妊娠中の耳鳴りは一時的なもの?原因や耳鼻科を受診する目安・治療の必要性を解説
妊娠後に突然耳鳴りが始まった、と悩んでいませんか?
むくみや胸やけなどは妊娠中によく見られる症状ですが、実は妊娠してから耳鳴りに悩まされるようになったという人は意外に多いものです。
この記事では、妊娠中に起こる耳鳴りの原因や病院を受診したほうがよいパターン、対処法などを紹介します。
妊娠後に突然耳鳴りが始まった、と悩んでいませんか?
むくみや胸やけなどは妊娠中によく見られる症状ですが、実は妊娠してから耳鳴りに悩まされるようになったという人は意外に多いものです。
この記事では、妊娠中に起こる耳鳴りの原因や病院を受診したほうがよいパターン、対処法などを紹介します。
妊娠中の耳鳴りが起きやすい理由は?
妊娠中の耳鳴りは多くの妊婦さんが経験する症状ですが、その原因は1つではなく明確な理由はわかっていません。
ここでは、妊娠中に耳鳴りが起こりうる要因について解説します。
ホルモンバランスの変化
妊娠すると、女性の体ではエストロゲンやプロゲステロンなどの分泌量が増加し、ホルモンバランスが大きく変動します。
これらのホルモンは体の水分保持や血流に影響を与え、耳の内部にも変化を及ぼすことがあります。
精神的なストレス
妊娠中は不安やストレスを感じることも少なくありません。
ストレスで自律神経のバランスを崩し、それが耳の聴覚系にも影響を及ぼすことがあります。
精神的な安定を保つことが、耳鳴りの軽減につながります。
血行不良
妊娠中は体内の血液量が増加します。
体内の血液量が増えた状態にくわえ、大きくなった子宮により血行が悪くなりやすい状態です。
血行が悪くなると、体のさまざまな部位に不調が生じるため、耳鳴りを感じることもあります。
耳管開放症
つわりなどによる急激な体重減少で耳管の周りの脂肪が減少し、耳管が常に開いた状態になることで耳鳴りを感じることがあります。
これを耳管開放症といって、声や呼吸などの自分から発した音が直接響くような状態になるのです。
耳管開放症は、肩こりや頭痛をともなうこともあります。
ほとんどの場合、出産後にはこの症状は自然と改善されます。
妊娠中に注意すべき耳鳴りを伴う病気の可能性
耳鳴り自体は一般的には軽い症状ですが、場合によっては深刻な病気がひそんでいることもあります。
特に妊娠中は体にさまざまな変化が起こるので見逃しがちになってしまいます。
ここでは、妊娠中に特に注意が必要な、耳鳴りをともなうことがある病気について説明します。
妊娠高血圧症候群による耳鳴り
妊娠高血圧症候群は、妊娠中に発症する可能性のある病気です。
しっかりと治療を受けていないと、母体と赤ちゃんの両方に大きなリスクを及ぼすことがあります。
妊娠高血圧症候群は、高血圧以外にも、タンパク尿や重度のむくみなどの症状があらわれること多いですが、耳鳴りもその症状の1つです。
妊娠高血圧症候群による耳鳴りは、体内の血圧が異常に高まって内耳に影響を及ぼすことで引き起こされます。
耳鳴り以外にも、高血圧やむくみなどの気になる症状が出ている場合、速やかに病院を受診しましょう。
突発性難聴による耳鳴り
突発性難聴は、片耳の聴力が突然なくなってしまう病気で耳鳴りやめまいをともなうことも多くあります。
耳鳴りは、内耳が聴力の低下という異常を知らせるために発する信号といわれています。耳鳴りがして、さらに聴力に異常を感じた場合はすぐに医師の診察を受けましょう。
妊娠と突発性難聴の関係は明確にはわかっていませんが、妊娠して免疫力が低下することが、影響しているのではないかといわれています。また、妊娠中はホルモンバランスの変化が血流に影響を及ぼします。
これが内耳の血管に影響を与えて、突発性難聴のリスクを高めると考えられているようです。
メニエール病による耳鳴り
メニエール病は内耳の病気です。耳鳴りや一時的な聴力低下、めまいなどの症状が出ます。
メニエール病は内耳の液体圧が異常に高くなることで起こり、耳鳴りはその初期症状の1つ。
メニエール病による耳鳴りは、低音のハミングやブザーのような音で、メニエール病の症状が進行すると、耳鳴りの症状も強くなることがあります。
妊娠によるホルモンバランスの変化が体液の調節に影響を及ぼすことで、メニエール病の症状を引き起こしたり症状を悪化させたりすると考えられています。
メニエール病の治療は、耳鼻咽喉科で行います。かかりつけの耳鼻科がない場合は、まずは産婦人科の担当医などに相談してみましょう。
耳鼻科を受診すべきタイミング
妊娠中に耳鳴りの症状があらわれたとき、どのようなタイミングで医師に相談すればよいのでしょうか。
ここでは、耳鼻科を受診したほうがよい主な症状を説明します。
めまいや頭痛を伴うとき
耳鳴りのほかに、めまいや頭痛をともなう場合は、内耳の病気がひそんでいる可能性があります。
特にめまいが強く、立っていられない、日常生活に支障をきたす、などの場合は、速やかに耳鼻科を受診しましょう。
頭痛が激しくかかりつけの産婦人科で処方される頭痛薬などで改善しない場合も同様です。
喉や鼻の症状が現れたとき
耳鳴りとともに、耳の痛みや聴力の低下のほか、鼻水や喉の痛みなどの症状が出た場合は、感染症などにかかっている可能性があります。
これらの症状は耳だけでなく、妊娠中の健康そのものに影響を与えることがあるため、早めに医師による診察を受けてくださいね。
そのほか、注意すべき症状があらわれたとき
妊娠中には耳鳴りとともに、疲労感や視覚障害(見えにくい、視界がぼやけるなど)、手足の感覚異常があらわれることもあります。
これらの症状が現れた場合は、耳鼻科だけでなく、ほかの専門医療機関の受診が必要になることも。まずは産婦人科の担当医に相談してみましょう。
また、症状が急に悪化したり新たな症状があらわれたりした場合にも、速やかに病院を受診してくださいね。
注意したい症状の例
耳鳴りが消えない・続く
頭痛やめまいがある
喉や鼻の痛みや腫れがある
ひどいむくみ
妊娠中の体調管理や栄養管理のポイント
妊娠中は体にさまざまな変化が起こります。耳鳴りなどの症状を軽減するためにも、妊娠中の体調管理や栄養管理は欠かせません。
次のようなポイントを意識して生活してみましょう。
十分な睡眠と栄養の摂取
妊娠中は、質の高い睡眠とバランスの取れた栄養に気を配りましょう。
十分な睡眠は体のリズムを整え、耳鳴りを引き起こすストレスの軽減につながります。
また、バランスのよい食事は体の働きをサポートしてくれます。
特にビタミンB12、マグネシウム、カリウムなどは神経系の健康を維持し、耳鳴りの予防にも役立つとされる栄養素です。積極的に取り入れたいですね。
睡眠不足や過度の運動、自己判断による食事制限は避け、妊娠に合わせた過ごし方を取り入れましょう。
ストレス解消
ストレスを溜めることは、耳鳴りの原因になるだけではなく、妊婦や赤ちゃんの健康を大きく損ねてしまう可能性があります。
趣味や散歩、軽い運動などでリフレッシュする時間を設けることが大切です。
また、妊娠中は感情も上下しやすくなります。
パートナーや家族、友人とのコミュニケーションを大切にし、心のサポートを確保することもストレス解消に効果的です。
体を温めて血行をよくする
体を温めることで血行が促進され、酸素や栄養が全身に効率よく運ばれます。
冷え性の人は、妊娠中はさらに体温調節が難しくなることがあるため、暖かい衣服を選ぶ、適度な運動で体を動かす、温かい飲み物を摂るなどの工夫が大切です。
血行を改善する冷え対策は耳鳴りの予防にもつながりますよ。
妊娠中の耳鳴りに関するよくある質問
妊娠中の耳鳴りは、たくさんの妊婦さんが悩んでいるトラブルです。ここでは、多くの人から寄せられる、よくある質問を紹介します。
妊娠中の耳鳴りは一時的なものですか?出産後治りますか?
妊娠中の耳鳴りは、出産後に解消することが多いです
妊娠中の耳鳴りは、ほとんどの場合は一時的なものです。妊娠中に起こるホルモンバランスの変化や血流の変動が原因であらわれることが多く、出産とともに耳鳴りも自然と解消することが一般的です。ただし、出産後しばらく経っても耳鳴りが続く場合やほかの症状がともなう場合は、医師に相談してみましょう。
妊娠中に耳鳴りの症状が出たら何科を受診すればいいですか?
まずは産婦人科を受診しよう
耳鳴りの症状があらわれたら、まずは産婦人科に相談してみましょう。体の状態を踏まえ、耳鳴りの原因や対策についてアドバイスをしてくれるでしょう。その上で、専門医である耳鼻咽喉科や内科と連携して治療を進めることもあります。必要に応じて、ほかの専門医への紹介が行われることがあります。
耳鳴りは過度に気にせず、ストレスを溜めないことが大事!
妊娠中の耳鳴りは多くの場合一時的なものなので、過度に心配する必要はありません。
まずは栄養を摂り、十分な睡眠をとってリラックスして過ごしましょう。適切な体調管理と栄養管理を心がけることで、症状を軽減することができます。
しかし、耳鳴り以外の症状も出ている場合はほかの病気が隠れていることもあるので、悪化する場合やほかの症状がある場合は医療機関に相談してみましょう。
- 妊娠中の耳鳴りは、耳管開放症やホルモンバランスの変化が原因のことが多い
- めまいやむくみなど、ほかの症状がある場合は医師に相談を
- 十分な睡眠やバランスがよい食事、ストレス解消を心がけて過ごそう
- 妊娠中の耳鳴りは出産とともに解消することが多い
【注意事項】
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