【助産師監修】赤ちゃんが飲み残したミルクはあとで飲ませても大丈夫?
赤ちゃんが飲み残した調乳済みのミルクは次回の授乳のときに与えていい?
飲み残しは必ず捨てましょう
赤ちゃんが飲み残した調乳済みのミルク(※以下ミルク)の扱いについて、たくさん余ってしまった場合、捨てるのがもったいなくて次の授乳のときに使ってもよいかどうか迷う人もいるのではないでしょうか。
ミルクや搾乳した母乳の飲み残しは保存することができません。飲み残した分は必ず処分しましょう。保存ができない理由は、赤ちゃんがミルクを飲むときに哺乳瓶の乳首を通して赤ちゃんの唾液や口の中の雑菌が瓶の中に入っているからです。
飲み残したミルクがたくさん余っているから捨てるのはもったいない……と思っても、哺乳瓶の中では目には見えない雑菌が繁殖しています。飲み残しを与えるのは絶対にやめましょう。
調乳後2時間経ったミルクは危険
飲み残したミルクでなくても調乳後2時間以上経っている場合、その調乳したミルクは捨てましょう。
早く飲む子やゆっくり飲む子、飲みムラがある子もいます。赤ちゃんの体調やその日の気分など、日によって授乳時間はさまざまです。
ミルクを飲むまでに時間がかかってしまうこともありますが、調乳して2時間以上経ったミルクは赤ちゃんに与えないようにしましょう。
調乳したミルクは人肌くらいまで冷まして赤ちゃんに飲ませますが、人肌程度の温度は、雑菌がとても繁殖しやすい温度です。
そのため、口をつけていないミルクでも、調乳後2時間以降は必ず捨てましょう。
ミルクは飲ませる必要があるときに、毎回調乳するようにしましょう。
正しい調乳でリスクを減らそう
ミルクを調乳するときは正しい方法で行いましょう
哺乳瓶は消毒し、70℃以上のお湯を使用してミルクを作るようにしましょう。
基本のミルクの作り方はこちらの記事を参考にしてください。
赤ちゃんにとって有害なサカザキ菌とは
調乳前のミルクはごく微量に、赤ちゃんにとって有害なサカザキ菌という菌が含まれている場合があります。サカザキ菌による感染症に対して最もリスクを伴うのは、生後28日未満の赤ちゃんで、特に免疫不全児や未熟児、低出生体重児の赤ちゃんではリスクが高くなります。
サカザキ菌とは、ヒトや動物、自然環境の中に確認されている菌です。サカザキ菌に感染した赤ちゃんは臓器や体の機能障害を起こしてしまう「敗血症」や、感染したことが要因となって腸が壊死しまう「壊死性腸炎」を発症することがあり、重篤な場合には髄膜炎を併発して亡くなるケースもあります。
以下の症状が続く時には必ず医療機関を受診しましょう。
- 発熱
- 飲みが悪い
- 機嫌が悪い
- 元気がない
なお、サカザキ菌は粉ミルク以外の食品にも存在しますが、粉ミルクだけが病気の発生に関わっています。
また、主にヒトや動物の腸管内にいる菌である「サルモネラ菌※」も粉ミルクからの病気の発生に関係することがあります。サルモネラ菌に関しては粉ミルクを開封したあと、粉ミルクを溶かすときや溶かしたあとに混入することがあるとされているので調乳するときは必ず手を洗って行うなど、正しい調乳方法を守ることが大切です。
※サルモネラ菌は種類が多く、発症すると下痢、発熱といった食中毒を起こすものがあります。
70℃以上のお湯を利用
WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)は、粉ミルクは70℃以上のお湯を使うように「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」に記載しています。日本でも厚生労働省では、70℃以上のお湯で調乳するように呼びかけています。
以前、調乳するときは40〜50℃のお湯を使用するとされていましたが、研究が進み現在では70℃以上のお湯の使用が推奨されています。
飲み残したミルクを飲ませてしまった場合は?
飲ませたあと異変があれば受診しましょう
うっかり飲み残したミルクを赤ちゃんに飲ませてしまった場合、おう吐など変わった様子がないか確認しましょう。
具合が悪くなければ様子を見て、おう吐や下痢症状、機嫌が悪いなどの異変があれば医療機関を受診してください。
飲み残しを飲ませるだけではなく、哺乳瓶に飲み残したミルクが付着していると、軽くゆすぐだけでは雑菌が赤ちゃんの体内に入るリスクがあります。
使用後の哺乳瓶はできる限り早く洗って消毒することが大切です。
すぐに哺乳瓶を洗えない場合は、飲み残したミルクが固まって付着したままになってしまわないように、水に浸けておくと哺乳瓶の底にミルクがこびりつくのを防ぐことができ、洗浄しやすくなります。
調乳をする前に必ずすること
哺乳瓶は、洗剤と流水できれいに洗ったあとに必ず消毒してから使用しましょう。
また、調乳前には手を石鹸と水で洗い、清潔な状態で調乳するように心掛けましょう。育児中は手を洗う機会は多くなるので、手洗いをした後は保湿クリームなどで保護者の手荒れ対策も行いましょう。
夜間授乳で寝られないなど悩んでいる場合
夜間授乳がある時期は、赤ちゃんの生活リズムがまだ整っていない時期のため夜に赤ちゃんが起きてしまい、連続で寝られないことなどもあり、ママ・パパなど保護者にとっては辛いときかもしれません。
赤ちゃんが成長するにつれて、そのうち赤ちゃんは少しずつ日中起きている時間が長くなり、夜はまとまって寝てくれるようになります。
夜間授乳が本当に辛い場合は、ひとりで抱え込まず誰かに相談したり、家族のサポートに頼るようにしましょう。
「出産した病院の助産師」「家庭訪問に来てくれた地域の助産師や保健師」「かかりつけの小児科医」などに相談したり、日中でも赤ちゃんと一緒に寝れる場合は寝てしまうなど、赤ちゃんと家族にあったペースで生活ができる様にしていきましょう。
参考:
厚生労働省、「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについて 」、(2021年4月14日閲覧)
国立感染症研究所感染症情報センター、「CODEXで、乳児用調製粉乳の微生物規格に加えられたエンテロバクター・サカザキ 」、(2021年4月14日閲覧)
厚生労働省、「育児用調製粉乳中のEnterobacter sakazakiiに関するQ&A(仮訳) 」、(2021年4月14日閲覧)
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