妊娠中に抜け毛が増えるのは普通？対処法は？抜け毛の原因や産後に元に戻るのかも解説

妊娠中によくある悩みの1つに「抜け毛」があります。産後は改善に向かう傾向がありますが「こんなに抜けて、元に戻らなかったらどうしよう…」と、不安に思う人もいるでしょう。

この記事では、妊娠中の抜け毛の原因や対処法を解説します。妊娠中の抜け毛に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

トモニテ編集部

公開日: 2024年4月30日

妊娠中に抜け毛が増える原因

妊娠中に抜け毛が増えるのは普通？対処法は？抜け毛の原因や産後に元に戻るのかも解説

妊娠中に抜け毛が増えることにはさまざまな原因が考えられますが、主に以下の4つが挙げられます。

ホルモンバランスの変化

ストレスによりホルモンバランスが変化することで、抜け毛が起きやすくなります。

妊娠すると、エストロゲン・プロゲステロン・コルチゾールなどのホルモンの分泌量が多くなります。

このうち、コルチゾールはストレスに反応して分泌されるホルモンで、増加すると後頭部の毛根が細くなり、毛が抜けやすくなるといわれています。

妊娠中は、つわりや出産に対する不安でストレスを感じやすいため、抜け毛が起きるのは珍しいことではないでしょう。

自律神経の乱れ

ストレスは、ホルモンバランスだけでなく自律神経にも影響を与えます。

ストレスによって自律神経が乱れると、夜も交感神経が活発に働いてしまい、寝不足になってしまいます。

寝不足により睡眠の質が下がると、毛のもとになる細胞の分裂がうまくいかず、髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。

抜け毛がひどくなる原因になるので、ストレスや寝不足はできるだけ避けたいものです。

髪の毛に必要な栄養の不足

妊娠中のママは栄養不足になりやすく、必要な栄養が髪の毛まで行き届かなくなります。

妊娠中は、食事で摂取した栄養がおなかの赤ちゃんに優先的に送られるため、ママが栄養不足になりがちです。

特に、妊娠初期はつわりなどによってバランスよく食事を摂れないこともあるでしょう。

髪の毛の成長に必要な栄養が不足し、抜け毛のリスクが高くなるといえます。

妊娠中の抜け毛はいつ治る？

妊娠中の抜け毛が治る時期に明確な基準はありませんが、産後は徐々に治まるといわれています。

妊娠中の抜け毛はコルチゾールというホルモンの増加によって引き起こされますが、産後はホルモンバランスが元に戻るので、次第に毛が抜けなくなるでしょう。

ただし、ホルモンバランスが元に戻る時期には個人差があるため、産後しばらく経っても抜け毛が続くこともあります。

妊娠中の抜け毛対策は？

妊娠中の抜け毛を減らすポイントをご紹介します。

栄養バランスのよい食事を心がける

栄養バランスの整った食事を摂ることが大切です。

普段どおりの食事でも問題はありませんが、抜け毛対策のために意識的に摂取するとよい食材もあります。

積極的に摂取することがおすすめされている栄養素は次のとおりです。

抜け毛対策におすすめの栄養素

たんぱく質
髪の毛をつくるもととなる栄養素です。肉類、魚類、大豆製品、乳製品などに多く含まれます。
ビタミンB群
健康でハリのある肌を作り、髪の毛の健康も維持します。肉類、魚介類、穀物・豆類、野菜・果物類などに豊富に含まれます。
亜鉛
酵素の働きを助け、体の機能を維持します。代表的な食品は、豚レバー、牡蠣、海藻類などです。
イソフラボン
脂肪の燃焼を促進し、肌の調子を整えます。大豆製品に多く含まれます。
ヨウ素
体内の新陳代謝の調整を行います。海藻類、ヨード卵などに豊富に含まれます。

十分な睡眠時間を確保する

しっかりと睡眠をとることも、妊娠中の抜け毛対策に効果的です。

寝不足になると、髪の毛の健康な成長を妨げ、抜け毛の悪化につながります。

生活リズムを見直したり、睡眠環境を整えたりして、夜に熟睡できるようにしましょう。

ストレスを溜めない

妊娠中のストレスは抜け毛の大きな原因になるので、自分なりにストレスを解消できる方法を見つけられるとよいですね。

ヨガやウォーキングなど、体に負担がかかりにくい運動をしたり、映画や音楽鑑賞などでリラックスしたりすることで、ストレスを発散できるでしょう。

妊娠中でも使える製品を選ぶ

妊娠中は、使用してもよい成分・避けたほうがよい成分があります。

頭皮や髪への刺激が少ない成分が含まれている製品を選ぶようにしましょう。

ただし、安全な成分が配合されている製品にも、合成着色料や合成香料、化学物質など、妊娠中に避けたほうがよい成分が含まれていることがあります。

妊婦さんでも使えるシャンプーかを入念にチェックしたうえで買うようにしましょう。

抜け毛に効果のある育毛シャンプーを使う

妊娠中の抜け毛が気になる場合には、抜け毛に効果のある育毛シャンプーを使うこともおすすめです。

髪にいい成分の入ったシャンプーであれば、ヘアケアにもなりますね。

ただし、妊娠中に避けたほうがよい成分が含まれていることもあるので、購入前に成分を確認しましょう。

妊娠中の抜け毛対策で注意してほしいこと

妊娠中に育毛剤を使用する場合は、注意が必要です。

育毛剤に含まれていることがある「フィナステリド」は、男の子の赤ちゃんへの悪影響が指摘されています。

また「ミノキシジル」は、妊婦や赤ちゃんに対する安全性が確認されていないため、使わないほうがよいでしょう。

育毛剤の使用を検討する場合は、事前に医師に相談するようにしてください。

「経皮毒」は過度に心配しなくて大丈夫

経皮毒とは、皮膚を通して体のなかに入ってくる有害物質（毒）のことを指します。

ヘアケア製品を通じて体内に入り込み、赤ちゃんに悪影響を及ぼすとする説がありますが、経皮毒の正当性を示すエビデンスはありません。

仮に体内に有害物質が吸収されても尿として排出され、人体に害を与えることはないと考えられているので、心配しなくても大丈夫ですよ。

刺激が強いものや、妊娠中に避けたほうがよい成分を使わないようにすれば、妊婦さんや赤ちゃんに影響を与えることは基本的にないでしょう。

妊娠中に避けたほうがよいヘアケア成分

ラウリル硫酸アンモニウム
ラウリル硫酸ナトリウム
ラウリル硫酸TEA
ラウリル硫酸アンモニウム
ラウレス硫酸ナトリウム
ラウレス硫酸TEA
オレフィン（C14-C16）スルホン酸ナトリウム
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム

抜け毛をともなう病気とは？

FAGA（女性男性型脱毛症）とは、女性に起こる脱毛・薄毛のことです。

加齢による女性ホルモンの減少や自律神経の乱れ、遺伝的なものが原因と考えられています。

FAGAの特徴的な症状は次のとおりです。

初期症状は分け目が広がったように感じたり、抜け毛が増えたりする
初期症状はわかりにくく、気付かない人も多い
症状が進むと、髪全体が薄くなったように感じる
症状が進行すると頭頂部から脱毛範囲が広がっていく
頭頂部または、全体が均一的に抜けていくことが多い

FAGAの治療には、内服や薬の塗布、栄養素を直接頭皮に注入する方法があります。

びまん性脱毛症

びまん性脱毛症は、女性に見られる脱毛症の1つです。

ホルモンバランスの変化や頭皮への血流不足、栄養不足といったさまざまな要因が重なることで起こります。

現時点では、はっきりとした原因を特定するのは難しいとされています。

びまん性脱毛症の特徴的な症状は次のとおりです。

髪全体のボリュームがなくなる
髪の分け目が目立つ
全体的な抜け毛が増える
まばらに抜け毛が増えるため気付きにくい

びまん性脱毛症の治療には、外用薬や栄養補給のサプリ、頭皮への直接注射などがおこなわれます。

牽引性脱毛症

髪が部分的に抜けて薄毛になる症状です。

ポニーテールにしたり、エクステを付けたり、ヘアアイロンを使用したりする際に髪を強く引っ張ったり、頭皮への血行が悪くなったりすると、髪への栄養が足りなくなります。

その結果、髪の成長が妨げられ、髪の毛が抜けやすくなるのです。

牽引性脱毛症の特徴的な症状は次のとおりです。

髪が部分的に薄毛になっっている
抜け毛の根元に白い付着物（髪をサポートしている物質）が付いている
抜け毛の根元がひげ根のようになっている

牽引性脱毛症は、髪型を変えたり髪への負担を減らしたりすることで、改善に向かいます。

抜け毛がひどいときは医療機関を受診しよう

あまりにも抜け毛が多く心配な場合には、医療機関を受診してもよいでしょう。

抜け毛には次のような医療機関がおすすめです。

AGAクリニック
皮膚科
美容外科
産婦人科

AGAクリニックでは、脱毛症の治療を専門的に行っています。

また、皮膚科や美容外科でも脱毛の治療ができる場合があるので、かかりつけの産婦人科に相談してみましょう。

妊娠中の抜け毛に関するよくある質問

ここでは、妊娠中の抜け毛に関してよく聞かれる疑問をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

抜け毛の多さで赤ちゃんの性別がわかるって本当？

赤ちゃんの性別はわかりません
抜け毛の多さで、生まれてくる赤ちゃんの性別がわかることはありません。抜け毛の多さと赤ちゃんの性別との関連性について医学的な根拠はないため、「毛が濃くなったから男の子」「抜け毛が多いから女の子」ということは言えないのです。

妊娠中に髪がパサパサになるのはどうして？

女性ホルモンの分泌量の変化によるものです
女性ホルモンのバランスが崩れることで、髪の水分量や油分量が減り、パサパサしやすくなります。また、ストレスや栄養不足によって髪に十分な水分が行き渡らず、パサついてしまうことも。ストレスをこまめに発散したり、食事内容を見直したりするとよいでしょう。

出産後は髪質が元に戻る？

産後は髪質が変わることもあります
出産後のホルモンバランスによっては髪質が変化します。そのため、「元に戻った」という人もいれば、「クセが出るようになってしまった」という人もいます。必ずしも元に戻るとは限りません。出産後の髪質の変化には、個人差があることも覚えておきましょう。

妊娠中の抜け毛は食事やヘアケアで対策しよう！ひどいときは病院・クリニックに相談を

妊娠中の抜け毛は産後に治まることがほとんどですが、気になるなら食生活の見直しや適切なヘアケアによって抜け毛対策をしましょう。なかには病気が隠れていることもあるので、「なんだかおかしいな」と感じたら病院・クリニックの受診を検討してみてください。

妊娠中の抜け毛は女性ホルモンの乱れによるもの
抜け毛を減らすには正しい対処法を知ることが大切
妊娠中のヘアケアでは、避けたほうがよい成分がある
妊娠中の抜け毛以外の脱毛症の症状を知っておくと安心
抜け毛がひどくて心配な場合には病院を受診しよう

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