妊婦が電車に乗るときに気をつけること
妊婦が電車に乗るとき心がけること
「電車の中で気持ち悪くなったらどうしよう」「めまいを起こしてふらつきそうになったらどうしたらいいの」など、妊婦の電車利用には不安がつきものです。
ここでは妊婦が安心して乗車するための注意点について紹介します。
時間に余裕を持って自宅を出る
あと数分で電車が発車する、乗り換えで走らないと間に合わない、などの余裕のなさは、転倒や転落といった事故を引き起こす要因となります。
あらかじめ目的地までどのくらい時間がかかるのかを調べ、余裕をもって自宅を出るようにしましょう。
電車に乗るときは空いている時間帯を選ぶ
大勢の人と密着する満員電車は腹部を圧迫するリスクがあります。空いている時間帯を選んで電車に乗りましょう。
また、妊娠中は体重増加により姿勢を保つのが難しくなり、バランスを崩しやすくなります。転倒しないように注意が必要です。なるべく座席に座るようにしましょう。空いている時間帯に乗車すれば座席に座りやすくなります。
エレベーターやエスカレーターを利用する
階段の昇り降りは体に負担がかかるため、なるべくエレベーターやエスカレーターを利用しましょう。もし階段を使う場合は、手すりにつかまり、少しでも下腹部が圧迫されないような工夫をしましょう。
調子がよくないときは駅員の方に相談をする
電車内で具合が悪くなったときは次の駅で下車し、ホームにいる駅員に声をかけましょう。
最寄り駅まで待てないほど具合が悪くなった場合は、車内非常ボタンを押しましょう。ボタンを押すと、電車が緊急停止し、駅員が対応にかけつけます。マイクつきの場合はマイクで駅員と連絡をとることができます。
自分の体とお腹の赤ちゃんを守るためにも限界がくる前に次の駅で下車、緊急の場合はボタンを押しましょう。
妊娠中にめまいや立ちくらみが起こるのはどうして?予防方法は?
妊娠中のめまいや立ちくらみは転倒につながる恐れがあります。さらに電車内という揺れる環境の中ではさらに転倒のリスクが高くなります。
ここでは妊娠中のめまいや立ちくらみの原因、それらの予防方法について解説します。
つわり
つわりにより、食事や水分がとれないと妊娠中は容易に脱水状態になります。脱水もまた、めまいを引き起こす原因となります。悪化すると手足のしびれや筋力の低下、意識障害を起こすこともあります。
<予防法>
つわりがひどいときは食事の時間や栄養バランスを気にせず、食べられるときに食べられるものを口にしましょう。
水分はこまめな摂取を心がけ、苦しくて摂取できない場合は医師に相談しましょう。
血圧の低下(起立性低血圧)
妊娠中は、女性ホルモンの影響で血管が拡張して血圧が下がりやすくなり、めまいやふらつきが起こります。これを「起立性低血圧」と呼びます。
ベッドから起き上がる、椅子から立ち上がるときに「くらくらする」「目の前がちかちかする」といった症状が起こるのは起立性低血圧が原因です。
<予防法>
寝た状態や座った状態から立ち上がるときはゆっくり動きましょう。電車内で座った状態から立つときは手すりにつかまりながら立ちましょう。
鉄欠乏性貧血
妊娠中は赤ちゃんに栄養を送る血液の量が増えるため、鉄分も多く必要になります。そのため、妊娠前と同じ食生活では鉄分が不足します。体内の鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血になりやすく、症状としてめまいを引き起こすことがあります。
似たような言葉で「脳貧血」を聞いたことがあるかもしれませんが、鉄欠乏性貧血のような「貧血」とは別物です。いわゆる「脳貧血」は、急に立ち上がったときに、一時的に脳が血液不足になって立ちくらみなどを起こすもので、起立性低血圧によるものです。
<予防法>
鉄分を意識した食事を摂取しましょう。
鉄分が多く含まれている食べ物は、レバー・豚・牛もも肉・ほうれん草などがあります。
また、緑色野菜や果物に多く含まれているビタミンCを一緒に摂取することで、鉄の吸収率がアップするといわれています。
食事だけで鉄分を摂取できないときは、医師に相談して鉄剤を処方してもらいましょう。市販の鉄分サプリメントもありますが、過剰摂取の危険もあるため必ず医師に相談してから服用するようにしましょう。
妊婦が電車に乗るときはマタニティマークをつけよう
マタニティマークは、つけることで妊産婦だということを周囲の人に知らせ、適切な配慮を示しやすくするものです。
マタニティマークは多くの駅や自治体で無償配布されています。
電車に乗るときはにマタニティマークをつけて座ろう
電車で座席に座ることは、つわりなどの体調不良や転倒リスクを減少させることにつながります。
マタニティマークや優先席を活用し、安全に移動できるようにしましょう。
ホームからの落下には注意を
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電車は移動に便利ですが、妊娠中の体にはリスクが多くなっています。自分の体とお腹の赤ちゃんを守るためにも、無理はせず上手に電車を利用しましょう。国内外問わず、妊婦の体調不良による電車事故が起きています。
つわりで気持ちが悪くなりそうなときはイスに座る、まわりの人や駅員に声をかけるなど助けを求め、妊婦である自分の身を守るためにも、ホームからの落下には注意をしましょう。
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写真提供:ゲッティイメージズ
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