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離乳食の刺身|生はNG、加熱して調理が簡単に

【管理栄養士監修】離乳食の刺身|いつから食べられる?注意点やレシピ・保存方法を紹介

刺身はいつから子どもに与えられるのか、疑問に思ったことはありませんか?「火を通すこと」が基本の離乳食の時期には、生のままの刺身はNG。でも、離乳食に刺身を加熱して活用するのは便利でおすすめです。刺身を使うメリットや気になる活用法などを紹介します。
刺身はいつから子どもに与えられるのか、疑問に思ったことはありませんか?「火を通すこと」が基本の離乳食の時期には、生のままの刺身はNG。でも、離乳食に刺身を加熱して活用するのは便利でおすすめです。刺身を使うメリットや気になる活用法などを紹介します。

魚の離乳食は刺身を加熱して活用すると便利

離乳食の時期の赤ちゃんに生のままの刺身を与えることはできませんが、加熱した刺身であれば魚の種類によっては離乳初期(生後5~6ヶ月頃)から与えることができます。

離乳食で赤ちゃんに魚を与えたいときは、骨や皮がない刺身を活用すると便利ですよ。

刺身を活用するメリット

刺身には骨や皮がないので、取り除く手間や赤ちゃんが誤って食べてしまう心配がありません。

また、1食ごとに少量をその都度調理することができる点や、刺身自体が新鮮なので安心して与えることができる点など、切り身を使うよりもメリットが多くおすすめです。

刺身を離乳食にする方法

刺身を離乳食に活用するには、まず小鍋でゆでたり電子レンジで加熱したりして火を完全に通します。そのあと月齢に合わせてすりつぶしたり、食べやすい大きさに切ってから片栗粉などでとろみをつけて食べやすくします。

詳しくは、下記の「動画で作り方を確認」からも確認できます。

離乳完了期(1歳~1歳6ヶ月頃)からは、刺身1切れをそのままソテーにしたり、スープの具材としても活用できますよ。食べやすい大きさに切って与えてくださいね。

基本は切り身を使った調理方法と同じですが、刺身を使うことで、火を通したあとの皮や骨を取り除く工程を省くことができます。

また、寿司のネタなどで大人は魚の炙り(あぶり)を食べることもありますが、これは完全には火が通っていないので、生と同じで赤ちゃんには与えられません。刺身に限らず、離乳食の基本は「食材に火を完全に通すこと」です。

動画で作り方を確認

刺身を使った魚の離乳食のレシピ動画を紹介します。

きほんの離乳食 白身魚 鯛(生後5〜6ヶ月頃から)

鯛を離乳食に使うときの、小鍋や電子レンジを使った調理方法を説明しています。

皮や骨のない刺身を使うことで、取り除く工程を省くことができるのでより簡単にできますよ。

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きほんの離乳食 赤身魚-まぐろ-(生後7〜8か月頃から)

まぐろを離乳食に使うときの、小鍋や電子レンジを使った調理方法を説明しています。

まぐろは加熱するとぱさつきやすいので、刺身を使う場合でもとろみをつけると食べやすくなりますよ。

動画ではとろみのつけ方も説明しているので、参考にしてみてくださいね。

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冷凍方法や解凍方法

刺身を加熱調理して作った離乳食は、冷凍し保存することも可能です。

冷凍方法

ふた付きの保存容器に1食分ずつ入れたり、ラップに1食分ずつ包んでからフリーザーバッグに入れてから、冷凍庫で保存します。

保存期間は1週間を目安に食べ切るようにしましょう。また、1週間以内であっても、色や見た目、味、食感に少しでも違和感がある場合は必ず廃棄してください。

解凍方法

必ず食べる直前に、電子レンジや小鍋などで全体が熱くなるまで再加熱してください。

離乳食で生のままの刺身を与えるのはNG

離乳食の時期の赤ちゃんに、生のままの刺身(魚のほかにいかやたこ、えび、貝類なども含む)を与えることはできません。

生の魚介類には、海水中に生息している菌や、アニサキスなどの寄生虫による食中毒を起こすおそれがあります。

大人と比べて、胃腸の働きが未発達で抵抗力も弱い赤ちゃんは、食中毒を起こしやすく重症化してしまうおそれも高くなります。

また、固さの面からも、まだ奥歯が生えそろっていない離乳食の時期の赤ちゃんには、生のままの刺身は噛み切りにくいものもあり、与えることができません。

生のままの刺身はいつから与えられる?

では、生のままの刺身はいつから与えられるようになるのでしょうか。

目安としては、体力がついて抵抗力が強くなり、一般的に奥歯が生えそろうとされる3歳頃からがよいでしょう。

しかし、魚介類の種類によっては、与えられるようになる時期の目安が変わるので、下記で理由とともに説明します。

・白身魚・赤身魚の刺身(生)

生のままの刺身を初めて食べるときは、脂肪分が少なく消化吸収がよい白身魚から試すのがおすすめです。

3歳頃を目安に与えられるようになります。白身魚の刺身に慣れたらまぐろ、かつおなどの赤身魚の刺身を試しましょう。

・青皮魚の刺身(生)

あじ、さば、さんま、いわしなどの青皮魚は、白身魚や赤身魚に比べて食物アレルギーを発症する可能性が高い食材であるとともに、足が早い(傷みやすい)ともいわれています。

特に何歳からOKという決まりはありませんが、白身魚や赤身魚の刺身が食べられる3歳をすぎても、急いで生で与える必要はないでしょう。

・貝類の刺身(生)

貝類、特に牡蠣は、生で食べると大人でも食中毒を起こすおそれが高い食材です。

貝類の刺身や生牡蠣は特に何歳からOKという決まりはありませんが、離乳食期はもちろん幼児期も生では与えないほうがよいでしょう。

・えび・かにの刺身(生)

えびやかになどの甲殻類は、食物アレルギーを発症しやすい食材とされています。

生の刺身を与える場合は、加熱したものを食べ慣れてからにしましょう。

3歳以降で、白身魚や赤身魚の刺身に慣れてから試すのがよいでしょう。

・たこ・いかの刺身(生)

たこやいかは、大人でもあごを使ってよく噛まないと噛み切れない食材です。

奥歯が生えそろっていない離乳食の時期の赤ちゃんは噛みちぎることができず、丸飲みしのどに詰まらせる原因となるので与えないでください。

生の刺身を与える場合は、3歳以降で奥歯が生えそろい、白身魚や赤身魚の刺身に慣れてからがよいでしょう。

とはいえ、奥歯の生えそろう時期には個人差があるので、子どもに合わせて与えるようにしてくださいね。

必ず細かく切り刻んで、食べ終わるまで大人がそばで見守るようにしましょう。

生の刺身を初めて与えるときの注意点

3歳以降の上記の与えられる目安の時期になり、生の刺身を初めて与えるときは、下記に注意して、子どもの様子を見ながら与えるようにしましょう。

・少量(ひと口程度)を、体調のよいときに与えましょう。

・新鮮なものを与えましょう(購入して冷蔵庫で保存したものを当日中に)。

・万が一、食物アレルギーの症状や胃腸炎などを引き起こした場合にすぐに受診できる時間帯に与えましょう(病院が開いているの平日午前中など)。

ヒスタミンによる食中毒に注意!

ヒスタミン食中毒とは、鮮度が低下した魚や適切な温度管理がされていない魚(主にまぐろ、かじき、かつおなどの赤身魚や、さば、いわし、さんま、ぶり、あじなどの青皮魚)に発生するヒスタミンという成分を食べることによって発症する食中毒です。

ヒスタミン食中毒の予防方法

ヒスタミンは一度生成されると加熱や凍結などいずれの方法でも分解されることはないので、ヒスタミンを生成させないことが重要です。

そのためには、以下のことを守りましょう。

・魚は購入したら常温放置は避け、冷蔵庫で保管しましょう。

・原因となるヒスタミン生産菌が多く存在する、魚のエラや内臓はなるべく早く除去しましょう。

・鮮度が落ちたと感じる魚は廃棄しましょう。加熱や凍結ではヒスタミンは分解されません。

・魚を口に入れたときに唇や舌先に通常と異なる刺激を感じる場合は、ヒスタミンが多く含まれている可能性があるため廃棄しましょう。

アレルギーについての注意点

レシピには、特定のアレルギー体質を持つ場合にアレルギー反応を引き起こすおそれのある食品を含む場合がございます。

また、初めて召し上がるお子さまには注意が必要ですので、様子を見ながら少量から食べさせてください。

[特定原材料] えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生

[特定原材料に準ずるもの] アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、マカダミアナッツ

「料理を楽しむにあたって」の「乳幼児への食事提供について」もご参考ください。

料理を楽しむにあたって

参考

五十嵐隆(監修)、『授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)実践の手引き』、公益財団法人 母子衛生研究会、2020年

ヒスタミンによる食中毒について 」(厚生労働省)

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写真提供:ゲッティイメージズ

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