【管理栄養士監修】産後の食事でとりたい栄養素は?栄養素の多い食べ物も紹介
産後はどんな食事をとればよい?
妊娠中に赤ちゃんへ栄養を送り、出産でたくさんの出血をしたママの体を回復させるために、産後は栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
栄養バランスのよい食事とは?
栄養バランスのよい食事とは、以下の3つの食品グループがそろった食事のことです。
1.エネルギー源:ごはん、パン、麺類、芋類など
2.たんぱく質源:肉、魚、卵、豆類、乳製品など
3.ビタミン・ミネラル源:野菜・果物、海藻、きのこなど
まずは毎食この3つをそろえることから始めてみましょう。
「妊産婦のための食事バランスガイド」を参考に
献立に迷ったら、厚生労働省・農林水産省が作成している「妊産婦のための食事バランスガイド」を参考にするのもおすすめです。
ミルク育児中のママに必要な栄養素
この記事は、育児用ミルクのみで授乳をされているママ向けの内容となっています。母乳育児をされているママに必要な栄養素については、リンクの記事を参考にしてください。
産後にとりたい栄養素や食べ物
ここからは、産後のママに積極的にとってほしい栄養素や、栄養素の多い食べ物などについて紹介します。
鉄
役割と1日に必要な量
鉄は、血液をつくったり、酸素を体のすみずみに運ぶためなどに必要な栄養素です。
出産でたくさんの出血をしたママは鉄が不足しやすく、貧血のリスクがあるといわれています。そのため、月経再開前は1日あたり6.5mg、再開後は10.5mgの鉄を食事から補給できるように意識しましょう。
おすすめの食品
鉄は、赤身の肉や魚、レバー、卵などの動物性食品に多く含まれています。ほかにも、小松菜や納豆、切り干し大根などの植物性食品にも含まれます。
特に、動物性食品に含まれる鉄は吸収率がよいため、植物性食品ばかりに偏らないよう色々な食品から鉄をとることが大切です。
鉄の吸収率を上げる栄養素
鉄は、果物や緑黄色野菜、じゃがいも・さつまいもなどに多く含まれるビタミンCと一緒にとることで吸収率がアップします。
カルシウム
役割と1日に必要な量
カルシウムは、心臓や筋肉・神経の動きを正常に保ったり、骨や歯の健康のために必要な栄養素です。
将来、骨がもろくなり骨折しやすくなる骨粗しょう症(閉経後の女性に多い症状)になるのを防ぐためにも、1日あたり650mgのカルシウムを食事から補給しましょう。
普段から不足しやすい栄養素といわれているため、積極的にとる意識を持ってみてください。
おすすめの食品
カルシウムは、小魚、桜エビ、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、厚揚げや納豆などの大豆製品、小松菜や水菜などの青菜に多く含まれています。
たとえば、桜エビの素干し大さじ1程度(3g)と、牛乳コップ1杯(200ml)と、チーズ2個(35g)と、納豆1パック(40g)と、水菜50gを食べると、おおよそ1日分のカルシウムをとることができます。
カルシウムの吸収率を上げる栄養素
カルシウムは、鮭やしらす干しなどの魚類、きのこ類、卵などに含まれているビタミンDと一緒にとることで吸収率がアップします。
葉酸
役割と1日に必要な量
葉酸は、肌や髪などの細胞の生まれ変わりや、血液をつくるのに必要な栄養素です。
ママの体の回復や、貧血予防のためにも1日あたり240㎍の葉酸を補給しましょう。
おすすめの食品
葉酸は、枝豆などの大豆製品、小松菜やブロッコリー、かぼちゃなどの緑黄色野菜、果物類、海苔、レバーなどに多く含まれています。
たとえば、ゆでた枝豆(さや付き)60gと、アボカド60gと、大きめのいちご5個(1個あたり20g、計100gほど)と、焼きのり全形1/2枚を食べると、おおよそ1日分の葉酸をとることができます。
ただし、葉酸はとりすぎると体によくない影響出ることがあります。自然にある食べ物から摂取している場合はとりすぎによる心配はありませんが、サプリメントや葉酸を強化した栄養補助食品を活用しているママは、必要量を確認して、とりすぎに注意しましょう。
産後、ママの体が回復していない状態で赤ちゃんと過ごすのはとても大変なことだと思います。
無理をしすぎず、弁当やお惣菜、缶詰などの便利なものも上手く活用しながら、できる範囲で栄養バランスの整った食事を目指してみてくださいね。
参考
五十嵐隆(監修)「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)実践の手引き」公益財団法人 母子衛生研究会、2020年
堤ちはる・土井正子(編著)、「子育て・子育ちを支援する子どもの食と栄養」、萌文書林、2018年
「妊産婦のための食事バランスガイド 」(厚生労働省・農林水産省)
「日本人の食事摂取基準(2020年版) 」 (厚生労働省)
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写真提供:ゲッティイメージズ
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