【専門家監修】 妊婦は明太子・たらこを食べちゃダメ？妊娠中にも食べられる食べ方・量の注意点も解説！

明太子とたらこには、ママや赤ちゃんに影響を与えるリステリアという食中毒菌が潜んでいる可能性があるため、生で食べることは避けましょう。

しっかり火を通して殺菌すれば、食べることができます。しかしその場合も、塩分の摂りすぎに注意しましょう。

妊婦であるママが生の明太子・たらこを控えた方が良い理由は、リステア菌による食中毒が心配されているからです。

妊娠中にリステア菌に感染すると流産や早産の原因となることもあり、また新生児にも髄膜炎を引き起こすなどの可能性があります。（厚生労働省検疫所ホームページ、リステリア症の部分）

リステリア菌は川の水の中や動物の腸の中など広い環境に生息している菌です。感染経路はリステリア菌が付着した食品を食べることによります。感染すると、下痢や嘔吐などの胃腸炎症状や発熱、悪寒、筋肉痛などのインフルエンザのような症状が出ることも。

日本国内で流通している明太子とたらこについても、食品安全委員会の調査*でリステリア菌が検出されています。

この菌は一般的な食中毒菌とは違い、4℃以下の冷蔵庫内や塩漬けした状態でも増殖し続けます。冷蔵しているからといって安心という訳でもありません。

*参考：「食品中のリステリア・モノサイトゲネス」（2013 年 4 月食品安全委員会 微生物・ウイルス専門調査会）2020年7月閲覧

たらこはすけとうだらの卵を塩漬けしたもの。明太子は、たらこを唐辛子を原料にした調味料などでさらに味つけしたものなので、非常に多くの塩分が含まれています。

妊娠中に塩分を多く摂りすぎると、むくみや、体重増加、妊娠高血圧症候群を引き起こす恐れがあります。妊娠中の食塩摂取量は2020年の食事摂取基準では1日6.5ｇ未満で、1食の塩分は2.2ｇぐらいが目安です。

1回に食べる明太子・たらこの量は、パスタ等での使用でも1/2本まで、単品の場合はより少量を意識しましょう。

明太子とたらこの100g（およそ1腹＝2本ぐらい）あたりの塩分量を見てみると、明太子で5.6g、たらこ（焼いたもの）で5.3gとなっています。明太子1本あたりではおよそ2.8gとなり、1食の塩分摂取目安である2.2gを超えてしまいます。

食事ではほかの料理の塩分もプラスされますので、1回量は、パスタ等での使用でも1/2本までにしましょう。

また、減塩のものや食品添加物が少ないものも販売されています。食品添加物が一切入っていない、無添加・無着色の商品も販売されていますので、パッケージをよく確認してから購入しましょう。

生の明太子やたらこに茹でたパスタを和える作り方では、しっかり火を通していないため安全とはいえません。

明太子・たらこに直接火を通したものを食べるようにしましょう。

明太子やたらこを選ぶときは、透明感がありふっくらした形の、鮮度のよいものを選びましょう。部分的に緑色になっているものや、膜がやぶれて身崩れしているものは鮮度が落ちている場合があります。

妊娠中に明太子やたらこを食べる場合は、十分火を通して、リステリアなどの菌から身を守りましょう。明太子やたらこに限らず、魚介類や肉などを生で食べるのは避け、産後の楽しみにとっておくのがよいですね。

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