
【医師監修】ピルの服用中止直後に妊娠することはある?排卵・生理が再開するタイミングも解説
現在ピルを服用している人のなかには「ピルをやめたらすぐに妊娠できるの?」「赤ちゃんに影響しない?」と気になっている人もいるでしょう。
この記事では、ピルの服用をやめたあとの妊娠の可能性について解説します。ピルの服用中止による体の変化や注意点にも触れるので、ピルの中止を考えている人はぜひ参考にしてくださいね。
現在ピルを服用している人のなかには「ピルをやめたらすぐに妊娠できるの?」「赤ちゃんに影響しない?」と気になっている人もいるでしょう。
この記事では、ピルの服用をやめたあとの妊娠の可能性について解説します。ピルの服用中止による体の変化や注意点にも触れるので、ピルの中止を考えている人はぜひ参考にしてくださいね。
ピルをやめた直後に妊娠することはある?

ピルの服用を中止した直後に妊娠する可能性は十分にあり得ます。
ピルの服用中は排卵が抑制されていますが、服用をやめると1〜3ヶ月程度で排卵が再開することが多いです。
しかし、排卵が再開する時期には個人差があり、なかにはピルを中止してすぐに排卵が起こり、妊娠するケースもあります。
ピルをやめてすぐに妊娠しても問題はなく、赤ちゃんに影響が出たという報告も今のところありません。
そもそもピルのしくみって?服用中の体はどんな状態?

ピルは、女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」を配合した経口避妊薬です。
服用するとホルモンバランスが変化し、排卵後に似た体の状態がつくられます。すると、脳がすでに排卵が行われたと錯覚し、排卵が起こらなくなるのです。
主に避妊目的で使用されますが、月経前症候群(PMS)や生理不順の改善にも役立ちます。
ピルをやめたら体にどんな変化がある?

ピルをやめると、ピルを飲む前の体の状態に戻り排卵も再開しますが、同時に以下のような影響が出ることもあります。
ピルを中止したときの影響
生理不順になる
もともと生理不順だった人は、ピルをやめることで再び生理周期が不安定になることがあります。
経血量が増える
服用前に経血量が多かった人は、ピルの服用中止後に過多月経が再発することがあります。
生理痛・排卵痛が再発する
肌荒れやニキビが増える
頭痛やめまい
気分の落ち込みやイライラなど情緒不安定になる
PMS(月経前症候群)が再発する
ピルをやめたら排卵や生理はいつ起こる?

個人差がありますが、多くの人は3ヶ月以内に排卵や生理が再開するといわれています。
通常、ピルをやめた直後には「消退出血」と呼ばれる出血が起こります。その後、体が少しずつ自然な状態に戻り、早い人では1ヶ月以内に生理が来ます。
ただし、生理周期が元に戻るまでの期間には個人差があり、しばらく時間がかかる人もいます。多くの場合3ヶ月以内に生理が来るとされていますが、しばらく経っても生理が来ない場合は婦人科を受診しましょう。
ピルをやめたのに生理がこない…考えられる原因は?

ピルをやめたあと、通常は数ヶ月以内に生理周期が再開します。しかし、なかには生理がなかなか来ないケースもあります。
ここでは、生理がこない原因として考えられる3つの可能性を解説します。
生理不順が起きている
ピルをやめたあとは、ホルモンバランスの変化により一時的に生理不順になることがあります。
ピルの服用を中止すると体が自然なホルモンサイクルを取り戻そうとするため、生理の周期が乱れることがあるのです。また、ピルを服用する前に生理不順だった人は、元の不規則な状態に戻り、生理周期がなかなか安定しない可能性があります。
妊娠している
ピルをやめてすぐに排卵が再開することもあるため、思っていたよりも早く妊娠するケースも考えられます。
特に、避妊せずに性行為をした場合、妊娠している可能性は十分に考えられるでしょう。また、胸の張りや吐き気、倦怠感などの妊娠初期症状がある場合も、妊娠のサインかもしれません。生理予定日を1週間以上過ぎても生理がこない場合は、妊娠検査薬で妊娠の有無を確認してみてください。
病気が隠れている
ピルの服用中止後3ヶ月以上生理が来ない場合は、婦人科系の疾患が関係している可能性があるため、医師の診察を受けましょう。
生理がこないときに考えられる疾患
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
超音波検査で小さな卵胞が卵巣にたくさんみられる状態。生理が不規則になる、無月経などの症状が現れます。
早発閉経
40歳未満で卵巣機能が低下し、生理が来なくなる状態です。
高プロラクチン血症
出産や授乳をしていないのに、プロラクチン(乳汁分泌を促すホルモン)が過剰に分泌される状態のことで、生理不順の症状が起こります。
甲状腺疾患
甲状腺ホルモンの異常により、生理が遅れることがあります。
なかには不妊の原因となる疾患もあるので、生理が長期間こない場合は早めに病院を受診してください。
ピルと妊娠についてよくある質問

ここでは、ピルと妊娠についてよくある質問に対して詳しく解説します。
ピルの服用を中止したいのですが、いつやめればよいですか?
医師に相談して中止のタイミングを決めましょう
ピルをやめたいと思ったら、自己判断で勝手にやめるのではなく、医師に相談することが大切です。特に、妊娠を希望する場合は、ホルモンバランスが整うまでの期間や、排卵が再開するタイミングを考慮して、やめる時期を検討する必要があります。また、ピルの中止と再開を繰り返すと、血栓症のリスクが高まるといわれています。ピルをやめたあとに再開する可能性がある場合は、将来の服用についても医師と相談しましょう。
妊娠に気づかずにピルを飲んだら、赤ちゃんに影響する?
赤ちゃんに影響したという報告はありませんが、妊娠がわかったらすぐにやめましょう
妊娠に気づかずにピルを服用したことで、赤ちゃんに重大な影響があったという報告はありません。しかし、妊娠が確認されたらすぐに服用を中止しましょう。妊娠中のピルの服用については安全性が確立されていないため、赤ちゃんにまったく影響しないと言い切ることはできないためです。「妊娠したかも」と思った時点で早めに医師に相談し、指示を仰ぎましょう。
ピル服用中止から生理周期が整うまでには個人差がある

ピルの服用を中止した直後でも妊娠する可能性は十分にあります。
ピルの服用中止後、一般的には3ヶ月以内に排卵や生理が再開しますが、なかには服用をやめてすぐに排卵が起こることがあります。そのため、ピルの服用中止後すぐに妊娠する可能性もあるのです。
ピルの服用中止後3ヶ月以上待っても生理がこない場合、生理不順の可能性もありますが、妊娠の可能性や病気のリスクも考えられます。妊娠検査薬を使う、医師に相談するなど、必要に応じて適切な対応をとりましょう。
- ピルの服用を中止してすぐに妊娠することもある
- ピルは女性ホルモンが配合されている経口避妊薬
- ピルをやめると服用前の状態や症状に戻る
- ピル服用を中止してもしばらく生理がこない場合は妊娠や病気の可能性も
- 妊娠の可能性がある場合は妊娠検査薬で検査しよう