
【医師監修】産後の尿もれをなんとかしたい!
産後の尿もれとは?
産後の尿もれの原因
妊娠中は子宮が大きくなり、その重さが骨盤底筋(こつばんていきん)にかかります。さらに出産で赤ちゃんの頭が産道を通るときに、骨盤底筋が傷ついたり神経が圧迫されます。
骨盤底筋は膀胱や子宮など骨盤内の臓器を支えており、この筋肉が緩むことが尿もれの原因となります。
産後の尿もれの特徴
産後の尿もれは珍しいことではありません。尿もれにはいくつか種類がありますが、産後の尿もれはくしゃみや咳をしたり、運動をしたときに意図せず尿がもれてしまうのが特徴で、これを「腹圧性尿失禁」といいます。尿意を感じたら我慢できずに尿がもれてしまう「切迫性尿失禁」や、「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」を混合しているケースもあります。
尿もれによる生活への影響は?
産後まもなくは悪露(おろ)もあり、さらに尿もれのケアも加わると快適な生活が送りづらいこともあるでしょう。尿もれが続くと不安から外出を控えてしまうママもいます。なかなか他人に言い出せずに、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。回復するまでは、尿ケア用品(パッド)などを使って上手く乗り切りたいものです。
しかし尿もれの症状がひどく、日常生活に支障をきたす場合には早めの産婦人科の受診をおすすめします。
尿もれ改善のため骨盤底筋を鍛えよう
骨盤底筋を鍛える体操の一例をお伝えします。
①仰向けで膝を立てる。
②おなかを引き上げて肛門や腟を締めるようにして約10秒キープする。
③ゆっくり力を抜く。
②〜③を10回ほど繰り返す。
仰向け以外の姿勢でも座った状態、立って机に手をついた状態でも行えます。
産後、筋肉や膀胱の状態が元に戻るには3〜4ヶ月ほどかかります。まずはその期間、骨盤底筋体操を続けてみましょう。少しずつ改善する場合には問題ありませんが、3〜4ヶ月体操を行っても症状がよくならないときには産婦人科を受診してみましょう。
骨盤体操について説明した動画と記事もあります。参考にしてみてください。
頻尿、排尿痛、血尿…こんな症状は注意
膀胱炎も産後の尿トラブルで注意したいものの一つです。
育児中はなかなか思うように水分が取れなかったり、トイレを我慢してしまうこともあるのではないでしょうか。膀胱炎の予防のためにもできるだけ水分を取り、トイレは我慢しないようにしましょう。
以下のような症状があるときには膀胱炎の可能性があります。
・頻尿
・排尿痛
・血尿
・残尿感
・発熱
膀胱炎が悪化すると腎臓にまで炎症が及ぶ腎盂腎炎(じんうじんえん)という状態になることもあります。異常を感じたらなるべく早めに受診するようにしましょう。
尿もれがあると外出などに気分が乗らないこともあるのではないでしょうか。
しかし骨盤底筋体操で骨盤底筋を鍛えることで尿もれは改善する可能性があります。育児の合間などに行ってみましょう。すぐに効果はでないため少しずつ継続できるとよいでしょう。
無理に行わずに、まずは自分にあった回数で少しずつ進めてみてください。
症状がひどく日常生活に影響をきたす場合には、早めに産婦人科に相談し原因を確認するのも一つです。
参考:
・『PERINATAL CARE(ペリネイタルケア )』、メディカ出版、2012 vol 31.no.6
・立岡弓子(編著者)、『新訂版 周産期ケアマニュアル 第2版』株式会社サイオ出版、2014年
写真提供:ゲッティイメージズ
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