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【医師監修】排卵日の腰痛。妊娠との関係は?

【医師監修】排卵日の腰痛。妊娠との関係は?

排卵日の前後には、腰痛を感じる場合があります。排卵日に体の中では何が起こっているのでしょうか。病院を受診したほうがよい腰痛の見分け方や、妊娠との関係などについても説明します。
排卵日の前後には、腰痛を感じる場合があります。排卵日に体の中では何が起こっているのでしょうか。病院を受診したほうがよい腰痛の見分け方や、妊娠との関係などについても説明します。

排卵日とは?

女性の体は、月に一度のサイクルで妊娠の準備をしています。このサイクルが月経周期であり、主に子宮内膜と卵巣は周期的な変化が起こります。

卵巣の中にある卵胞は、ホルモンの刺激を受けておよそ2週間かけて成熟していきます。成熟した卵胞が破裂して卵子が飛び出すことを「排卵」といい、排卵が起こる日を「排卵日」といいます。

排卵日は月経開始日からおよそ2週間後です。受精しなかったときには、排卵日のおよそ2週間後に次の月経がはじまり、卵巣ではまた新たな排卵にむけて準備が整えられます。

排卵日について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

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「排卵日」という言葉を聞いたことがあっても、仕組みをよく知らないという人も少なくないのでは?女性の月経周期や妊娠に大きく関わる排卵日について詳しくみてみましょう。

排卵日に起こる体調不良

排卵日の前後には、冷えやむくみ、腹痛や腰痛など、さまざまな体調の変化が現れることがあります。これには個人差があり、体調不良をはっきりと感じる人もいれば、全く症状のない人もいます。

腰痛になるのはなぜ?

排卵時に感じるおなかや腰の痛みが「排卵痛」です。
排卵痛には、おなかが張ったような痛みや、子宮周辺の痛みのほかに、腰が重い・痛いといった症状が現れる人もいます。

排卵痛は、排卵にともなって卵胞の表面が破れ、流れ出した卵胞液と血液が腹膜(腹部の内臓などを包む膜)を刺激することによって起こります。
また、黄体(排卵後の卵胞)からの腹腔への出血が、腹痛や腰痛を引き起こすこともあります。
痛みの現れ方には個人差があり、耐えられないほどの痛みを感じる人もいます。

出血をともなう激しい腰痛には注意!

腰痛と共に出血が続く場合には、注意が必要です。婦人科系の病気の可能性もあります。

  • 子宮内膜症

子宮内膜が、卵巣、子宮と直腸の間、子宮と膀胱の間など子宮の内側以外の場所にできる病気です。「痛み」と「不妊」が特徴的な症状です。

本来とは異なる場所にできた子宮内膜組織が月経周期に合わせて増殖し、周辺の組織と癒着を起こして、月経痛をはじめ腰痛、下腹部痛、また排便時や性交時の痛みをもたらします。

  • 異所性妊娠(子宮外妊娠)

月経だと思っていた出血が、実は妊娠に関連する出血だったというケースは少なくありません。さらにその妊娠が子宮内膜以外で起こっていた場合、異所性妊娠と呼ばれ、場合によっては手術が必要になります。

異所性妊娠が卵管で起こっていた場合、細い卵管内で受精卵がどんどん大きくなるため、出血や下腹部痛、腰痛などの症状が出始めます。さらに大きくなると破裂し、命に関わるおそれがあります。

異所性妊娠については、こちらの記事も参考にしてみてください。

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早めに妊娠診断をすることで、大事になる前に対処できます。
  • 子宮頸がんや子宮体がん(子宮がん)

出血をともなう腰痛の場合、子宮がんの可能性もあります。子宮頸がん・子宮体がん、いずれも早期発見できれば治癒する可能性が高い病気です。婦人科検診を定期的に受けることが大切です。

  • 月経前症候群(PMS)

毎月の月経前に3~10日、腰痛や情緒不安定、倦怠感などの症状に悩まされる場合は、月経前症候群(PMS)の可能性があります。
女性ホルモンやストレスの影響でさまざまな不快な症状が現れる病気です。症状がひどければ、婦人科を受診しましょう。

腰痛の原因としては、これらのほかにも、冷えや肥満、更年期障害などが挙げられます。

排卵日に起こりがちな、腰痛以外の症状

排卵日の前後には、腰痛のほかにもむくみや冷え、眠気、吐き気、イライラ感、便秘などの症状が現れることがあります。
これらは、ホルモンバランスの変化によって起こります。

排卵日に起こる症状について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

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前回の生理開始日から2週間ほどたった頃に訪れるさまざまな不調。眠気が増したり、おなかの調子が良くなかったり、いつもと違う症状に悩んでいる方も多いのでは?これらの症状は「排卵日」と関係している場合があります。排卵日について詳しくみてみましょう。

排卵日のつらい腰痛、対処法はある?

排卵日の腰痛を和らげるには、体をあたためる、生活リズムを整える、睡眠をとる、ストレスを発散するなどが効果的です。それでも改善しない場合はどうすればよいでしょうか?

薬を飲んでもいい?

腰痛がひどい場合や何日も続く場合は、排卵に関連するものではなく、なんらかの病気が原因の場合があります。

もし異所性妊娠だった場合、破裂の可能性があり命に関わります。子宮内膜症や子宮筋腫があれば、早期発見によって病気の進行を抑えることもできます。自己判断で痛み止めを内服するのではなく、腰痛があれば病院を受診し、医師の診察を受けましょう。

また、痛み止めを処方されたら内服し、安静にすることが大切です。

湿布薬を貼ってもいい?

排卵日に関連する腰痛の場合、温めたほうがいいため、冷感タイプの湿布は避けたほうがよいでしょう。腰やおなかを温めたり、ゆっくり入浴するのがおすすめです。

排卵日の腰痛、妊娠の可能性は?

排卵日はまだ、妊娠が成立していない状態です。

排卵で飛び出した卵子が精子と受精し、その受精卵が子宮の内膜に着床し始めるまで約1週間必要です。さらに着床が完了するまで5日ほど必要で、そこでようやく妊娠成立となります。つまり、排卵日あたりの腰痛の症状で、妊娠しているかどうかはわかりません。

しかし、妊娠の可能性も考え、薬の服用やアルコール、タバコなどは控えておくことはとても大切なことです。

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排卵日前後の腰痛は、体からのサインです。妊娠の可能性がある場合は、薬の服用を控え、様子を見るようにしましょう。

もしも、腰痛が激しい、出血が続くなど気になる症状があれば、早めに医師に相談しましょう。

参考:

・医療情報科学研究所(編)、『病気がみえる vol.10 産科 第4版』、株式会社メディックメディア、2018年

・「一般のみなさまへ>女性の病気について>排卵時期の腰痛・性器出血」(一般社団法人日本女性心身医学会)、2020年11月閲覧

・「産科・婦人科の病気 > 子宮内膜症」(公益社団法人 日本産婦人科学会)、2020年11月閲覧

・「産科・婦人科の病気 > 月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」(公益社団法人 日本産婦人科学会)、2020年11月閲覧

・「女性の健康ハンドブック 守りたい自分の体」(石川県・石川県 医師会))、2020年11月閲覧

写真提供:ゲッティイメージズ

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