【管理栄養士監修】離乳食の牡蠣(かき)|いつからはじめる?進め方やレシピ・アレルギーについて解説
牡蠣は栄養価の高い食材ですが、食中毒の原因となりやすいため離乳食で与える場合は下ごしらえや調理のしかたに注意が必要です。
牡蠣は栄養価の高い食材ですが、食中毒の原因となりやすいため離乳食で与える場合は下ごしらえや調理のしかたに注意が必要です。
牡蠣はいつから食べられる?
離乳後期(生後9~11ヶ月頃)から、よく加熱して使用
牡蠣はしっかりと加熱をすれば離乳後期(生後9~11ヶ月頃)から与えることができますが、食中毒に注意が必要な食材です。
特にノロウイルス食中毒の原因となる可能性が高く、ウイルスへの抵抗力が弱い離乳期の赤ちゃんが感染すると症状が重くなる可能性があるため、離乳食として与える場合は牡蠣の中心部までしっかりと加熱をしてから与えましょう。
特に、冷凍や殻付きの牡蠣は加熱が不十分となりやすいため注意して調理します。
心配な場合は離乳完了期(1歳〜1歳6ヶ月頃)以降に様子を見ながら与え始めてもよいでしょう。あえて離乳食の時期に与えなくてもかまいません。
離乳食で与える場合は、貝柱など弾力のある部位は避け、中心のやわらかい部分を小さく刻むと赤ちゃんでも食べやすくなります。
どのくらいの量食べさせたらよい?
子ども用スプーンのひとさじから始め、徐々に量を増やしていきましょう。
初めて与える場合は、少量をほかの食材と混ぜずに与えます。
離乳食の進め方についてはこちらの記事も参考にしてください。
牡蠣の大きさや量の目安
子どもの成長に合わせて、食材の大きさや固さを変えます。
牡蠣の時期別の大きさや量の目安
© every, Inc.
下ごしらえのコツは?
- 牡蠣はノロウイルス食中毒の原因になりやすいため、調理の際は牡蠣の中心部までしっかりと加熱する。(ノロウイルスを死滅させるためには、食材の中心部が85~90℃で、90秒以上の加熱が望ましいといわれています)
- 調理後のまな板や包丁がノロウイルスで汚染されることがあるため、使用後は洗浄や消毒をする。
- 食中毒を予防するため調理前後は手指をしっかり洗浄する。
- 弾力のある部位は避け、やわらかい部分を使用する。
- 生食用と記載がある場合でも離乳食に使用する場合は必ず加熱をしてから与える
調理方法
初期(生後5〜6ヶ月頃)
この時期の赤ちゃんには、まだ与えません。
中期(生後7〜8ヶ月頃)
この時期の赤ちゃんには、まだ与えません。
後期(生後9〜11ヶ月頃)
牡蠣の中心部までしっかり加熱をし、中心部などのやわらかい部分を小さく刻んで与えます。
完了期(1歳〜1歳6ヶ月頃)
牡蠣の中心部までしっかり加熱をし、中心部などのやわらかい部分を食べやすい大きさに刻んで与えます。
食物アレルギーについて
牡蠣は、まれに食物アレルギーを発症する危険性があります。
そのため、初めて与える際は少量から始めましょう。
また、万が一食物アレルギーや食中毒を起こした場合でもすぐに病院へ行けるよう、平日の午前中など医療機関を受診できる時間に与えるようにしましょう。
注意事項
食材は、特定のアレルギー体質を持つ場合に、アレルギー反応を引き起こすおそれがあります。
初めての食材を食べる子どもには十分注意が必要です。様子を見ながら少量から食べさせてください。
[特定原材料] えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生
[特定原材料に準ずるもの] アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
離乳食を調理する前に、「料理を楽しむにあたって」の「乳幼児への食事提供について」を事前にご確認の上ご利用をお願いいたします。
誤飲や誤嚥による事故を予防するポイント
- 離乳食は月齢の目安のサイズを参考に、食べやすい大きさにして与えましょう。
- 一口の量は子どもの口に合った無理なく食べられる量にし、自分で手づかみ食べや、スプーンで食べる場合は、量が多くないか、咀嚼して飲み込んでいるか、様子をみましょう。
- ミニトマト、豆類は、そのままの大きさだとのどに詰まる危険があります。カットして安全な大きさにしましょう。のどに張り付く餅、噛むことが難しいこんにゃくや野菜、固い食材も飲み込むことが難しくなります。
- 誤って気管支に入りやすいピーナッツなどの固い豆・ナッツ類は、5歳以下の子どもには与えないでください。
- りんご・梨・柿は喉に詰まりやすい食材です。完了期までは生では与えず、すりおろしたものを加熱して与えましょう。
- 年長の子どもが、乳幼児にとって危険な食品を与えないよう注意しましょう。
参考
五十嵐隆(監修)「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)実践の手引き」公益財団法人 母子衛生研究会、2020年
厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A
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