
【医師監修】無脳症はエコー検査でわかる?原因や胎児の異常を予防する方法も解説
無脳症は、妊娠初期のエコー検査で発見されることがあります。
無脳症の場合エコー検査でどのように見えるのか、無脳症が疑われたらどうすればよいのか、気になる人もいるのではないでしょうか?
この記事では、無脳症のエコー検査での見え方や、無脳症が疑われる場合の対応、無脳症の予防策などについて解説します。
赤ちゃんが元気に成長しているか心配な人や、エコー検査で異常を指摘されて不安に感じている人は、ぜひ参考にしてください。
無脳症は、妊娠初期のエコー検査で発見されることがあります。
無脳症の場合エコー検査でどのように見えるのか、無脳症が疑われたらどうすればよいのか、気になる人もいるのではないでしょうか?
この記事では、無脳症のエコー検査での見え方や、無脳症が疑われる場合の対応、無脳症の予防策などについて解説します。
赤ちゃんが元気に成長しているか心配な人や、エコー検査で異常を指摘されて不安に感じている人は、ぜひ参考にしてください。
無脳症とは?

無脳症とは、胎児の脳の一部または全部が正常に形成されない先天的な病気で「神経管閉鎖障害」と呼ばれる疾患の一つです。赤ちゃんの染色体異常や葉酸の不足などが原因と考えられますが、明確な要因はわかっていません。
日本での発生率は1,000人に1人程度といわれています。無脳症の赤ちゃんは出生後の生存が極めて困難で、妊娠中に流産するか、生まれてすぐに亡くなることがほとんどです。
神経管閉鎖障害とは
神経管閉鎖障害とは、胎児の発育過程で神経管が正常に閉じず、脳や脊髄に異常を引き起こす先天的な疾患です。神経管は脳や脊髄のもととなる管状の器官で、赤ちゃんの成長とともに頭側が脳に、足側が脊髄に発達していきます。この発達の過程がうまくいかず、管の形にならないことによって、神経管閉鎖障害が引き起こされます。
妊娠初期に発生しやすく、赤ちゃんの染色体異常や葉酸の不足、肥満や糖尿病などが原因といわれています。
神経管閉鎖障害の代表的なものには、無脳症のほか「二分脊椎」や「脳瘤(のうりゅう)」があり、なかでも無脳症は最も重度の疾患とされています。
無脳症はエコー検査でわかる?

無脳症は、エコー検査(超音波検査)によって偶然見つかることがあります。
赤ちゃんの頭の形がはっきりと確認できるようになる妊娠11週以降に見つかるケースが多いでしょう。
また、エコー検査のほか、出生前診断の一つである「母体血清マーカー検査(クアトロテスト)」で診断されることもあります。ただし、エコー検査や母体血清マーカー検査では異常を断定することは困難です。
そのため、無脳症が疑われた場合は、MRI検査や羊水検査などで確定診断を受ける必要があります。
無脳症のエコー検査での見え方は?

エコー検査で以下の様子が確認された場合、無脳症が疑われます。
無脳症が疑われる場合のエコー検査での見え方
頭部の丸みがない
頭部の一部が映らない
脳が羊水内を浮遊している
ただし、上記の様子がエコー検査で確認されたからといって、無脳症と断定することはできません。
エコー検査は本来、赤ちゃんの発育状況や健康状態を確認するための検査です。赤ちゃんの異常を発見するためのものではなく、エコー検査だけで異常を確定させることはとても難しいといえます。
エコー検査で異常を指摘されても特に問題がないケースもあるので、過度に心配せず、落ち着いて医師の説明を聞きましょう。
無脳症の原因は?予防できるの?

無脳症は、妊娠初期に神経管が正常に閉じない「神経管閉鎖障害」によって起こります。
神経管閉鎖障害の具体的な発生原因は完全には解明されていませんが、これまでの研究で葉酸不足が神経管閉鎖障害のリスクを高めることがわかっています。そのため、妊娠前から葉酸を積極的に摂取することが医学的にも推奨されています。
神経管閉鎖障害のリスクを抑えるため、妊活中や妊娠初期の人は普段の食事とサプリメントによって葉酸を意識的に摂取することが大切です。
妊娠前〜妊娠初期は1日400μg、妊娠中期以降は1日240μgを日々の食事以外から摂取しましょう。
無脳症は治療できる?

無脳症は、現時点では根本的な治療ができない疾患です。
多くの場合死産となり、出産しても1週間生きることは極めて難しいとされています。
無脳症についてよくある質問

ここでは、無脳症に関するよくある質問にお答えします。
エコー検査以外で無脳症が判明することはある?
母体血清マーカー検査やMRI検査などでも診断できます
無脳症は主にエコー検査で発見されることがありますが、母体血清マーカー検査(クアトロテスト)で疑われることもあります。母体血清マーカー検査は出生前診断の一つで、妊娠15~20週頃に母体の血液中の成分を測定し、赤ちゃんの染色体異常や神経管閉鎖障害などのリスクを調べる検査です。エコー検査や母体血清マーカー検査で無脳症が疑われた場合、診断を確定するためにMRI検査など追加の検査を医師から勧められることがあります。MRI検査では体のなかの状態を細部まで調べられるので、より正確な診断が期待できます。
無脳症と無頭蓋症の違いは?
無頭蓋症は頭の骨や皮膚がうまく形成されないことを指します
無脳症は脳の一部または全部が形成されないのに対し、無頭蓋症は頭蓋骨がうまく形成されていない状態です。無頭蓋症の場合は脳が存在しますが、頭蓋骨がないため脳が羊水にさらされています。この状態で脳が次第に変性していき、やがて無脳症に至るという説が唱えられています。このように、無脳症と無頭蓋症はひとつながりの疾患ではないかと考えられるようになってきています。
無脳症はエコー検査で見つかることがある

無脳症は神経管閉鎖障害の一つで、胎児の脳の一部または全部が正常に形成されない先天的な疾患です。妊娠初期のエコー検査で診断されることが多く、現時点では根本的な治療法はありません。
しかし、葉酸の摂取によって発症リスクを低減できることがわかっています。日々の食事に加え、妊活中・妊娠初期の人は1日400μg、妊娠中期以降の人は1日240μgを目安に葉酸を積極的に摂取しましょう。
エコー検査で無脳症が疑われても、確実に異常があると断定することはできません。確定診断にはMRI検査や羊水検査などが必要です。エコー検査で異常を指摘されても落ち込みすぎず、まずは医師の話を聞きましょう。
- 無脳症は胎児の脳や頭蓋骨が正常に形成されない先天的な疾患
- 無脳症の胎児は死産か出生後まもなく亡くなってしまうことがほとんど
- エコー検査で異常が疑われた場合、より詳しい検査を勧められることがある
- 異常が指摘されたらまずは落ち着いて医師の説明を聞こう
- 葉酸を積極的に摂取して無脳症のリスクを抑えよう
出典
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記事の一部では妊娠中の方から寄せられた体験談を紹介しておりますが、個人の実体験に基づいており医学的根拠があるものとは限りません。専門家の見解と異なる意見も含まれるためご注意ください。
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