
シリンジ法は手軽にできる妊活方法!メリット・デメリットややり方を解説
シリンジ法とは、性行為が難しいカップルでも妊娠を目指せる方法の一つです。しかし「赤ちゃんに影響はないの?」「本当に効果があるの?」と不安を抱えている人もいるかもしれません。この記事では、シリンジ法の基礎知識やメリット・デメリット、正しいやり方、妊娠率など幅広く解説します。性交に不安がある人や、できるだけ体に負担をかけずに妊活を進めたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
シリンジ法とは、性行為が難しいカップルでも妊娠を目指せる方法の一つです。しかし「赤ちゃんに影響はないの?」「本当に効果があるの?」と不安を抱えている人もいるかもしれません。この記事では、シリンジ法の基礎知識やメリット・デメリット、正しいやり方、妊娠率など幅広く解説します。性交に不安がある人や、できるだけ体に負担をかけずに妊活を進めたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
シリンジ法とは?

シリンジ法とは、妊活中のカップルが性交を行わずに妊娠を目指せる方法の一つです。針のない注射器のような器具(シリンジ)のなかに精液を入れ、腟内に注入します。
妊活のタイミングが合わなかったり、性交渉が難しかったりする場合でも自宅で手軽に実践できるうえ、器具も安価で手に入るため、身体的にも経済的にも負担の少ない方法です。
シリンジ法のメリットとは?

シリンジ法は、性行為が難しい場合でも妊娠を目指せるだけでなく、身体的・経済的な負担を抑えられることも大きなメリットです。
ここでは、シリンジ法のメリットを紹介します。
性行為ができなくても妊活に取り組める
シリンジ法を実践すれば、パートナーとの性行為が難しい場合でも妊娠を目指すことが可能です。性交痛や勃起障害、精神的なプレッシャーなどが原因で性行為が困難なケースでも妊活に取り組みやすくなるでしょう。
また、仕事などでタイミングを合わせられない場合や、上の子の育児で妊活の時間を確保できない場合などでも活用のメリットがあります。
身体的な負担が少ない
シリンジ法は、注射器のような器具を使って精子を腟内に注入するシンプルな方法です。
通院は不要なので、人工授精や体外受精よりも体への負担が少ないでしょう。また、薬による副作用を心配する必要もありません。
病院に行く時間を確保できない場合や、薬の影響が気になる場合などは特にメリットが大きいといえるでしょう。
費用が安い
シリンジ法で使用する器具は、1回あたり500円〜1,000円程度で購入できます。
人工授精や体外受精のように高額な医療費が発生しないため、経済的な負担を抑えながら妊活を進められます。
妊活の最初のステップとして取り入れやすい選択肢の一つです。
自宅で手軽に行える
シリンジ法は自宅で簡単に実施できます。医療機関に通ったり特別な設備を整えたりする必要がないので、手軽に実践しやすいでしょう。
自分たちのタイミングで試せるため、日常生活に無理なく取り入れられる点が大きなメリットです。
シリンジ法のデメリット・注意点は?

シリンジ法は手軽で負担の少ない妊活方法ですが、正しく使わなければ効果が得られなかったり、思わぬリスクにつながったりする可能性もあります。
ここでは、シリンジ法を試す前にあらかじめ知っておきたいデメリットや注意点を解説します。
適切に使わないと感染症のリスクがある
シリンジ法を行う際は、衛生管理がとても重要です。不衛生な状態で行うと、腟内に雑菌が入り、感染症につながるリスクがあります。
使用前後は手をしっかりと洗い、消毒・滅菌済みの清潔なシリンジキットを使用しましょう。精液を採取する際も同様です。一度使った器具は再利用せず、必ず破棄しましょう。
慣れないうちはうまく注入できないことがある
初めてシリンジ法に挑戦する場合、精子の採取や器具の扱い、注入のタイミングなどが難しい場合があります。痛みを感じたり、腟を傷つけたりする可能性もあるでしょう。
慣れるまでは思うように使えないこともありますが、落ち着いて取り組むことが大切です。
不妊の原因によっては妊娠が難しい場合もある
シリンジ法では妊娠が難しいケースもあります。
たとえば、男性の精子の数や運動率が低い場合、精液を注入しても受精が成立する可能性は低いでしょう。また、女性の排卵に問題がある場合も、シリンジ法による妊娠率は低いといえます。
シリンジ法を行う前に一度検査を受け、精子や排卵などに問題がないかを事前にチェックすることが大切です。
シリンジ法を検討するとよい人は?

以下に該当する人は、シリンジ法を検討するとよいでしょう。
シリンジ法がおすすめの人
性行為が困難、または避けたい事情がある人
性交渉のタイミングが合わない人
検査で精子や排卵の異常がみられなかった人
性交時に痛みを感じやすい人
勃起障害(ED)がある・腟内射精が難しい人
不妊治療を受ける前にできることから試してみたい人
経済的な負担を抑えながら妊活を進めたい人
自宅で自分たちのペースで妊活を進めたい人
シリンジ法による妊娠率はどのくらい?

シリンジ法の妊娠率について、医学的に確立されたデータはありません。
しかし、ある研究では、シリンジ法を行ったカップルのうち66.7%が3回以内に、84.2%が6回以内に妊娠したことが報告されています。
とはいえ、妊娠が成立する確率は年齢や精子の状態、体の状態などによって大きく異なるので、あくまで参考ととらえましょう。
シリンジ法の正しいやり方・コツは?

シリンジ法は、手順を正しく守ることで妊娠の可能性を高めることができます。以下に、基本的な流れとポイントを紹介します。
シリンジ法の正しいやり方
排卵日を予測する
排卵検査薬や基礎体温によって排卵日を特定し、タイミングを測ります。
手を洗い、器具を清潔に準備する
感染予防のために手を洗って清潔にします。器具を置く場所も消毒し、雑菌の混入を防ぎましょう。
精子をカップに採取する
採取した精液は粘り気があるため、サラサラした状態になるまで10分程度待ちます。
シリンジに精子を吸い取る
滅菌パックからシリンジを取り出し、すべての精液を気泡が入らないようにゆっくり吸い上げます。
ゆっくりと腟内に注入する
力を入れずにゆっくりと挿入し、注入後もゆっくりと抜きます。不純物の混入を防ぐため、精液の採取から30分以内に注入することが望ましいです。
注入後はしばらく横になって安静にする
5~15分ほど腰を高くした状態で横になることで、精子が子宮に届きやすくなります。
シリンジ法による妊活についてよくある質問

ここでは、シリンジ法についてよくある質問を紹介します。
シリンジ法を提案されたら、男性はどんな気持ちになる?
受け入れてくれる人もいれば、抵抗を覚える人もいます
シリンジ法はさまざまな原因で性交が難しい場合に行う方法であり、男性に提案するのは少し気が引ける…という女性もいるでしょう。実際、すんなり受け入れてくれる人や、女性からの説明を受けてOKをする人もいれば、シリンジ法のことをよく知らないために迷いを感じる人、恥ずかしさから断る人などもいるようです。シリンジ法を提案された際の感じ方は人によって異なるので、伝えにくい場合は「排卵のタイミングでお互いの気持ちが乗らないときはシリンジ法を取り入れたい」「純粋にあなたとの時間を楽しみたい」などのように、シリンジ法に挑戦しようと思った理由を前向きに伝えてみるとよいでしょう。
シリンジはどこで買える?
メーカーの公式サイトやECサイト、ドラッグストアなどで購入できます
シリンジ法に使う器具は、医療器具メーカーの公式オンラインショップやECサイト、ドラッグストアなどで購入できます。シリンジや精液採取容器、注入のサポート器具など、シリンジ法に必要な器具がセットになっている商品が一般的です。
シリンジ法は赤ちゃんに影響する?
シリンジ法が赤ちゃんに悪影響を及ぼすという報告はありません
「シリンジ法で妊娠すると赤ちゃんが奇形になる」といううわさもありますが、実際にはシリンジ法が赤ちゃんの発育に悪影響を与えることはありません。シリンジ法でも自然妊娠でも、赤ちゃんに先天異常が現れる確率はほとんど変わらないといわれています。シリンジ法が赤ちゃんに直接的に影響を及ぼすことはないので、安心してくださいね。ただし、不衛生な環境で行うと感染症のリスクが高まるので、必ず手や器具を清潔な状態にすることを忘れないようにしましょう。
シリンジ法と人工授精はどう違う?
目的は実施場所や費用などに違いがあります
シリンジ法と人工授精は、どちらも事前に採取した精液を腟内に注入する点は似ていますが、実施できる場所や費用などに違いがあります。人工授精は医療機関で精液を洗浄・濃縮してから子宮内に注入する方法で、費用が数万円ほどかかります。一方、シリンジ法は自宅で行えるのが特徴で、費用を抑えて妊活を行うことが可能です。シリンジ法と人工授精のどちらが適しているかはケースによって異なるので、医師やパートナーと相談して検討しましょう。

メリット・注意点を理解したうえでシリンジ法の活用を検討しよう

シリンジ法は、性行為をせずに妊娠を目指せる方法です。身体的・精神的な負担を抑えつつ妊娠の可能性を高めたい人にとって、有効な選択肢となるでしょう。
シリンジ法を行うときは、手洗いを入念に行い、器具を清潔な状態にすることが大切です。また、カップルの体の状態によってはシリンジ法では妊娠に至らないこともあります。
シリンジ法のメリットや注意点をしっかりと理解したうえで、医師やパートナーと相談しながら自分たちに合った方法を選びましょう。
- シリンジ法は注射器のような器具に精液を入れ腟内に注入する方法
- 性行為をせずとも妊娠を目指せるほか、器具も安価で手に入る
- シリンジ法が赤ちゃんに悪影響を与えることはない
- シリンジ法で使用する器具はECサイトやドラッグストアなどで購入できる
- 実施する際は衛生面に気をつけ感染症のリスクを防ぐことが大切