【助産師監修】もしかして育児疲れ?0歳児を持つママへ助産師からアドバイス
そんなママのお悩みに、助産師のやまがたてるえ先生に答えていただきました。
そんなママのお悩みに、助産師のやまがたてるえ先生に答えていただきました。
どうしてこんなに疲れるの?その原因は?
私が長年子育て支援に関わる中で、子育てで一番必要なものは「体力」かもしれない、と感じることが多くあります。
今、日本に住む女性の7割強は運動習慣がないといわれています。家事も買い物も家にいながらオンラインで済ませられるようになり、便利になった反面、日常生活で体を動かす機会が相対的に減ってしまったことも事実です。また筋力は鍛えていなければ、年齢を重ねていくうちに低下していきます。
そのような運動不足の状態で赤ちゃんのお世話を始めると、今まで使ってこなかった筋肉を突然使うことになります。
赤ちゃんの月齢が低い時期は夜間にも授乳が必要であり、まとめて睡眠を取ることができない人がほとんどです。母乳育児をするならば、授乳で消費されるエネルギー量を補うために、1日あたり350kcalが追加で栄養が必要になります。これは1時間ジョギングをして消費されるカロリー量と同等です。
もし、妊娠期に長期間の安静が必要だったケースならばさらに体力は低下しているので、疲れやすさが増してしまうことも多いでしょう。
そのような状況で、0歳児の子育てを頑張っていたら、どんな人でも疲れてしまうのが当たり前ですよね。
また、慣れない育児に気づかぬうちに体が緊張して、ホッとする時間を持てずにいたら、精神面からも疲れを感じることもあります。
少しずつ運動してみよう
低下した体力を取り戻しながら疲れも取っていくことは難しいようですが、少しずつできる運動を日常に取り入れていくことで体力が回復することもあります。
すぐにできる運動(例)
- 腹式呼吸(ドローインなどお布団の中で簡単にできる運動もあります。)
- 短時間のヨガやピラティス
- 授乳前後の軽い肩回し
- 家事や散歩などの日常動作で意識的に体を使っている場所を意識
子育てする中で最も大切なのは自分の体調
0歳児の子育ては、毎日が緊張でいっぱいの日々です。周りのサポートを受けつつ、日々頑張っている自分のことを認めることは自分を大切にする大きな一歩です。
家族だけで子育てを頑張る時代はもう終わりました。今は、周りの人々と一緒に子育てする時代になっています。
周りに頼ることは母親として失格なんじゃないだろうか?と思う人がいるかもしれませんが、それは違います。「手伝って」よりも「一緒にやろう」という声がけをしながら、周りに頼っていきましょう。
子育ては家族が一丸となってするものですが、0歳の間は妊娠期から子育てをしているママが赤ちゃんにとっては一番大きな存在となる時期です。だからこそ、自分自身の体を少しでも大切にする行動をとっていきましょう。
色々と工夫をしても疲れが全然抜けない、何もしたくない、何かしたくてもどうしても体が動かないなど、日常生活に支障があるくらい体力が落ちているときは、ぜひ専門家に相談をしてみてくださいね。
参考:
- 厚生労働省、「平成29年 国民健康・栄養調査結果の概要」 、2017年
- やまがた てるえ、「産後、つらくなったら読む本:ママの心と体が楽になる安心産後ケア」、合同出版、2014年
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