妊娠中に痒みが増す原因は?対処法はある?皮膚の痒みがひどい場合の病院受診の目安も解説!
痒みは妊婦さんを長く悩ませる症状のひとつです。妊娠によって体がさまざまに変化するなか、長引く痒みはストレスのもとになります。
この記事では、妊娠中の痒みの原因・対処法・注意点などを詳しく解説。「お腹の赤ちゃんへの影響は?」「出産後には改善するの?」など、気になる疑問もピックアップします。
痒みで悩んでいる妊婦さんはぜひ参考にしてください。
痒みは妊婦さんを長く悩ませる症状のひとつです。妊娠によって体がさまざまに変化するなか、長引く痒みはストレスのもとになります。
この記事では、妊娠中の痒みの原因・対処法・注意点などを詳しく解説。「お腹の赤ちゃんへの影響は?」「出産後には改善するの?」など、気になる疑問もピックアップします。
痒みで悩んでいる妊婦さんはぜひ参考にしてください。
妊娠中に肌が痒くなるのはなぜ?
妊娠中に肌が痒くなるのは、ホルモンの変化や皮膚の乾燥が原因だと考えられています。
妊娠前後でホルモンバランスが変わったり、おなかや胸が大きくなって皮膚が伸びたりすることで肌が乾燥しやすくなるのです。
症状のパターンや妊娠週数などによって痒みの度合いはさまざま。そのままにしておくと長引いてしまう場合もあるため注意が必要です。
妊娠中に痒みが出やすい部位
妊娠中は体のいろいろな部位に痒みが出やすくなります。部位によっては早めの受診が必要な場合もあるので、注意しましょう。
おなか・おしり
妊娠中に痒みが出やすいのが、おなかやおしり。
おなかやおしりは妊娠週数が進むにつれ大きくなります。それに伴い皮膚が伸びるため、乾燥して痒みを感じやすくなるのです。
また、乾燥で皮膚がかたくなり、妊娠線と呼ばれるひび割れのような見た目の症状が出ることも。
この妊娠線にも痒みが生じることがあります。
胸・乳首
胸や乳首も痒みが出やすい部位です。
妊娠すると体の中で母乳を作る準備が始まり、乳腺が発達するため、胸や乳首が大きくなります。
おなかやおしり同様、大きくなった胸は乾燥し敏感になるため、痒みを感じることがあるのです。
腕・足
妊娠中は腕や足などに痒みが出る人もいます。
発疹が出たり、腕や脚だけでなく体全体に強い痒みを感じたりする場合は、皮膚の病気にかかっている可能性も。
我慢せず皮膚科などを早めに受診しましょう。
腟・尿道
腟や尿道に痒みが出ることもあります。
これはホルモンバランスの変化により、体内にもとからある細菌が異常繁殖することが原因です。腟や尿道などのデリケートな部位は、特に清潔にしておくことが大切ですよ。
痒みが長引く場合はカンジダ腟炎などの病気にかかっている可能性があるので、早めに医療機関に相談しましょう。
肛門
肛門に痒みが出るパターンもあります。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化で腸の働きが鈍ったり運動不足になったりするので、便秘や痔になりがちです。
便秘や痔になると、肛門まわりの血液の流れが悪くなったり炎症が起きたりするため、痒みを感じることがあります。
妊娠中の痒みを和らげる方法は?
ここでは妊娠中の痒みを和らげる方法を紹介します。
手軽にできるものばかりなので、軽い痒みを感じたらまずはやってみてください。
肌を清潔に保つ
痒みを和らげるには、肌を清潔に保つことが大切です。
妊娠中は汗をかく量が増えるため、そのままにしておくと痒みの原因になります。
特に夏場は、こまめにシャワーを浴びる・顔を洗う・ウォシュレットを活用するなどして、汗や汚れを放置しないよう心がけましょう。
保湿する
こまめな保湿も妊娠中の痒みを和らげる方法のひとつ。
乾燥は痒みの主な原因でもあるため、保湿やスキンケアを習慣づけることが大切です。
妊婦さんが全身に使える保湿クリームや、妊娠線対策用の保湿剤を使うとよいでしょう。
バランスのよい食事を取る
毎日の食生活は肌荒れや便秘とも関連深く、痒みを和らげることにもつながります。
バランスよく食べることや食物繊維をたっぷり摂ることなどを心がけ、栄養が不足しないようにしましょう。
つわりなどで体調が優れない場合は、無理をせず食べられるものを食べてください。
冷やす
痒いところを冷やす方法も効果的です。保冷剤や冷たいタオルを当てると一時的に痒みが和らぎます。
掻きたくなってしまったときは、冷やした上から軽く叩くのもおすすめ。掻きむしってしまう前に、まずは冷やしてみましょう。
保冷剤などを長く当てていると体が冷えてしまうので、応急処置として適度に取り入れてください。
病院を受診する
痒みが強い場合や腟・肛門などのデリケートなところに痒みを感じた場合は、皮膚科やかかりつけの産婦人科で相談しましょう。
強い痒みはストレスや睡眠不足につながるだけでなく、病気のサインである場合もあります。
病院では妊娠週数や症状に応じて、抗ヒスタミン薬・ステロイド外用薬・抗アレルギー薬などを処方してもらえることがあります。
痒みがひどいときは早めに医療機関を受診してください。
妊娠中に痒みが出たときの注意点
妊娠中に痒みが出たときは、掻きむしらないように注意してください。掻いてしまうと治りづらくなり、痕が残ってしまうことがあります。
軽い症状であれば市販の塗り薬を使えますが、妊娠週数などによっては体に影響が出てしまう可能性も。
薬を使用する際は、必ずかかりつけの産婦人科に相談しましょう。
妊娠中に起こりやすい痒みを伴う疾患
ここでは、妊娠中に起こりやすい、痒みを伴う疾患をピックアップし、それぞれの主な特徴・原因・治療法・赤ちゃんへの影響などを解説します。
妊娠性掻痒
「妊娠性掻痒(にんしんせいそうよう)」とは、妊娠初期から後期にかけて痒みの症状がでる疾患で、2〜5%程度の妊婦さんに見られます。
乾燥が主な原因と考えられており、体全体が痒くなることもありますが発疹などは出ません。
お腹の赤ちゃんへの影響はなく、出産後に症状が治まることがほとんどです。
妊娠性痒疹
「妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)」とは、妊娠初期から中期頃に見られる、発疹を伴う痒みが出る疾患です。経産婦のほうが発症しやすいといわれています。
腕や足などに痒みを感じることが多く、赤みのあるブツブツとした発疹が特徴的。
強い痒みを感じることもあり、掻きむしると痕が残ってしまうため、早めの受診がおすすめです。病院では保湿クリームやステロイド外用薬などが処方されます。
お腹の赤ちゃんへの影響はなく、ほとんどの場合、出産後には症状が治まります。
妊娠性掻痒性じんま疹様丘疹
「妊娠性掻痒性じんましん様丘疹(にんしんせいそうようせいじんましんようきゅうしん)」とは、妊娠後期に起こる、発疹を伴う痒みの出る疾患です。
発症するのは300人に1人程度とまれで、そのなかでも初産婦さんや双子以上の赤ちゃんを妊娠している人の発症率が高くなっています。
少し膨らんだ赤いじんましんが、おなかのまわりなどに出ます。強い痒みを感じるのが特徴です。
赤ちゃんへの影響はなく、ほとんどの場合出産後には症状が治まるようです。
妊娠性肝内胆汁うっ滞症
「妊娠性肝内胆汁うっ滞症(にんしんせいかんないたんじゅううったいしょう)」とは、妊娠後期に見られる疾患のひとつです。ホルモンバランスの変化によって胆汁の流れが悪くなり、分泌障害を起こします。
発疹がないためほかの疾患と区別しづらいですが、手や足の裏に強い痒みを伴ったり、尿の色が変化したりすることがこの疾患の特徴です。
病院では内服薬が処方されることもあります。早産など、赤ちゃんに影響する場合もあるため、異変を感じたらすぐに受診しましょう。
妊娠中はアトピー症状が悪化することも
アトピー性皮膚炎の症状がある人は、妊娠中に悪化する可能性があります。
ホルモンバランスの変化・ストレス・発汗量の増加などが原因とされているようです。
悪化を防ぐために、以下のことを心がけましょう。
妊娠中のアトピー症状悪化を予防するには
肌を清潔に保ち適度に保湿する
ストレスを減らす
バランスのよい食事を摂る
良質な睡眠や適度な運動を心がける
注意が必要な妊娠中の痒みとは?
我慢できないような強い痒みを感じる場合は、早めに医療機関を受診してください。
強い痒みはストレスや睡眠不足につながるだけでなく、病気のサインである可能性もあるからです。
痒みを伴うほかの症状(関節痛・発熱など)がある場合も、すぐにかかりつけの産婦人科を受診してください。
軽い痒みであっても、気になる症状がある場合は我慢せずに相談してみましょう。
妊娠中の痒みに関するよくある質問
ここでは妊娠中の痒みについて、よくある2つの質問をピックアップしました。
保湿剤の塗りすぎは皮膚によくない?
保湿剤はたっぷり塗って大丈夫
保湿剤は乾燥が気になる部位にたっぷりと塗りましょう。少量を無理に広げようとすると、肌が擦れて余計に刺激を与えてしまう場合があります。妊娠中は肌や嗅覚が敏感になるため、気になる人は無添加や無香料の保湿剤を選ぶのがおすすめ。匂いが気にならないなら、好きな香りを選ぶとリラックス効果が高まります。アレルギーのある人は使用前に病院でチェックしてもらうと安心ですよ。
夜に痒みがひどくなるのはなぜ?
妊娠性痒疹の可能性があります
夜間に痒みがひどくなるのは「妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)」の特徴のひとつです。寝ている間に掻きむしると痕が残ったり、症状が長引いてしまったりすることも。睡眠を妨げるほどの強い痒みがある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
妊娠中は痒みが出やすい!痒みがひどい場合は病院を受診しよう
妊娠中の痒みはホルモンバランスの変化や乾燥などが主な原因です。
肌を清潔に保ったりこまめに保湿したりと、日常的なケアを心がけましょう。バランスのよい食事や適度な運動で、ストレスをためないことも大切なポイントです。
ただし、強い痒みは病気が原因の可能性もあるので、早めに医療機関を受診してください。
- 妊娠中の痒みはホルモンバランスの変化や肌の乾燥によるもの
- おなかやおしり、腕や腟などに痒みが出やすい
- 痒みの改善には保湿や食事の見直しが効果的
- 痒みが強い場合は病気の可能性も
- 痒みがひどいときは早めに医療機関を受診しよう
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
本サイトでは正確な情報を提供できるよう最善を尽くしておりますが、妊娠期の母体の状態は個々人により異なるためすべての方に適用できるものではございません。
記事の一部では妊娠中の方から寄せられた体験談を紹介しておりますが、個人の実体験に基づいており医学的根拠があるものとは限りません。専門家の見解と異なる意見も含まれるためご注意ください。
掲載情報に基づく判断はユーザーの責任のもと行うこととし、必要に応じて適切な医療機関やかかりつけの病院などに相談・受診してください。
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