんとママの血液型が異なる際にママの体の中で作られるものです。
不規則抗体は、胎盤を通じて赤ちゃんの体の中に入り込み、赤ちゃんの赤血球を攻撃して壊してしまいます。
悪化すると「胎児・新生児溶血性疾患(HDFN)」という病気になってしまうことがあるため、不規則抗体の有無を調べることで病気の早期発見に努めているのです。
貧血
血液中に含まれるヘモグロビンの量を測定して、貧血の有無を調べます。
妊娠中は、体内の血流量が妊娠していないときに比べて45~50%程度増加する一方、赤血球は30%程度しか増えません。そのため、相対的に血液が薄くなって、貧血になりやすいといわれています。
赤血球には、赤ちゃんに酸素を送るという重要な役割があります。貧血を放っておくと赤ちゃんの発育や出産に影響が出ることがあるため、血液検査で貧血の有無を確認することはとても大切です。
血糖値
血液中に含まれるブドウ糖の値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という値を調べることで、妊娠糖尿病の疑いがあるかどうかがわかります。
妊娠糖尿病になると、出産時の危険が高まるほか、赤ちゃんの発育にも影響が出やすくなります。
1回の血液検査で血糖値が異常になっても、それだけで妊娠糖尿病とは診断できないため、後日OGTT(ブドウ糖負荷試験)などの検査を追加で行うのが一般的です。
感染症検査
妊娠初期の血液検査では、感染症の有無も調べます。主な感染症を解説します。
B型肝炎
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することで発症する肝臓の病気で、妊婦さんが感染していると、赤ちゃんが生まれるときやその後の成長過程で感染する可能性があります。
B型肝炎になると肝臓の機能に障害が起きたり、肝臓がんになるリスクが高くなったりするため、予防が欠かせません。
また、感染していることが早期にわかれば、赤ちゃんが生まれたあとに肝炎ワクチンを適切に接種できるので、赤ちゃんへの感染を防げますよ。
血液検査でHBs抗原(HBsAg)の有無を調べることで、B型肝炎に感染していないかどうかがわかります。
C型肝炎
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで発症する肝臓の病気です。
妊婦さんが感染していると、赤ちゃんもC型肝炎になってしまうことがあります。
B型肝炎のようにワクチンはありませんが、適切な処置をすることで赤ちゃんへの感染を予防できますよ。
C型肝炎もB型肝炎と同様、感染に気づかないままでいると肝硬変や肝臓がんに進行する場合があるので、検査をきちんと受けましょう。
HCV抗体の有無を調べることで、C型肝炎に感染している、もしくは感染力の強さを確認できます。
AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)
AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染することで発症する病気です。
適切な治療を受けないと免疫機能が低下し、感染症やがんにかかりやすくなります。ママが感染していると、赤ちゃんもHIVに感染してしまいます。
ヒト免疫不全ウイルスに感染しているかどうかは、HIV抗体の有無を調べるとわかります。
妊娠時の検査は一次スクリーニング検査なので、陽性が出たからといって必ず感染しているとは限りません。陽性や偽陽性が出た場合は、必ず二次検査を受けましょう。
万が一、ママの感染がわかった場合は、妊娠中から治療を始める必要があるので、すぐに専門病院を受診してください。
近年は、治療をきちんと受けて母子感染予防対策を行えば、ママから赤ちゃんへの感染率を0.5%以下に抑えられるようになってきました。
適切な治療を受けて、赤ちゃんやパートナーへの感染を防ぐようにしましょう。
梅毒
梅毒は性感染症の一種で、できものやしこり、ただれ、発疹などの症状が現れます。何年もかけて症状が進行していくのが特徴です。
初期の症状は数週間から数ヶ月で消えますが、数年後に心臓や血管、神経に異常が出てきたり、赤ちゃんにも感染して後遺症(先天梅毒)が出てしまったりします。
梅毒に感染しているかどうかは「梅毒血清反応(Wa-R)」を調べることでわかります。血液検査では「RPR」や「TPLA」といった項目で示されます。
風疹
風疹は、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどを伴う感染症です。妊娠中に感染すると、生まれてくる赤ちゃんの耳・目・心臓などに障害がみられる可能性があります。
血液検査では、風疹ウイルスに対する抗体の量を測定します。検査結果は「16倍」「32倍」などの数値で表されます。16倍以下の場合は風疹抗体がないか弱い状態なので、感染しないようにより一層注意しなければなりません。
風疹ワクチンは、妊娠中は接種を控えなければならないので、産後または妊娠する3ヶ月前までに接種を済ませておきましょう。授乳中に接種しても問題ありませんよ。
トキソプラズマ
トキソプラズマ症とは、トキソプラズマという寄生虫によって引き起こされる感染症です。妊娠中の女性がトキソプラズマに感染すると、死産や流産のリスクが高まったり、赤ちゃんに障害が起こったりするおそれがあります。
血液検査を行うことで、トキソプラズマに対する免疫があるかを調べられます。
しかし、日本の女性の多くはトキソプラズマに感染したことがなく免疫を持っていないので、検査を行わない医療機関も少なくありません。検査を希望する場合は医師に相談しましょう。
サイトメガロウィルス
サイトメガロウイルスとは、サイトメガロウイルス感染症を引き起こすウイルスです。妊娠中に感染すると、流産・死産につながったり、赤ちゃんが障害を持って生まれてきたりすることがあります。
ほとんどの人はすでに免疫を獲得しているため、希望する場合または医療機関が必要と判断した場合以外は、血液検査の項目には含まれません。
血算(けっさん)
血算とは全血球計算の略称で、血液中の赤血球や白血球、血小板の数や大きさを調べることです。
血算を調べた結果、白血球数が極端に多い場合は細菌感染が、赤血球数が少ない場合は貧血が疑われます。
甲状腺機能
甲状腺機能は、TSH FT4というホルモンの値でチェックします。
甲状腺ホルモンの値に異常があると、妊娠や胎児の発育に影響が出たり、流産・早産のリスクにつながったりすることがあるため、必要に応じて薬を服用するなどの治療が必要です。
成人T細胞性白血病(ATL)
成人T細胞白血病(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV−1)に感染することで引き起こされる、血液のがんの一種です。
母乳を介して赤ちゃんに感染することがありますが、工乳や凍結母乳にすることで赤ちゃんへの感染を防ぐことができます。
HTLV-1感染者の多くは無症状ですが、感染すると命にかかわるので検査をしっかりと受けることが大切です。
妊婦健診では、血液中にHTLV-1に対する抗体があるかどうかを調べます。
妊娠中期・後期の血液検査の内容
妊娠中期(妊娠27週前後)と妊娠後期(妊娠36週頃)の血液検査では、次の項目を検査します。帝王切開になる場合は、検査項目が増えることがあります。
血液一般検査
貧血や血糖値、血算、総コレステロール値を調べます。健康診断などで行われている血液検査とほぼ同じ項目です。
肝機能検査
肝臓の機能が低下していないかどうかも、血液検査で分かります。GOTやGPTといった項目が肝臓に関する項目です。
肝炎や急性妊婦脂肪肝、HELLP症候群(妊娠後半から発症しやすい、全身の臓器にダメージを与える病気)の有無が調べられます。
凝固検査
APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)やPT(プロトロンビン時間)を調べることで、血液の固まりやすさ・止血しやすさを確認します。凝固検査の結果に異常がある場合は、分娩前後に抗凝固療法を行なったり、輸血を用意したりしなければならないことがあります。
血液検査を受ける際の注意点
血液検査を受ける際は、食事や水分の摂り方に気をつけましょう。
血液検査の結果のなかでも血糖や中性脂肪などの値は、食事や水分の影響を受けやすいものです。
食事の直後は正確な結果が得られないこともあるため、医師の指示を守って、検査前の決められた時間までに食事を済ませておきましょう。
妊婦健診の血液検査費用は高い?
妊婦健診の検査費用は、住んでいる自治体から一部助成されます。
母子手帳と一緒に渡される補助券を病院の窓口に提示すれば助成を受けられるので、忘れずに持参しましょう。
ただし、健診の結果に異常があり再検査が必要になった場合や、検査項目が多い場合は追加で費用がかかることがあります。追加の検査に補助券を利用できるかは自治体により異なるので、詳しくは自治体の窓口に問い合わせてみてください。
血液検査は初期・中期・後期で1回ずつ!結果は後日伝えられることが多い
妊婦健診の血液検査は、妊娠初期・中期・後期にそれぞれ1回ずつ行います。検査のタイミングは医療機関によって異なりますが、おおむね妊娠3ヶ月頃まで・妊娠27週前後・妊娠36週前後です。血液検査を受けることで貧血の有無や血糖値のほか、感染症の有無もわかります。無事に出産を迎えるために欠かせない検査なので、しっかり受けてくださいね。
- 妊婦健診の血液検査は全3回
- 結果は後日知らされることが多い
- 合併症や異常の早期発見に役立つ
- 食事や水分摂取は決められた時間までに済ませよう
- 妊婦健診の費用の一部は自治体からの助成が受けられる!
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