【医師監修】胎嚢はいつごろ確認できる?役割や確認のしかたを解説!
妊娠がわかったものの、検査をしたら「胎嚢が確認できない」と言われて不安になっていませんか?また「胎嚢って何?」と疑問に感じている人もいるでしょう。この記事では、胎嚢ができる時期や大きさのほか、その役割や胎嚢が確認できない場合に考えられる原因なども解説します。
妊娠がわかったものの、検査をしたら「胎嚢が確認できない」と言われて不安になっていませんか?また「胎嚢って何?」と疑問に感じている人もいるでしょう。この記事では、胎嚢ができる時期や大きさのほか、その役割や胎嚢が確認できない場合に考えられる原因なども解説します。
胎嚢とは?
胎嚢とは、受精卵が着床して胎盤が作られる途中でできる、赤ちゃんを包む袋のようなものです。
子宮内に胎嚢が確認できるのは、胎嚢が2mmぐらいの大きさになる妊娠4週後半ごろとされています。
妊娠5週ごろまでは毎日1mmずつ大きくなっていくので、多くの場合妊娠6週頃までには確認できます。
胎嚢の確認は、正常に妊娠していることを確定する条件の1つです。
そのため、産婦人科では初診で胎嚢の有無などを確認します。
妊娠確定の3条件
胎嚢の確認
胎芽(赤ちゃん)の確認
心拍の確認
胎嚢の確認方法
胎嚢は、超音波検査で確認できます。
超音波検査は、「プローブ」と呼ばれる超音波を発する機械を膣内に入れて体の中を調べる検査です。
超音波を当てると液体部分は黒く、固体部分は白く映ります。
子宮の中に胎嚢がある場合、胎嚢のなかには羊水のもとが入っているため、黒い円または楕円形に映ります。
胎嚢の成長の様子と大きさ
ここからは、胎嚢の成長の様子を大きさを解説します。
妊娠5週ごろの様子と大きさ
妊娠5週ごろの胎嚢の大きさは、1cm程度です。
超音波検査では、黒い丸の姿で映ります。
黒い丸のなかに、赤ちゃんの栄養源である「卵黄嚢(らんおうのう)」が白いリングのような形で現れることもあります。
妊娠6週頃の様子と大きさ
妊娠6週頃になると、胎嚢は1.5~2cm程度にまで大きくなります。
早ければ妊娠5週末ごろから「胎芽(たいが)」と呼ばれる小さな赤ちゃんの姿が確認できるでしょう。
胎芽が確認できると、赤ちゃんの心拍も確認できるようになります。赤ちゃんの心臓は、超音波検査で拍動に合わせて点滅している点のように見えます。
妊娠7週頃の様子と大きさ
妊娠7週頃になると、胎嚢は2~4cm程度にまで大きくなります。
胎嚢のなかには、2頭身の赤ちゃんの姿も確認できるでしょう。
このときの赤ちゃんの大きさは1cm程度。超音波を当てると、よりはっきりと拍動している様子がわかります。
妊娠8~9週頃の様子と大きさ
妊娠8~9週頃になると、胎嚢は4~5cm程度になります。
胎嚢の中の赤ちゃんはとうもろこしの粒ぐらいの大きさになり、頭と胴がわかれ、手足ができ始めているのも確認できるでしょう。
9週頃になると赤ちゃんは2cm程度になり、検査のタイミングによっては体をもぞもぞと動かす様子が見られるかもしれません。
胎嚢の大きさには個人差がある
妊娠週数ごとの胎嚢の大きさには個人差があります。また、確認できるようになるタイミングも人それぞれです。妊娠5週ごろに受診して「胎嚢が確認できません」と言われても、次の週に検査をしたらしっかり確認できることもあります。あまり心配し過ぎず、不安なことがあればその都度医師に相談しましょう。
胎嚢が確認できない場合に考えられる原因
ここからは、胎嚢が確認できない場合に考えられる原因を解説します。
病院を受診するタイミングが早すぎた
胎嚢が確認できない場合、産婦人科を受診するタイミングが早すぎたのかもしれません。
胎嚢が確認できるようになるのは、妊娠4週目の後半ごろからです。
妊娠検査薬が陽性になるのが3週後半ごろからなので、検査結果が陽性だったからとすぐに受診しても胎嚢が確認できないことがあります。
その場合は、医師と相談して後日改めて超音波検査を受けるとよいでしょう。
妊娠週数の数え方
妊娠週数は、妊娠前最後の生理開始日を0週0日として計算します。受精や着床のタイミングを正確に把握するのが難しいので、生理開始日を基準とするのが一般的です。
流産してしまった
妊娠検査薬が陽性になって受診しても胎嚢が確認できない場合、受診前に流産してしまったのかもしれません。これを化学流産といいます。
妊娠検査薬は、尿のなかに出てくるhCGというホルモンに反応します。hCGは着床すると分泌され、流産してもしばらく体の中に残ります。そのため、すでに流産をしていても陽性が出ることがあるのです。
化学流産の原因はまだ解明されていませんが、多くは受精卵の染色体異常によるものと考えられています。
異所性妊娠(子宮外妊娠)で妊娠している
子宮ではない場所に受精卵が着床している場合も、胎嚢が確認できません。
子宮外で着床する場所はさまざまですが、卵管に着床することが多いとされています。
妊娠したかも?と思ったら心がけたいこと
妊娠したかも?と思ったら、ママと赤ちゃんが健やかに過ごすために次のことを心がけましょう。
体調の変化に気を配る
妊娠すると、つわりをはじめとした体調不良が起こりやすくなります。
体調の変化に気を配り、くれぐれも無理はしないようにしましょう。
特に注意したいのが出血です。出血があった場合は流産の可能性があるので、病院を早めに受診しましょう。
自己判断で薬を服用しない
薬やサプリメントのなかには、赤ちゃんに影響を及ぼす成分が含まれているものがあります。
ドラッグストアやコンビニで購入する際は自己判断で購入せず、かならず事前に医師や薬剤師に相談してから購入・服用しましょう。
一方で、持病の治療などで服用していた薬は自己判断でやめないようにしましょう。
病気の悪化やそれに伴う胎児への悪影響などが考えられるため、まずはかかりつけ医に相談してください。
禁煙・禁酒する
アルコールやタバコは、赤ちゃんに悪い影響を及ぼすことがわかっています。
妊娠を希望し始めたときから、または妊娠したかも?と思ったときから、すぐに禁酒・禁煙をしましょう。
タバコは、副流煙も赤ちゃんに害を及ぼすとされているので、家族も禁煙することが大切です。
病院を受診する際は妊娠の可能性を忘れずに伝える
病院では、放射線を使ったレントゲン検査なども行うことがあります。レントゲン検査で浴びる放射線の量はごくわずかで赤ちゃんに影響はないとされていますが、妊娠している可能性がある場合は忘れずにその旨を医師に伝えましょう。
車の運転はできるだけ控える
妊娠すると、ホルモンの影響で突然気分が悪くなったり、めまいがしたりしやすくなります。
判断力も下がりやすくなるので、安全のために車の運転はできるだけ控えましょう。
満員電車などの人混みを避ける
満員電車などの人混みを避けることも重要です。
妊娠中は免疫機能が低下するため、人混みにいると風疹・麻疹などの感染症にかかりやすくなります。
通勤などで電車に乗る場合は、ラッシュの時間帯を避けて通勤できないか職場に相談しましょう。
葉酸を積極的に摂る
ビタミンBの一種である葉酸は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを下げる効果があるとされています。
妊娠1ヶ月以上前から3ヶ月頃までは積極的に葉酸を摂りましょう。
妊娠4週頃には、赤ちゃんの体の器官が作られはじめるので、その前から普通の食事に加えて1日0.4mgを目安に葉酸を摂れるとよいですね。
葉酸を豊富に含む食品
ほうれん草
ブロッコリー
アスパラガス
枝豆
アボカド
いちご
マンゴー
豆乳
納豆
レバー
胎嚢は赤ちゃんのお部屋!確認できる時期には個人差がある
胎嚢は、赤ちゃんを包む袋のようなものです。早ければ妊娠4週後半ごろから超音波検査で確認できます。
胎嚢が確認できる時期や大きさには個人差があるため、妊娠4週後半で確認できなくてもあまり心配し過ぎないでください。
正常に妊娠していれば、妊娠6週頃までには確認できるようになりますよ。「妊娠したかも?」と思ったら体調に気を配り、くれぐれも無理をしないようにしましょう。
- 胎嚢は赤ちゃんを包む袋のようなもの
- 早ければ妊娠4週後半ごろから超音波検査で確認できる
- 確認できる時期や大きさには個人差がある
- 妊娠6週を過ぎても確認できない場合は流産や子宮外妊娠の可能性も
- 妊娠検査薬が陽性になったら1週間後を目安に受診してみよう
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
本記事は妊娠中の方への情報提供を目的としており、診療を目的としておりません。
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