「赤ちゃんが夜うなされる」原因は？寝言泣き・夜泣き・夜驚症の違い

赤ちゃんが夜中に泣いたり、声をあげてうなされるのを見ると、ママやパパは「病気なの？」「どう対応すればいいの？」と不安になるものです。実際には多くの場合、成長過程で見られる自然な現象ですが、なかには注意が必要なケースもあります。

ここでは、代表的な状態の違いや起こりやすい時間帯、明け方に見られる「うなり」の原因について整理していきます。

「寝言泣き」は眠っている最中に一時的に眠りが浅くなって泣き声をあげる現象で、多くはすぐに収まります。「夜泣き」は夜間にしっかり目を覚まして泣き続ける状態で、抱っこや授乳が必要になることも少なくありません。「夜驚症」は深い眠りの途中で突然泣き叫び、翌朝になると本人は覚えていないのが特徴です。

それぞれ対応や心配の度合いが異なるため、違いを知っておくようにしましょう。

赤ちゃんの睡眠は浅い眠り（レム睡眠）と深い眠り（ノンレム睡眠）が短いサイクルで交互に訪れます。寝言泣きは浅い眠りのタイミングで、夜驚症は深い眠りから浅い眠りへの移行期に起こりやすいです。特に就寝後30分〜2時間の間に見られることが多く、この時間帯に泣き声やうなされる様子が目立つのは、睡眠サイクルの未熟さが関係しています。

心配かもしれませんが、成長とともに徐々に安定していくのが一般的です。

明け方に赤ちゃんがうなるような声を出すのは、体内でガスがたまったり、便を出そうといきんでいることが原因の一つです。低月齢のうちは消化機能が未発達なため、こうした「うなり」がよく見られます。

機嫌や食欲が保たれていれば多くの場合は心配はいりませんが、長く続いたりほかの症状を伴う場合は小児科に相談するのが安心です。

夜中に赤ちゃんが突然泣いたり、声をあげてうなされる姿を見ると、すぐに抱き上げたくなるものです。しかし、実際には「今すぐ起こす」よりも、落ち着いて見守るほうが適している場合もあります。

ここでは今夜からできる具体的な対応を紹介します。

赤ちゃんが泣き出した際、すぐに抱き上げることで完全に目を覚ましてしまうことがあります。寝言泣きや夜驚症の多くは数分で自然に落ち着くため、まずは安全を確認しながら数分見守るのがおすすめです。

見守る時間を設けることで、赤ちゃんが自分で眠りに戻る力を育むきっかけにもなります。

しばらく様子を見ても泣き続ける場合は、やさしく背中をトントンしたり、小さな声で「大丈夫だよ」と声をかけると赤ちゃんが安心しやすくなります。ここで大切なのは、強い光をつけたり大きな声で呼びかけたりしないことです。

最小限の刺激で赤ちゃんを安心させることで、スムーズに再び眠りに入ることができます。

夜驚症のように深い眠りの途中で泣き叫んでいる場合、無理に起こそうとすると赤ちゃんが混乱し、泣きが激しくなることがあります。本人は覚えていないため、無理に覚醒させる必要はありません。

大切なのは安全を確保し、落ち着くまでそっと寄り添うこと。自然に再び眠りにつくのを待つほうがスムーズに収まることが多いです。

夜にうなされるのは、赤ちゃんが睡眠リズムや環境の影響を受けやすいためです。そこで、普段の生活や過ごし方を少し整えるだけで、夜の泣きやうなりを減らせることがあります。

ここでは、毎日の生活で意識したい工夫を紹介します。

赤ちゃんはまだ体内時計が未熟なため、生活リズムが乱れると夜の眠りが浅くなりやすいです。また、昼寝の時間が遅すぎると夜に眠れなくなり、うなされる原因になることも。

昼寝は夕方前に切り上げ、就寝時間を毎日ほぼ同じにすることで、自然と眠りやすいリズムが整います。同じ生活リズムを繰り返すことで体も覚えていき、夜の安定した睡眠につながります。

眠る環境は赤ちゃんにとってとても大切です。明るすぎる部屋や騒がしい音は眠りを妨げ、夜中の泣きやすさにつながります。寝室はほんのり暗めに保ち、静かな空間をつくりましょう。

また、室温は夏が25～28℃、冬が20〜25℃前後、湿度は50〜60％が目安とされます。快適な環境を整えることで、赤ちゃんが安心して眠れるようになります。

日中に十分な刺激や活動を取り入れることは、夜の眠りを深めるために欠かせません。外で日光を浴びる、体を動かす遊びを取り入れることで、夜に自然と眠くなるリズムをつくることができます。

活動と休息のメリハリがあることで、夜中のうなされるような泣きも減りやすくなります。無理のない範囲で、赤ちゃんの成長に合わせて取り入れていくとよいでしょう。

赤ちゃんの夜の泣きやうなりの多くは成長の一環ですが、なかには体調不良や病気のサインが隠れていることもあります。「ただの寝言泣き」だと思いきや、見逃せないケースもあるため、受診が必要な目安や相談の仕方を知っておくことが大切です。

ここでは医療機関に相談すべきポイントを整理していきます。

夜中に泣き叫ぶだけでなく、発熱やゼーゼーという荒い呼吸、顔色の悪さなどがある場合はすぐに受診を検討しましょう。また、長時間泣き続けて一向に落ち着かない場合や、昼間の機嫌・食欲にも影響がある場合も注意が必要です。

これらのサインは「ただのうなされ」ではない可能性があるため、早めに医師に相談するようにしましょう。

まずはかかりつけの小児科に相談するのが基本です。夜驚症のような睡眠の問題が疑われる場合でも、最初は小児科で診てもらいましょう。そこで必要に応じて専門的な検査や別の診療科を紹介されることもあるでしょう。

いきなり専門外来を探すのではなく、日頃から子どもの成長や体調を把握している小児科に相談することがスムーズな対応につながります。

診察の際に「いつ・どんな様子で泣いたか」を具体的に伝えると、医師の診断に役立ちます。泣き出した時間帯、泣き方の特徴、どのくらい続いたかをメモしておくと安心です。また、可能であればスマホで動画を撮影して見せるのもよいでしょう。

赤ちゃんの様子は言葉では説明しにくい場合もあるため、具体的な記録があると医師も状況を正確に判断しやすくなります。

赤ちゃんが夜にうなされるのは、成長過程によく見られる自然な現象であることが多いです。まずは落ち着いて見守り、安心できる環境を整えることが大切です。さらに、受診の目安を知っておけば不安も減り、必要に応じて早めに行動できます。ママやパパの工夫で改善できることも多いため、無理せずできる範囲で取り組みましょう。

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