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【医師監修】赤ちゃんは日焼け止めを使った方がいい?

【医師監修】赤ちゃんは日焼け止めを使った方がいい?

適度な紫外線を浴びることは、病気のリスクを軽減するためには大切です。
日差しの強い日などは赤ちゃんに日焼け止めを塗ったほうがいいのか気になるママ・パパもいるのではないでしょうか。日焼け止めの選び方や紫外線対策をご紹介します。
適度な紫外線を浴びることは、病気のリスクを軽減するためには大切です。
日差しの強い日などは赤ちゃんに日焼け止めを塗ったほうがいいのか気になるママ・パパもいるのではないでしょうか。日焼け止めの選び方や紫外線対策をご紹介します。

赤ちゃんは日焼け止めを使った方がいい?

日焼け止めは上手に取り入れましょう

乳児の場合、紫外線の強い時間帯を避けたり衣服で肌を守ったりなどの工夫をすれば、日焼け止めを使用しなくてもいいとされています。

ただ赤ちゃんは、大人に比べると皮膚のバリア機能が低いうえにデリケートです。長時間、強い日光を浴びるのは危険ですが日焼け止めを使うことで紫外線から肌を守ってあげることができます。

紫外線に対する抵抗力は個人差があり、紫外線の量や強さも季節や地域によって異なります。過度な紫外線を浴びないように気をつけながら、上手に日焼け止めを取り入れましょう。

紫外線は9時~15時、4月~9月が特に要注意

紫外線対策をするときに、押さえておきたいポイントがいくつかあります。

紫外線は早朝や夕方は弱いのに対し、日中、特に9時~15時の間は非常に強くなります。季節で見ると、1年の中で4月~9月の間が特に強くなります。夏の終わりよりも、春先の方が紫外線の影響を受けやすいようです。

くもりの日でも、晴天時の約80%の紫外線が降り注いでいるため注意が必要です。天気がいい日は日陰であれば日向と比較して約50%に紫外線量が減ることがわかっています。

状況に合わせて上手に紫外線対策を

紫外線の量は地域差もあるため、お住まいの地域の紫外線情報などを確認するようにしましょう。

赤ちゃんとのおでかけは、日差しの強い時間帯はなるべく避け、朝夕の涼しい時間帯がおすすめです。

衣類を選ぶときは、袖が長く襟付きなどの身体を覆う面積が多いものを選ぶとしっかり紫外線から皮膚を守ってくれるためおすすめです。

ただし布で覆いすぎて通気性が悪くなってしまうと熱中症も心配です。無理のない範囲で選ぶようにしましょう。

帽子やベビーカーの日よけなどを利用して、赤ちゃんに直射日光が当たらないように注意してあげるのもいいでしょう。帽子を選ぶときはつばの広い帽子の方が紫外線対策に効果的です。

これらの紫外線対策をしていれば乳児の場合、日焼け止めは必ずしも必要ではありませんが、衣類で覆うことができない部分などもあるため、状況に合わせて日焼け止めを取り入れましょう。

紫外線対策と虫除け対策が一度にできる便利なアイテムに、サンシェードがあります。ぜひ参考にしてみてください。

(※日差しの強い日の外出など、ベビーカーをサンシェードで覆う場合は赤ちゃんの様子を都度確認するようにしてください)

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日焼け止めは何を使ったらいい?

「子ども用」と書かれた日焼け止めが安心です

大人用の日焼け止めは、赤ちゃんの肌には負担が大きい場合もあるため、子ども用の日焼け止めを選びましょう。

日焼け止めの効果は、「SPF(Sun Protection Factor)やPA(Protection grade of

UV-A)」で表されています。炎天下の中でのレジャーなどでは、日焼け止め効果の数値の高いものが必要ですが、日常生活でむやみに数値の高いものを選ぶ必要はないので、「SPF 15 以上」、「PA ++ ~ +++」を目安にするとよいでしょう。

子ども用や敏感肌用の日焼け止めとして販売されているものには、「アルコールフリー 」「オーガニック」と表記されているものや、紫外線散乱剤のみを使用し、紫外線吸収剤を使っていない「ノンケミカル」と表記されているものが多いです。

※紫外線吸収剤が入っていると、日焼け止めを塗った際に皮膚が白く見えないという特徴をもっている半面、まれにアレルギー反応をおこす人がいます。

「ノンケミカル」は赤ちゃんの肌に負担が少ないとされていますが、紫外線吸収剤以外の化学成分が配合されている場合もあるため、成分表示を確認してから選ぶようにしましょう。製品によっては、大人用の日焼け止めでも「〇歳から使用可能」と表記されているものもあります。詳細がわからない場合は使用する際に製造元に確認してみると安心です。

また日焼け止めは、乳液状のものやスプレータイプなど形状もさまざまで、ウォータープルーフやウォーターレジスタンスなど耐水性のあるタイプもあります。目的や生活シーンに合わせて選ぶようにしましょう。

日焼け止めのパッケージには「アレルギーテスト済み」と表記されているものも多くあります。一定の目安にはなるものの、すべての人にアレルギーが起きないという意味ではありません。

皮膚への刺激になるかは個人差がありますので、使用前に必ずパッチテストを行うようにしましょう。

塗り薬や虫除けと一緒に塗るときはどうしたらいい?

「塗り薬→日焼け止め→虫除け」の順番で塗りましょう。

塗り薬を使用している赤ちゃんや、夏場などは虫除けスプレーなどを塗っている赤ちゃんも多いのではないでしょうか。

塗り薬や虫除けスプレーは日焼け止めと併用できますが、塗る順番を悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。

正しい順番は「塗り薬→日焼け止め→虫除けスプレー」です。

日焼け止めは量が少ないとあまり効果が期待できないので、説明書にある量をしっかりムラなく均一に塗るようにしましょう。汗や手で触って落ちたら、こまめに塗りなおすことも大切です。

色々と塗り重ねることは少なからず肌への負担になる可能性もあるため、肌の弱い人や肌のデリケートな赤ちゃんや子どもは、日焼け止めや虫除けスプレーを選ぶ際に、虫除け効果のある日焼け止めを選択したり、できる限り肌にやさしいタイプを選んだりするようにしましょう。

プールや海水浴のときはどうしたらいい?

肌が露出しているときは、紫外線の影響を受けやすくなります。プールや海水浴へ行ったときは、必ず日焼け止めを塗るようにしましょう。(日焼け止めの使用を禁止しているプールもあるため、施設に確認をしましょう。)

室内プールや天幕が張ってあるプールを選ぶのが理想的ですが、ない場合もプールサイドにテントがあれば、泳いでいないとき日陰として利用するだけで紫外線から肌を守ることができます。

またラッシュガードという、プールやマリンスポーツのときに紫外線の防御や擦り傷から肌を守ることを目的として作られた専用の衣類を着用することも紫外線対策につながります。

サンゴや海洋生物への影響の懸念から、特定の紫外線吸収剤の入った日焼け止めの販売や流通が禁止されている国や地域もあります。

対象となっている紫外線吸収剤は、「オキシベンゾン」や「オクチノキサート」などです。

肌への優しさとともに、海へ行くときは、環境へも配慮した日焼け止めを選びたいですね。

紫外線の浴び過ぎに注意

赤ちゃんに限らず大人も紫外線や日焼けには注意が必要

紫外線を浴びると皮膚に炎症が起こり、真っ赤になって痛みのある日焼け(サンバーン)と、その後数週間~数ヶ月続く、黒っぽくなる日焼け(サンタン)の症状が現れます。

皮膚にはメラニン色素を作って紫外線から体を守る仕組みが備わっていますが、過度な紫外線は要注意です。継続して強い紫外線を浴び続けると、皮膚の老化や、目の病気、皮膚がんなど体に影響があることがわかってきているため、普段から紫外線の浴びすぎに注意しましょう。

覚えておきたい紫外線対策のポイント

  • 外出は紫外線の強い時間帯(9時~15時)を避けるようにする
  • 衣服や帽子などを活用して、直射日光に当たらないよう工夫する
  • サンシェードやラッシュガードなど便利なアイテムを活用する
  • なるべく日陰に入るようにする
  • 生活シーンや肌質に合わせた日焼け止めを使用する

赤ちゃんはもちろんですが、ママ・パパにとっても過度の紫外線は危険です。赤ちゃんと一緒に適切な紫外線対策を行いましょう。

紫外線には骨を作るビタミンDを作る役割も

紫外線の浴び過ぎは危険ですが、紫外線には骨を形成するときに必要なビタミンDを体内で合成する役割があります。そのため、「全く外出しない」「全身を覆う」など、極度に紫外線を避ける必要はありません。日光を避けすぎてビタミンDが不足すると骨が柔らかく曲がりやすくなる「くる病」などの病気になることもあります。

ビタミンDは食物からの摂取だけでなく、紫外線をある程度浴びることで作られるため、時間帯など状況を考え、適度に外出するようにしましょう。

外気浴や日光浴の際には強い紫外線を長時間浴びることは避け、日焼け止めを活用しながら、上手に紫外線と付き合っていきましょう。

参考:

日本皮膚小児科学会、「こどもの紫外線対策について 」、(2021年4月27日閲覧)

紫外線環境保健マニュアル2020 」(環境省)(2021年4月23日に利用)

日本内分泌学会、「くる病 」、(2021年4月27日閲覧)

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