【医師監修】新生児の鼻づまりについて
新生児の鼻づまり
新生児も大人と同じように鼻づまりを起こすことがあります。
新生児は、口呼吸ではなく鼻呼吸をしているため、鼻がつまると苦しそうに見えることがあります。鼻につまった鼻水や鼻くそによって、いびきのような音を出すこともあり「どうしたんだろう?」とママやパパは心配になるかもしれませんね。
苦しそうに見えるけど大丈夫?
顔色や機嫌がよく、母乳やミルクを順調に飲んでいる場合は心配ありません。
新生児の鼻の粘膜はとても敏感で鼻の通り道は非常に細いです。そのため、少しの気温の変化でも鼻水が出たり、暖房などで空気が乾燥していると鼻水が固まり、鼻がつまったりしてしまうのです。
新生児の呼吸の音が何か変だなと思ったときや呼吸が苦しそうだなと思ったときは、まず「顔色」と「母乳またはミルクを順調に飲めるか」を確認してみましょう。もし異常がある場合は速やかに病院を受診しましょう。
病院に行くべき鼻づまりの状態は?
鼻づまりだけでなく、次のような症状がある場合は風邪や急性鼻炎、副鼻腔炎(ふくびくうえん)、生理的な範囲を超えて気道が生まれつきせまいなどの可能性もあるため、小児科や耳鼻咽喉科で診てもらいましょう。
- 機嫌が悪い
- 母乳やミルクを飲まない、あるいは明らかに飲みが悪い
- 熱がある
- 呼吸が苦しそう
- 息が荒い(呼吸が早い)
- 喉の下がへこむ
- ぐったりしている
鼻の奥につまって取れない場合
新生児の鼻がつまっていると「鼻くそが溜まっているのかも」と鼻の穴を掃除したほうがいいかもと思うかもしれませんね。たとえ本当に鼻くそがつまっているとしても、無理に取る必要はありません。
母乳やミルクをよく飲み、元気そうであればそのまま様子を見て大丈夫です。鼻くそは自然と外に出てくるようになっています。
鼻くそを取ろうとして、口・鼻をふさいだり鼻の中を傷つけたりしてしまうほうが危険です。もし、鼻くそや鼻水で息苦しそうにしているのが続くようであれば、小児科や耳鼻咽喉科を受診して取ってもらうとよいでしょう。鼻づまり以外にも気になる体調などがあれば小児科を受診しましょう。
新生児の鼻づまりを楽にする対処法
新生児の鼻がつまっているときにできる対処法をいくつか紹介します。以下の内容は、新生児に無理のない程度に落ち着いて行うようにしましょう。
鼻を温める
※注意
窒息の危険があるため、鼻の穴や口をふさがないように十分に注意して行いましょう。
鼻にタオルやガーゼを当てたままで絶対に目を離さないでください。必ずそばで確認をしながら行いましょう。
①温かいお湯に浸したタオルやガーゼをよく絞る
※お湯の温度は人肌程度を目安にしましょう。
②眉間の辺りから鼻の頭までの場所に温めたタオルやガーゼをそっと当てる
※つまんだりおさえつけたりしないように注意しましょう。
③まずは1分ほど当てて様子を見る
※ガーゼを当てたまま放置しないでください
タオルやガーゼが熱すぎないように、ビニール袋に入れてハンカチなどでくるんで使用すると、しばらく温かさが持続します。
部屋を加湿する
適度な湿度があると、鼻につまったものが外に出やすくなります。暖房などによって部屋が乾燥しないように新生児の周りだけでも加湿器を使用したり、洗濯物を干したりして部屋の湿度を上げる工夫をしてみましょう。
体勢を変えてみる
鼻がつまってつらそうに見える場合は、新生児の体勢を変えてみると鼻づまりがよくなることがあります。横になっていたのなら、たて抱きにしてみるなど、つらい状態がさらに悪化していないかを見ながら慎重に試してみましょう。
※ただし、うつ伏せ寝は、呼吸は楽そうになるかもしれませんが、突然死のリスクがあるので行わないようにしましょう。
鼻づまりのときの母乳やミルクはどうしたらいい?
鼻づまりのときの授乳は、こまめに休憩をはさんで行いましょう。
鼻づまりでも母乳が飲めれば問題ありませんが、鼻がつまっているので新生児が自分から乳房や哺乳瓶から口を外すことがあります。授乳してみてやはり苦しそうであれば、早めに小児科や耳鼻咽喉科で診てもらうのがよいでしょう。
数秒から十数秒の休憩や、ゲップの姿勢をとってみると授乳がうまくいくでしょう。
鼻づまりのせいで、新生児が十分な量が飲めているのか不安になるかもしれませんね。その場合は排尿が1日6回以上、水分が多く含まれている便が出ているか様子を見ましょう。もし排尿が少なかったりいつもと様子が違うなと感じたりすれば、なるべく早く小児科で相談しましょう。
まとめ
新生児は鼻呼吸な上に、鼻の穴がとても狭くちょっとした環境の変化に敏感なため、鼻をつまらせてしまうことがあります。
鼻づまりで呼吸がつらそうだったり、「フガフガ」と音が鳴ったりしていると不安になりますが、落ち着いて新生児の様子を見てみましょう。
呼吸が苦しそうに見えたり、授乳量が少なくなったりするようなら小児科か耳鼻科を受診することが必要です。なるべく早く受診するようにしましょう。
参考
・医学書院、『乳幼児検診マニュアル』、2019年8月15日
・医学書院、『《系統看護学講座 専門分野Ⅱ》母性看護学2』、2019年2月1日
・『これからの小児救急電話相談ガイドブック』、株式会社 へるす出版、2017年7月1日
・株式会社 学研パブリッシング、『暮らしの実用シリーズ 最新決定版 初めての育児』、2014年5月21日
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